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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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【番外編】お返し

1週間遅れですが、ホワイトデーのお話です。

忘れてたなんて口が裂けても言えない・・・

「アンさん、リビアさん、俺に料理を教えて下さい」


ある日、アリーが買い物に出掛けて家に居ないことを見計らって、俺は2人にお願いをした。


「具体的にはどう言うものですか?」


リビアさんがそう聞いてきた。


「その、出来ればお菓子作りをと・・・」


「もしかして以前のバレンタインのお返しでしょうか?」


「そうなんです」


アンさんの問いにそう答えた。

バレンタインにアリーから手作りのチョコを貰ったので、出来れば俺も手作りでお返しがしたいと思い、2人に教えて貰おうとお願いしたのだ。


「確か、3月14日でしたっけ?ホワイトデーと言うんでしたよね?」


とリビアさんは言った。

この世界には元々そういったイベント事は無かったが、俺が皆んなに教えた事で我が家では知識としてはあるのだ。


「そうです。あと2週間程ですけどいけますかね?」


「ちなみにコタケ様は料理の経験は?」


「無いです・・・」


恥ずかしながら前世でもこの世界でも料理の経験は全然無かった。


「作る物にもよりますが少し厳しいとは思います。それに恐らくお嬢様にバレない様に練習をしたいですよね?」


「はい・・・アンさんの言う通りです。出来ればアリーにはサプライズで驚かせたいので」


「分かりました、この2週間お嬢様には何かと理由をつけて街に出かける様に仕向けましょう!その間にお菓子作りの特訓です!」


「お願いします!」


2人とも無茶な依頼と分かりつつ快く引き受けてくれた。


「所で何を作るのでしょうか?」


「一応バウムクーヘンを作ろうかなと考えてて」


「なるほど・・・バウムクーヘンであればたしか簡単な作り方があるのでいけると思うので早速作ってみますか」


材料は卵に砂糖、バター、小麦粉などを使い、せっかくなのでチョコを混ぜてオリジナリティも出す事にした。


「生地は分量通りに入れれば特に問題は無いかと思います。後は生地を焼く工程ですが、割と簡単にできる方法がありまして」


そう言ってアンさんがお手本として焼き始めた。


「まずこの四角のフライパンに油をひいて、生地を少し入れます。次に生地の上に棒状の物を置きます。今回はたまたま壊れて小さくなっていた麺棒を使います。そうしたらこちらの生地を巻いていきます。続いてまた生地を入れて巻いていき、また生地を入れて巻くのを繰り返し行います」


そうして、アンさんが調理を始めてから20分ほどした所で完成したようだった。


「最後にこちらの棒を取って、切れば・・・バウムクーヘンの完成です」


「おぉ!」


アンさんは簡単に、よく見る穴の空いたバウムクーヘンを作り出したのだ。


「玉子焼きを作るのと似てますね?」


「そうですね、ほぼ同じで棒を使って巻くので初めてのコタケ様でも簡単に出来るかと思います」


「分かりました、やってみます!」


俺は早速お手本の通りに生地をひいて棒を使い巻いていった。

最初はうまく巻けたものの、次の層を巻く際に力が強すぎたのか生地が途中で破れてしまった。

その後も苦戦しながら生地を巻いていき、なんとか完成させる事はできたが、ボロボロになっている部分があったりと不恰好な仕上がりになってしまった。


「初めのうちは皆んなそんなものですよ。私も初めて料理をした時は失敗ばかりでしたから」


リビアさんがそう励ましてくれた。


「あと2週間頑張ってみます!」


そう意気込んだ所で、


「ただいま帰りました〜」


家の扉が開きアリー達が買い出しから帰ってきた。


「あれ?これ匂いとかでバレちゃうんじゃ?」


「心配無用です。バウムクーヘンを細かく切って新作のおやつとして皆様に提供しますので」


2人はアフターフォローもバッチリだった。

それから2週間の間、練習出来る日は失敗をしつつも何度も練習をした。


そして、ホワイトデー当日となった。

昼食を食べてから、俺は厨房へと向かいバウムクーヘン作りを開始した。

恐らくアリーは甘い匂いがしてきて不思議に思っているだろう。

厨房に入ってから30分ほどで完成した。

初めて作った時よりも進歩したが、少しだけ生地がボロボロになっている部分があるのでまだまだだった。

俺は完成したバウムクーヘンをリビングへと運んだ。


「はい、アリーにプレゼント」


「甘い香りがしてましたが、正体はバウムクーヘンでしたか。でも、なんでですか?」


「今日は一応ホワイトデーだからね」


「!!そう言えばそうでした!という事はこちらは・・・」


「うん、バレンタインのお返しだよ。アリーが手作りでくれたから、俺も手作りでお返ししたいと思って練習してたんだ」


「嬉しいです!早速頂いても?」


「どうぞ」


アリーはバウムクーヘンを一口運んだ。


「チョコ味のバウムクーヘンですか!とっても美味しいです!」


アリーは満面の笑みでそう言ってくれた。


「そう言ってくれて嬉しいよ。ちょっと不恰好な部分もあるけどそこは目を瞑って欲しいな」


「いえいえ、とても良く出来てますよ」


「先生が優秀だったから」


「アンとリビアですね。ここ最近のおやつとして出されてたのって?」


「練習で作ったものだね」


「そうだったんですね。すっかりあの2人には騙されてました」


「サプライズ成功だね」


「はい、とても驚きました。ところで初めてのホワイトデーなので分からないのですが、お返しとしてはバウムクーヘンが一般的なんですか?」


「贈るものにもそれぞれ意味があるみたいで、バウムクーヘンは幸せが長く続くようにって言う意味があるんだって」


「それは私達にピッタリですね」


とアリーは微笑んだのだった。

累計5万PV、総合評価200ptを超えました。

いつも読んで下さってる方、作品を評価して下さってる方には感謝しか無いです。

これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

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