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積み動画と積みアニメと積み小説と積みゲームとクリスマスイベと年末イベ消化してたら前回更新12/3になってました

一番嘘みたいなのがまだニコ動消化出来てないこと。お前マジ?

 六本の操血による触手、その先端に接続されているのはガルナに作らせた漆黒の巨大剣。

 加えて武具化している槞の余り武装……大盾と大剣を宙に浮かせたこの姿こそが、私の最新の戦闘形態。

 半径5m内における、私だけの絶対殺傷空間。


「"挑発"!」


「あら立候補? じゃあまずお前から」


 開戦の火蓋を切ったのはREMONによる挑発スキル。勢いよく放たれたオーラが私に当たり、意識と視線が強制的に吸い込まれる。

 振り切れないそれは対人戦におけるヘイト操作の作用であり、鬱陶しさこの上ない感覚は、私の最初の餌食にしてやるには十分な理由だ。


 腰を落とし、軽く地を蹴り飛ばす。

 化け物のような加速。

 脳火事場起動により跳ね上がっている運動能力に、莫大なAGIが乗算されている私の機動力は、両足一度づつの跳躍で数十mを喰らい尽くし……発砲音を脚部から奏でながら、叩き付けるは六足の大質量。


「アイアム反応速度警察」

「ぬぐっ!? 馬鹿クソ火力!?」


 横凪ぎの直撃と爆音は、まるで車が衝突事故を起こしたようだ。

 吹き飛ぶREMONは流石ランカーと言うべきか、全てを盾で受けてまだ生きている。下手な受け方なら削りだけで殺せるのにきっも!


「随分非効率なステ振り方してんじゃん!」

「そう? 火力、いいと思うんだけど」


 私が追撃に移るより早く、飛んできた斬撃を切り飛ばす。

 その隙とも言えない刹那を突いたノムキンが高速で寄せてきたので、蹴りにクロスするようにこちらも回し蹴りを振る。

 それは果たして衝突せず、自傷跳躍によって上へと避けられた。


「あら避ける?」

「風圧だけで死ねるのが分かんだよボケ!」

「あはっご明察、私のSTRは大体1000だぜ」

「キチガイ!」


 酷い言われようだ、別にゲーム性に則ってビルドしてるだけなのに!


「──ならこういうのは?」


 ガイィン!と激突したのは鋼と魚の背鰭。長巻の刃と交錯するのは、ミダラの振るう細い太刀だ。

 戻していた触手を意識による操作で対空迎撃に使用し、認識していたミダラの詰めを剣閃で潰しに行けば、極当たり前のように受け止められた。


「きっも」

「ッ!?」


 どうせ変態技巧で力の芯でも抑えられた感じだろこれ、相変わらずやることがキメェんだよお前。

 STR判定を足で叩き出し、足を離さずにその場で踏み込み。発生した莫大なエネルギーを腕まで伝え、方向を少しズラして、開放!


 はい処理。


「ベク変くらい出来ないわけないじゃん」


 轟音。

 抵抗なく振り抜けた長巻と、力を処理し切れず高速で真横に吹き飛んでいくミダラ。

 相変わらずエッグい筋力してんなぁ、私。


「ノムキン>レモン>ミダラってとこ?」


「随ッ分軽く捌くじゃん君ィ!」

「合わせんぞ裸族ッ!」


 ──視界の端、私はそれを捉えている。

 態々言葉に出す意味の無い発言は、このランク帯において全て意識を逸らすためのブラフだ。

 リアルタイムでの死霊作成、ディメンションコネクト中で自由にアクセス出来るアイテムボックス内の素材を結合、合成……召喚。

 高さ3m、長さ6m。骸骨を滅茶苦茶に繋げたバリケードを、私の背後を守るように地面から叩き出して射線を潰す!


「"壁"」

「なっ!?」

「その物理ステで魔法!?」


 衝撃と爆風。

 直撃したのは建物の裏から放たれた魔法。壊れて飛んでくる骨片が私の背を叩き、目潰しとして正面の男へとも襲いかかる。


 まず一枚。


「見えてんだよはわジェネェ!」


 後衛の介入、それを予期したが故の近距離での意識逸らしだろ? 咄嗟の連携にしちゃ上出来だが見え見えなんだよバァカ!


「ぐっ……マジで重ぇ! まるでムキムキゴリラの擬人化みてぇだ!」

「前衛ランカー数人がかりで止まらねぇだと!? なんだコイツ化け物か!?」

「実況風にふざける辺り君らまだ余裕あるな?」


 空を荒ぶる触手と武具は、その時々で狙う相手を変える。

 この盤面において私が持つアドバンテージは、私の能力の絶対性だ。

 圧倒的なステータス優位と、私の培ってきた戦闘経験。それは仮にこれがタイマンなら誰であろうと瞬殺出来るほどのパワーがあり……だからこそ私はその必殺を成すための盤面を、スキルを使って作り出す。


Agility(アジリティ)


 二秒稼げればいい。

 それだけあればこのループだけで削り切れる。

 ノムキンを狙う触手が捌かれているのと同時に、盾でミダラの進路にプレスを掛けるのと同時に、私本体はREMONの盾を蹴り飛ばす。

 火力による削りダメージを蓄積させ、次に通すのはノムキンとの刹那の……1on1

 柄の先端を持って銛突きのように長巻を放ち、同時に腕は後ろに戻して後端を掴んで、体を反る。

 PS再現、長柄系上級アーツ『霞』

 初撃を全力で避けたモンク相手に、無慈悲な二撃目が吸い込まれる。


「見てから避けんな新人類ィ!」

「見てから避けなきゃいけない攻撃をすんなテクニカルゴリラがよォ!」


 まぁ打つ前から結果は知ってたけど。

 紙一重で躱したノムキン君は相変わらず反応速度が天才でございますね、クソが今ので死んどけよ。

 そのまま横腹を裂くように体捌きを絡めた触手二本で殺りにいくが、これは自傷加速で無理矢理躱された。空中で跳ぶなキメェ。

 三本をミダラの対応に割き、一本は弓の曲射の処理に回して、戻ってきているREMONに槞の大剣で奇襲を掛けて。


「……三枚ってとこかな?」


 多対一の盤面で重要なのは、如何に処理するべき情報を削るかだ。

 苦戦する要因が数の場合、自分の処理能力を上げるより一対四を一対三に変える……つまり、情報量を削る方が遥かに楽になる。


(つか思ったよりオプションズに神経割かれねぇな?)


 コイツら一人を1とするなら私の処理能力は2.5程。一枚落とせば切り崩せる範囲で、タイマンなら瞬殺可能。

 逆に言えば三枚に(たか)られたらそれなりに面倒とも言えて、連携で数値を乗算されりゃ普通にキツイ。

 故に今必要なのは瞬間的に対応する戦端の縮小化で、そしてそれは簡単にクリア出来る。


 視界で捉えた情報と把握したステータス値から、接敵のクロスポイントを逆算。

 AGIというアバター毎の絶対的な差と、半径5m内における触手と槞の武具による迎撃可能距離。


(これを合わせりゃ同時攻撃に一秒以上の時間差を作ることなんて造作も無い)


 出鼻を潰して、先に通した奴を一瞬で対応して、連携なんてさせやしない。


 状況と情報を精査し、思考を徹底的にショートカット。

 余裕の出来た回路で、私の出した情報への対応を予測して。

 可能な無数のフィニッシュプランから逆算開始、さあ情報量を削り取れ。


 思考速度で、制圧しろ!


「……あはっ」


 浸りそうになる全能感から、不気味にも口元から笑い声が漏れた。


 ミダラの視界を盾で潰して時間を捻出、その間にノムキンの寄せを長巻で捌きながら触手で追撃。それを横から割り込んできたREMONが防ぎ、予測済みの私は蹴りを入れて鎧の上から後方へ吹き飛ばす。

 次、ミダラの寄せを大剣の腹で妨害し、弾かれると同時に長巻で刺突。回避先をシールドバッシュで狩り、ノムキンのアーツを柄で逸らし、手元に戻した大剣を掴んで大振りの牽制。

 壁が破壊され、私を襲う魔法の弾幕。隙を突いたつもりだろう攻撃は然し、私に防御を選択させることはない。

 直撃したそれらは……当然ながらノーダメージ!


「効かねぇなぁ!」


 槞と殺戮躍動によって95まで伸びたVIT、加えて使徒の素材で付いた魔法耐性Ⅱによって私に生半可な魔法は通用しない。

 火力じゃ無く手数を意識した攻撃は防ぐ意味なんて無くて、気分はまるでボスモンスターになったようだ。

 被弾方向から後衛の位置を把握、虚空から取り出したるは妹より押収した爆破の魔剣。

 さあ報復のお時間だ。

 刹那の間隙に全身で振りかぶり……縮地で最高速に到達したAGIを乗せて、筋力のままにぶん投げる!


「お返し」


 ズガァァァァァァァァァァァァン!!!!!


 轟音、豪風、揺れる視界。

 爆発の衝撃が瓦礫を吹き飛ばし、それが大地へと伝播する。

 うわぁえっぐぅ私の体、投げた瞬間に着弾してたぞ。人間砲台じゃんこんなん。


「まるでミサイルだな」

「無誘導だからロケットでは?」

「それはそう、死霊作成」


 言いながら作り出したのは索敵と速度に優れるスケルトンレンジャー達。

 カラカラと音を立てる彼らが得意なのは、骨の弓矢によるゲリラ戦だ。

 今相手している前衛共には頼りない助っ人は、言わば最高効率の時間稼ぎ手段。


「今度は召喚!?」

「散れ」


 命令を下され一斉に散開する僕達が向かうのは、キル報告が未だ出てない後衛の元。

 コイツらの戦闘力は低いが、重要なのは伏兵と追撃があると認識をさせること。

 戦闘IQが高いやつは与えられた情報に対し、必要以上の思考をして注意を払う。ましてや手の内が分からない相手からのアクションなら尚更だ。

 低火力で抜けない私の装甲、居場所を割られた直後の強力な被弾、追撃の機動兵。

 この状況で追撃があると意識させるだけで、相手の行動を大きく制限出来る。認識そのものがロスの回避出来ないトラップは、最小限のコストで盤面を破壊する。


 さあ後衛はこれで暫く退場だ。

 別に一分持てばそれでいい。たったそれだけの時間であろうと、処理すべき情報が格段に削れれば……私なら切り崩せる。


「物理職でなんでそんな魔法使えてんだよお前!」

「アイアム後衛魔法職」

「出来ることが多過ぎる起訴」

「黙れ私が法だ」


 ビキビキと触手を唸らせる私の前に立ちはだかるのは天才と呼ばれる三人の前衛職。

 そんなんが寄ってたかって魔法職の私を虐めるのって酷くない? ふぇぇん私ってば可哀想だよぉ。


「正義の名のもとに悪者は成敗しなきゃ」


 アイアムアジャスティス! 蹂躙たのちい!

コヒメ「せーちゃん槞を何でどう作ったか忘れてるの???」

彁「てめーは自分のうんこを観察する趣味でもあんのかよ」

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― 新着の感想 ―
[一言] 年が明ける前に更新されてるとは(・o・) 待ってました(^^)
[一言] 待ってました!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
[一言] あーー……大会で死霊術お披露目しちゃったから今あと一人しかいない死霊術師ちゃんに認知されたな?会いに来るぞ
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