マギラの国家魔術師?
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「マギラの情報も気になるけど、先にカラン読みたい」
ぺらぺらと捲っていくと、最後のページに載っていた。あの馬鹿王子とお花畑令嬢が正式に婚約者となり、来年の春に結婚すると書かれていた。早いな。ここまで王家の対応が早いとは。やはり、お花畑令嬢を唆したのは王族か、王族に近い人間?なら、お父様達も危険な状況にあるかもしれない。一緒に亡命してもらう?ああ、ダメだダメだ。王家との契約魔法によって正式な貴族として認められた者は国を出ることを禁じられてしまっている。契約魔法を切る手段を考えないと。私との契約魔法も解かないと、皆を連れて来られない。
「やること山積みじゃん。私、馬鹿だな」
新聞を置き、ぐぅーっと身体を伸ばす。空を見上げると、どこまでも青い、美しい空が広がっていた。いつも見上げていた、空。かつては狭いと思っていた空も、いざ小さな世界から飛び出し、広いところで生活し、空を見上げると、こんなにも空は高く、果てしなかったのだと思い知らされた。自分がいかにちっぽけな、世界という名の機械の、歯車の一つでしかないのだと。
横に置いた新聞を手に取り、次はマギラについての特集ページを探す。お、あったあった。
「国家魔術師、属性ドラゴン討伐成功。国家魔術師?」
属性ドラゴンっていうのは火、風、水、地、光、闇の魔法属性に特化したドラゴンのこと。そんなことより、国家魔術師って何?そんなのがあるの?国家ってことは国に認められた役職だよね。冒険者ギルドで聞けば、分かるかな。
私はまだ時間があることを確認して、冒険者ギルドに向かう。何か情報を得られることを願って、いざ、出発!
冒険者ギルドに行くと、冒険者だけでなく、依頼を出しに来た人達もいた。受付待ちの列に並び、しばらく待っていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。振り返ると露出の多い服を着たお姉さんだった。剣を携えているところを鑑みると、冒険者かな?
「何ですか?」
私は首を傾げ、お姉さんに問う。お姉さんは私に手招きをして、列から外れる。せっかく並んだのに。何のようなわけ?
「ごめんなさいね。あなたの持っている新聞が見えてしまって。あなた、国家魔術師について聞く気でしょう?」
お姉さんが私の手の中にある新聞を指差し、そう言った。凄い、なんで分かったの。そんなに分かりやすい態度、してたかなあ。
「なんで、分かったんですか」
「それはね、あなたの魔力量よ。私、相手の魔力量を測ることができるの。あなたの魔力はとても強大よ。そして、さっき、マギラ行きの船の近くのベンチに座っていた。この二つから国家魔術師になりたい、もしくは知りたいんじゃないかと思って。当たってる?」
このお姉さん、推理得意なのかな。人間観察好きなのかもしれない。魔力量を測定できる人ってのも驚きだし、この人、何者?さっきから疑問だらけの私をよそに、お姉さんは勝手に話し始めた。
「マギラの国家魔術師はお勧めよ。特に亡命者には、ね。試験自体は難しくて倍率も高いけど、受かれば亡命者限定でお城の中の部屋を無償で貸し出してくれるのよ。お給料もいいし、地位も高い」
「お城の中の部屋をタダで貸してくれるんですか?!」
おしえて、レインちゃん!
?「今日はお金について教えて!」
レ「単位はリル。硬貨は小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨、銀貨、大銀貨、小金貨、金貨、大金貨」
?「いっぱいあるね」
レ「うん、順に一リル、十リル、百リル、千リル、一万リル、十万リル、百万リル、千万リル、一億リル」
?「あれ?レインちゃん、金貨持ってたよね」
レ「うん、まあ、ね・・・・・・」
?「え、なにその反応」