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毎日更新出来て偉い
あ、ぶっ込むとテンポ悪くなる説明は飛ばして後の関係ある話の時に解説するので、"なにこれ?"ってなっても気にしないでくださいね(今回で言うと魔伝導とかⅡとかⅢ)
「……寧ろこっちの方がメインまであるだろ」
『NPN:コヒメ ???の末裔
職業・旧巫女Lv47
▪ステータス
HP:C
MP:A→A+
SP:B
STR:C
INT:A→A+
VIT:C
MND:B→B+
AGI:C→C+
DEX:E+
SECRET+【今は表示出来ません】
▪習得スキル
種族
『物理耐性』『魔法耐性』『魔力の具現』『眷属生成』『纏炎』『九天奉姫』
職業
『奉神接続・劣』『奉神祈祷・劣』『九天之加護』『運命:九天奉姫』
武術『剣術』『体術』『鬼族の武術』
魔法『式神魔法』『炎魔法』『炎魔術』
防御『身代わり[改]』
身体『血潮の簒奪』』
『EXクエスト[九天奉姫:黒]』
『大目標:逢魔山脈彼岸村の到着』
『小目標:奉神の超克(現在50%)』
『小目標:黒天の使徒の討伐(済)』
『小目標:???の壊滅』
『小目標:???の撃破』
『小目標:???の撃破』
『小目標:黄昏の火の入手』
『小目標:空島と次元図書館の到達』
『小目標:コヒメのトラウマの克服(済)』
『小目標:コヒメの絆を最大にする』
『断章・灰都(破損状態)
シナリオ専用武器:九天奉姫[黒]
斬撃100/刺突80/切れ味70/強度100/耐久値0%
魔法150/魔伝導150/消費MP軽減40%/詠唱短縮4
属性適合[炎]
PS『黒の加護』
・特殊属性の性能を強化
・被ダメージを20%軽減
PS『???』
AS『???』
AS『???』
AS『???』
降り頻る灰、焚べられた碑文。
栄華を燒いた滅びの火は断片として使徒に受け継がれた。
それが伝えるのは六節の歓喜と七節の悲哀、魔女は愛する国を灰燼に帰した』
「じゃあ何だ、これ目標クリアする度にコヒメちゃん成長する感じか」
「そろそろはなして……」
「トラウマ克服出来て良かったでちゅねーコヒメちゃん?」
「最悪、死ね」
当初の目的を忘れ、捕獲したコヒメの黒い羽を弄って遊ぶこと数十分。
いつの間にか生えてたこれは中々に触り心地が良く、ふわふわでさらさらで、なんかお日様の匂いがする。
ちぎって束ねて毛布にでもしたら凄く気持ちよさそうだ。
「……コヒメちゃんの高級羽毛布団?(ボソッ)」
「ッ!?!?!?」
あ、めっちゃ震えてバサバサしてる。逃げられないって分かってるから暴れもしないし可愛いね。
……まぁこそばゆいだの触るなだのうるさいし、もう十分堪能したし、いい加減離してやるか。私ってば優しいな?
「ほーら自由だよー」
「……もう触るのはいいけど無理矢理と怖いこと言うのは絶対にやめてそして死ね」
「めっちゃ早口じゃん」
一目散に逃げていくコヒメだが別に確認したいことは終わってるし、暫く自由にさせたげよう。
(かなり……ってかめっちゃ強くなったな)
EXクエスト九天奉姫……その進行報酬と言うべきか、使徒を殺すことでコヒメちゃんは強化された。
ステータスに加えてスキルの追加や変化、果てには彼女専用の壊れ武器の入手など、それは寧ろ私の成長以上にやばかった。
『スキル・眷属生成
自分のステータスに応じた僕を生み出せるようになる』
『スキル・纏炎
全ての火属性ダメージと炎上状態を無効化
全ての攻撃に火属性と炎上Ⅱを付与』
『スキル・身代わり[改]
緊急時に退避し、死亡判定を無効化させるアイテム『身代わり札』を作成出来るようになる
装填時間1日、所持上限3枚』
「凶悪だなぁ」
追加されたスキルについての感想はその一言に尽きた。
眷属の性能はまだ不明だけど、流石に『纏炎』がエグすぎる。なんでこれ火炎系の完全耐性に加えて全攻撃に追加ダメージ付けてんだよ正気か? 地味に炎上効果もⅠじゃなくⅡだしさぁ。
身代わりも身代わりでなんか所持上限増えてるし、ガーゴイルも出なくなったみたいだし、このクエストやる上での懸念点ほぼ無くなってないかこれ?
「あとお前だよお前、君ドロップするってマジ?」
アイテムボックス漁ってる内に見つけたそれを具現化すれば、ゴトッという重い音を立ててその武器が現れる。
それは黒い遺跡の壁のような刀身を持つ、かつて大剣だったものだ。
「縮んでるし私が折った状態のまんまじゃねぇか」
『断章・灰都』と名付けられたそれは、使徒が奮っていた対刃剣……それを常識的なサイズまで小さくしたものだった。
直径1m50cm程の二刀の直剣は、合体させる機構のためか柄が長く出来ているのだが……私が合体中に無理矢理半ばからぶった斬ったせいで歪みが酷く、加えて凄まじい量の傷跡が出来ている。
「80レベボスの専用武器として性能はぶっ壊れてるけどさぁ……これ修理にどれだけ金かかるんだ?」
参考までに暴血狂斧がHP上限半減、VIT半減、攻撃時に合計自傷20%とかいうデメリット抱えて斬撃120、打撃80、切れ味40、強度120なのに、素の状態で物理性能トントンなのはいっそ笑えてくる。
「なんならコイツ魔寄りの魔剣だし」
魔剣……魔法発動を補助する触媒としての能力も持つ代わりに、基礎性能が低いことが特徴の武器種には、その中でも物理性能に寄せたタイプと魔法性能に寄せたタイプがある。
"灰都"の場合、このクソ高い物理性能ですらオマケに過ぎないと言えるほど魔法関係の補正は狂っていた。
なんだよ魔伝導150って初めて見たぞ、どんだけ魔法エンチャしやすいんだよ魔力回路ガバガバかよ。
壊れててPSもASもまだ機能してないけど、逆に言えば直れば更に強化されるって訳でして。
「……まーでもハッキリしたよな、このクエストのコンセプト」
『小目標:奉神の超克(現在50%)』と書かれた『九天奉姫[黒]』から開けるクエストリストと、成長したコヒメと得られた報酬。
最初は小目標クリア毎に私への報酬があるものと考えてたが、これアレだ、コヒメちゃん……というか、随伴NPCを成長させていく育成コンテンツだ。
私の強化じゃなくNPCを強化する形はなるほど、実質戦力二倍以上になったようなもんだしEXクエストの報酬としては十分じゃん。
質のある数が強いことなんて、私は誰よりも知ってるし。
「クエスト進めたらこのレベルの強化が何回もされるってまじぃ?」
最終的に私が稼いだMPを渡し続けて火力全部コヒメちゃんが担当したりするのかなぁとか思うと、今から戦々恐々としてしまうんですがそれは。
「私もこれから飛躍するからトントンかもしれないけどさ」
ああそうだ、使徒の討伐報酬はこれだけで終わりはしない。
遺装が手に入った訳では無いが、実の所80レベル台ボスの基本討伐報酬自体は配布されている。
莫大な金、ボス素材、消費型特殊アイテム、果てには使徒が作り出した環境に応じてか多種多様な高レア鉱石までもが、他プレイヤーに分配されることなく私一人に集約されたのだ。
「じゃあそろそろまともなアーツ解禁するか!」
冥王ビルド限定の強みたるある仕様。
それを私は悪用すべく、手に入った消費アイテム……『アーツオーブⅢ』を一つ使用した。
******
「漸く出てきましたか」
「思ったより目移りして時間食った」
訓練所から出てみれば、ぼちぼちボスを突破したプレイヤーがツーブライトの街に増えていた。
私が浮いているのか、コヒメちゃんが浮いているのか。それなりに注目を集める中、私は迷わずある場所へと向かっていく。
「そんな離れなくてもよくない?」
「何されるか分かったものじゃないので。……次はどこに行くんですか?」
「隠し街の散策」
「帰っていいですか?」
「駄目」
こうして会話してて思うが、絆の達成が一番の無理ゲーなんじゃなかろうか。
トラウマの解決(個人の成長とか一切知らない暴力による原因療法)
コヒメの成長に関して
達成した小目標毎に対応するステータス補正が半段階上昇+スキル変化or追加+使用魔法の追加が発生します。
因みに眷属と身代わりの変化は使徒討伐によるもので、本来はトラウマと絆を達成して纏炎とあるスキルで使徒に挑むのが開発の想定した正規ルートです。
コヒメが彁に対してひねくれてるのは……まぁ……そりゃそうなるよなぁって……