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チェンソーマンPVでハッピーで埋めつくされたので本編の余韻をぶち壊す更新
短いです
VRゲームにおけるクソゲーとは何か。
ゲームエンジン上、そのまま特に捻らずモンスターやスキルシステムを設計したとして、それは凡作にはなろうともクソの烙印を押されることは無い。
クソであることと、つまらない、面白くないことは大きく違う。
歯応えの無い敵、起伏の無いストーリー、カスタマイズ性の無いビルド等はつまらなさを助長するものであって、クソだと唾棄するに至る理由というものは、進行不能バグや調整不足の難易度、内容が薄過ぎる等の"ゲームとしての基礎が成立していない、プレイする上で確実にストレスが溜まる"ようなことだ。
インターネット社会化が進んだ今、ゲームのレビューというものはとても早く、そして正確に付けられる。
優秀な地雷処理班の成果報告はああ実に、欲しい条件を絞り込むのに有効だった。
「……やりたくないなぁ」
R-18のそのクソゲーは、市場で取り引きされることは稀であった。
彼女はそのゲームがやりたい訳では無く、又クソゲーハンターでもドMでもなければ、或いはこのソフトの入手に掛けた手間と資金を回収出来る見込みも無い。
正解に辿り着けるかは不明で、自分の根性がそこまで持つかも不明で、これから馬鹿みたいな時間を費やすことになるだろう宿敵を睨み、嫌々ながらソフトをヘッドギアに差し込む。
本当に、心底から、このゲームをやりたくない彼女は、理論と目的のためにその地獄へ挑む。
「……ログイン」
痛覚上限150%、徹底的な物量と攻撃力を誇るゾンビ達に、多種多様な方法で殺されまくるVRの死にゲー『デメント・モリ』
臓物の詳細な再現から肉体欠損で肉から骨が飛び出るリアル志向、発狂ゲージやウイルスを完備、寄生された体の内側から触手が突き出して死ぬような、プレイヤーを苦しめることに振り切り過ぎた闇のクソゲーに、まだ14歳の彼女は飛び込んだ。
そんなクソゲーに彼女が触れた理由なんて実に単純明快だ。
──少女はキチガイであった。




