魔王友達
今回、キャラの名前を変更しました。
以前に少しだけ登場した赤髪の魔王の名前をベル・フィールドからララ・フィールドへと変更致します。
「こんにちはー!」
月に1回のコリンさんの訪問があった。
今回はベルが増えた事もあり、ベルの物を中心に買う事となった。
「今回はティーフェン様とオルフェ様に手紙が届いております」
商品の購入後、手紙を渡したコリンさんはそのまま帰って行った。
「妾はヴァルナの奴からじゃの、後で読んでおくとしよう」
「私はラヴィちゃんからだね。どうしたんだろ?」
ラヴィさんと言えばあの魔王の集まりに居た内の1人で茶髪の女性だったはずだ。
「え〜っと、なになに?近々、ララが来るから助けて欲しいと、あーそういうことね〜」
ララさんとは同じく魔王のうちの1人で赤髪の女性だ。
「助けて欲しいってどう言う事?」
「ラヴィちゃんって自分の家に引き篭もりがちで家の中もすっごい散らかってるんだ。だから、時々ララちゃんが見に行ってるんだけど、ララちゃんは魔王として国を治めてるから結構しっかりした子でね、ラヴィちゃんが散らかった家を整頓して家から出るまで、ずっと見張ってるんだよね」
「見張るってどれくらい?」
「大体1週間くらいかな?」
「1週間!?そんなにかかるの?」
「ラヴィの家って大きくて、本が沢山置いてあるんだ。だから片付けに時間が掛かっちゃうの。ララもララで自分でやらなきゃ意味がないって手伝ってはくれないからね〜。だから今回は私を手伝いとして先に呼ぼうとしてるんじゃないのかなぁ」
「なるほど・・・それで行ってあげるの?」
「まぁ一応様子は見に行こうかな」
「ちなみにラヴィさんの家って、どこら辺なの?」
「確か、魔族達が暮らしている土地の端っこの方にあった気がする様な?」
「それって遠いの?」
「ティーフェンちゃんに連れて行って貰っても1日と半分くらいはかかるかも」
「うわっ、それは遠いね」
「だからこうやって一緒に転移魔法陣を描いた紙も送って来てるね」
と言いながら、オルフェさんはその紙を見せて来た。
「それってこの前の集まりの時に使ったのと同じやつ?」
「多分あれとほぼ同じ物かな」
「あれ?でも今の魔王には転移の魔法を使える人は居ないんじゃ?この前もそう言って無かったっけ?」
「うん、あの時はそうなんだけど、ラヴィちゃんって魔法に関しては魔族の中で1番の腕を持ってて、この前の集まりの時に仕組みを覚えて帰ったんじゃないかな?」
「えっ?それ凄くない?」
「ララちゃんでもそんなの出来ないと思うよ」
以前見た時は、その様な印象は受けなかったが実際は違うのかもしれない。
「それじゃあ、魔王の中で1番強いのってラヴィさんなの?」
「うーん、あの子は魔法に関しては誰にも負けないと思うんだけど戦うのが好きじゃないみたいで、強いって言われるとそうじゃないと思う。だから1番強いのはララちゃんかな」
ラヴィさんはオルフェさんと同じで、いつの間にか魔王になっていた人なので、戦いも好きではないそうだ。
「じゃあとりあえずオルフェさんは、しばらく家には居ないって事だね」
「あれ?ついて来てくれないの?」
「だってその紙1枚しかないでしょ?」
「一応これ1枚で5人までなら大丈夫って紙に書いてあるんだけど」
そういえば、以前の集まりの時も1枚の紙で3人移動していたんだった。
「でも行った所でって感じじゃない?」
「こっちとしてはお手伝いも増えるからありがたいし、あと世界中の色んな本が置いてあるから楽しいと思うよ」
世界中の本があると言われると、かなり惹かれる。
「わかったよ、俺もついてくよ」
「オッケ〜、じゃあベルも入れて3人でしょ、あと2人はどうしよっかな〜?」
「まだ連れてくの?」
「当然手伝いは多い方がいいからね!」
その日の夜に、オルフェさんは一緒に行きたい人はいないかと募り、結果アリーとリッヒさんが付いてくる事となった。
2人も世界中の本があると言うのに釣られたらしい。
そして2日後、ラヴィさんの家へ向けて出発となった。
出発と言っても、転移魔法で一瞬で終わる。
行くメンバーでかたまり、オルフェさんが魔法を発動させると光に包まれて目の前が真っ白になった。
「は〜い、到着で〜す。ここがラヴィちゃんの家になりまーす!」
光が収まり目を開けると、俺達は荒野の真ん中に建っており、目の前には3階建ての大きな屋敷が1軒だけポツンと建っていて、周りには他に何も無かった。
「でっかいですね〜」
「ふっふっふ、驚くのは早いよリッヒちゃん!中はもっと凄いからね」
オルフェさんはそう言って、屋敷の扉をノックした。
「やっほー、ラヴィちゃーん!オルフェだけどいるー?」
オルフェさんが呼びかけても返事は返ってこなかった。
「あれ?留守かな?でも、家から出るとは思えないんだけどな〜」
そう言いつつドアノブに手を掛けて回すとガチャッと扉が開いたのだった。
「開いてますね・・・」
「あの子ったら不用心だなぁ。まぁいいやー、開いてるし入っちゃおー」
と言ってオルフェさんはズカズカと屋敷内に入って行ったので、俺達は後をついて行った。
中に入ると確かに驚きの光景が広がっていた。
1階から3階まで吹き抜けになっており、屋敷中が本棚で埋め尽くされ、床にも本の山が大量に出来て床がほとんど見えなかった。
「うわ〜全然足場無いじゃん。何処にいるのかな?」
オルフェさんが名前を呼びながら探し回っていると本の山の一角からゴソゴソと音が聞こえたかと思うと、ズボッと手が飛び出しバタバタともがいていた。
「あー!もしかしてそこかー!」
オルフェさんが駆け寄り、手を掴んで引っ張り上げると中からラヴィさんが出て来た。
「やっほー、ラヴィちゃん」
「あ、オルフェさん、お、お久しぶりです」
ラヴィさんを下ろして、俺達の方へとやって来た。
「手紙貰ったから皆んなで手伝いに来たよ」
「み、みんな?」
ラヴィさんはオドオドしながら、こちらに顔を向けて来たので挨拶する事にした。
「前回少しだけお会いしたコタケ ワタルです」
「妻のアリシアです!」
「同居人のリッヒです」
最後にベルが、
「ママの娘のベルです!」
と元気よく挨拶をした。
「ま、ママ?」
そう言いつつ俺とアリーの顔を交互に見て来たが、
「私とワタルさんの子供じゃなくてですね、オルフェさんの子供なんです」
とアリーが説明するとラヴィさんは目が点になっていた。
「えっ!え?オルフェさんって、子供が居たんですか?でも、この前はそんな雰囲気なかった様な・・・」
「つい最近になってできたんだ」
「つ、つまりは誘拐?」
「あれ?なんでそうなるかなぁ〜?」
あらぬ疑いを掛けられたオルフェさんは事情を説明した。
「な、なるほど、だからママなんですね・・・ごめんなさい変な事言って」
「あはは、いいよいいよ。それで手紙を読んだけどララちゃんが来る前に、この本の山をどうにかすれば良いんだよね?」
「は、はいそうです。でも、オルフェさん以外の方が来るとは思って無かったので、手伝って貰ってもお礼が・・・」
「それなら、ここにある本を読ませて貰いたいです!」
とアリーが言った。
「そ、そんな事で良いんですか?」
「はい、世界中の本があると聞いてやって来たので」
「わ、分かりました。ここにある本ならお好きに読んで貰っても構いません」
「はい、ありがとうございます!それじゃあ早速皆さんで片付けを頑張りましょう!」
「「おー!」」
と意気込んだ瞬間に、屋敷の扉が開き、
「邪魔するぞ!」
と赤い髪をなびかせながら1人の女性が現れたのだった。
前書きにもある通り、赤髪の魔王の名前をベル・フィールドからララ・フィールドへと変更しました。
魔王のベルとベヒーモスのベルとで名前被りをして紛らわしい
ので変えさせて頂きました。
よって、88話目の名前も変更となっております。
今後は名前が被らない様に、確認して参ります。




