風呂場で倒れたら、あと宜しく
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
野菜食べないで、お冷飲んで、お腹壊しました。
キッツイです。
ラッシー美味しかったです。
「風呂場で倒れたら、あと宜しく」
遠征直後に残暑厳しい街をぐるりと巡り、帰ってきた彼女からの一言。顔は真っ赤というより寧ろ青ざめていて、脹脛は痙攣を繰り返していた。明らかに病状が最悪な彼女を引き留める様に腕を掴む。このまま風呂に入らせて、頭でも打ったらという、最悪な想像が出来る。
「そんな状態で大丈夫なの? 風呂場で倒れる想像しか出来ないんだけど」
「お腹……冷やしちゃって……」
「は?」
彼女は真っ青になりながら腹を摩り、邪魔そうに手を振り払う。離してやると前屈みになってその場で蹲った。完全に胃を殺られた人間のする行動であった。彼女は呻き声を上げながら、玄関横の風呂場を指差す。
「だから……胃腸温めるから、風呂……。風呂……」
「分かったよ。もう」
彼女の為に道を開けてやり、端によって観察する。壁に手を着いてのそのそ歩き、漸く脱衣所まで着くと、手短に靴下を脱ぎ捨てて、洗濯機に放り投げる。その様を見ていたら、彼女から何かを捻る様な指の動きをされた。後ろへ向けという事だろう。
同棲こそすれど、夜の話があろうと、意外と初心なところがある。照れ屋なのかも知れない。可愛いと思う。
そんな事を考えていたら、浴槽の扉が閉まる音がした。振り返ると彼女は脱衣所に居なかった。用は無いと立ち上がり、去ろうとした時、突然ガラス戸が開いて顔だけをぬっと出して来た。少し顔が赤い。
「傍に居てね。倒れても、よろしく出来る様に」
それだけを手短に言って、また颯爽と引っ込んだ。
風呂上がり、真新しい寝巻きを纏って、リビングへ。彼女はビーズクッションの形を整えるとそのまま思い切りダイビングした。それから顔を埋める様な動きをして、突然死んだ様に停止する。
しんどかったのだと思う。なんせ出掛けたのは朝の六時頃。その上旅行帰りで疲れが溜まった状態。素知らぬ顔をして出て行ったが、多分、体のあちこちが悲鳴を上げている事だろう。
その体を労う様に背を撫でてやる。少しでも安眠出来る様に。起きたら、話を聞かせてね。その思いを汲んでか、返事は寝息となって帰ってきた。
「どれくらい寝てた!?」
「ざっと二時間ほど。短くなったねぇ。三時間コースはザラだったから。休めた?」
「んー、下半身激重。まぁ無理したしね」
そう言って、撫でていた手に擦り寄って、また瞼を閉ざした。
「風呂場も、寝ている時、傍に居てくれて有難う」
ラッシーは美味しかったです。
以下、あまり表現の宜しくない言葉が並びます。
長旅翌日、休みにしがみついて放浪したら、下半身バッキバキ、お腹ピーピーです。水飲む度に腹抱えるって相当ヤバい人だよ。
帰ってきて気絶する様に寝て、今に至ります。
寝ても良くなりませんでした。
爪も良くなりませんでした。
薄い恋愛ですが、浴室でもたれ掛かる描写が書きたくて書きました。え、立膝着いてずっと待ってるんすよ。脳殺られません?
次は蝶の話を書きたいです。