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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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入口

今日は久々に俺とクロ達だけで森の中へと出掛けている。

最近は色々な場所へと赴いていたのであまり一緒に行動できていなかった。

屋敷の改築も一旦保留となった為、暇になった俺はクロに何かしたい事はないか聞くと、森の中で狩りをしたそうだったので一緒に行く事にしたのだ。


「お〜い、もうちょっとスピード落として〜」


張り切っているクロ達がどんどん進んでいくので、追いつくのが大変だった。

しばらく森の中を歩いているとクロ達が草むらの前で止まったので、それに倣った。


「何か見つけたのか?」


クロはピョンと跳ねたので、何かいる様だ。

俺はそ〜っと草むらをかき分けて覗いてみると、1匹のイノシシが居た。

ただ普通のイノシシよりも体長は大きく5m以上はあったので、恐らく魔物なのだろう。


「あれを狩るのか?」


クロ達はそうだと言わんばかり跳ねた。


(6対1なら流石にいけるか?)


数的にはこちらが有利なので恐らく問題は無いだろうと思い俺が先陣をきることにした。

ガサガサと音を立てながら草むらを出ると魔物がこちらに気づいた。

少しの間こちらを見つめてから、いきなり突進してきた。

俺は腕輪を大きな盾に変化させて、突進を防いだ。

こちらも3m程後ろに押されたが、魔物も盾に当たった事で少しよろけていた所で、


「クロ!頼んだ!」


俺がそう叫ぶとクロ達が草むらから出て魔法を放った。

クロが魔法で相手のいる所だけ、重力を重くした事で魔物は地べたに這いつくばった。

そこに、すかさず茶スライムが周りの土を動かして魔物をさらに押さえ込み、緑スライムが風の刃を放ち魔物を一刀両断し苦労せず倒す事が出来た。


「俺1人だとかなり苦戦しそうだったけどクロ達がいるとやっぱり違うな!」


その後も同じ様に魔物を見つけては、全員で協力してなんなく倒していった。

何回か戦闘したところで、1つ気づいた事があった。


「もしかして、クロ達の魔法の威力上がってる?」


以前よりも、魔法の大きさや威力が違う様な気がしたのでクロに聞いてみると、ピョンピョンと跳ねたのでやはり威力が上がっているのだろう。


「もしかして、何処かで訓練とかしてたの?」


クロはまた跳ねたので、そういう事らしい。


「そっか・・・なら俺も追いつける様にもっと練習しないとだな!」


頑張れと応援してくれているのか、皆んなピョンピョンと跳ねた。


それからしばらく同じ様に魔物を狩っていると、木々の隙間から不自然に盛り上がっている岩の塊を発見した。

不思議に思い近づいてみると、人が3人並んで入れるくらいの横穴が隠されていた。

何処かで見覚えがあるなと思ったら、以前見たダンジョンの入り口と似た物だったのだ。

入口には下に続く石造りの階段がある。


「多分これってダンジョンだよな?」


クロ達も分からず困っていた。


「ちょっとだけ中覗いてみるか」


そう言って階段を降りて全員で中に入ったのだが、明かりなどもついておらず中の様子はあまり見えなかった。

赤スライムが気を利かせて、火の魔法を浮かび上がらせて周りを照らし出してくれた。

壁などをよく見ると、やはり以前行ったダンジョンと似た作りをしていた。

1階層と思われる部分を進み続けていると、壁で行き止まりとなっていた。

ここまでは1本道だったので、他の経路は無さそうだった。


「あれ?行き止まりだ?うーん、なんなんだろう?魔物も見当たらないし」


クロ達も分からなさそうだったので、ひとまず折り返して地上へ戻ろうと後ろを振り返った。

すると、俺の目の前にパッと女性の顔が現れたのだ。


「うわっ!!」


「きゃー!」


俺とその女性は驚き声をあげたのだが、よくよく顔を見てみるとその女性はルインだったのだ。


「なんだ、ルインか・・・驚かせないでよ」


「ごめんなさい、急に振り向くとは思ってなかったので」


「あれ?ていうかなんでこんな所にいるの?」


「実はアリシアさんにコタケさんの後を付いて行って欲しいとお願いされまして」


「えっ?そうなの?いつからいた?」


「家を出た時からずっと居ましたよ」


「まじか!全く気づかなかったんだけど・・・」


「姿を消してましたからね、それでもそちらのスライムさん達は何かを感じとったのかチラチラとこちらを見てましたね」


「そうだったんだ・・・でも、なんでそんな事を?」


「コタケさん達だけで森に行くのが心配だったみたいなんですが、久々にスライムさん達と出かけるのを邪魔したくなかったみたいで私が頼まれたんです」


「そういうことか、アリーには心配かけた事は謝っておくか。それとルインも見守ってくれてありがとう」


「いえいえ、スライムさん達が強すぎて私が居なくても良かった気がします。それよりも、この場所はいったいなんなんでしょうか?森には似つかわしくない場所ですよね」


「俺も気になって入ってみたけど、ここで行き止まりだし他の道も無さそうだから、よく分からないんだよね」


ルインは「う〜ん」と言いながら腕を組み悩んでいた。

そしておもむろに、壁の方へとフワフワと飛んでいくとスッと壁の中へと消えたと思ったら、すぐさま壁の中から出てきた。


「コタケさん!」


「何か見つけた?」


「この先にも道があります!」


行き止まりだと思っていた先には実は道が続いていたみたいだった。


「でも、俺達はルインみたいに壁をすり抜ける事なんてできないからなぁ・・・どうしたものか」


いっその事、壁を破壊してしまおうかと考えていたら、


「多分皆さんも通り抜けられると思いますよ」


とルインが言ったのだった。

そんな訳はないだろうと思い俺はクロと視線を合わせて壁へと近づいた。

そして、壁に触れてみると、指が壁を通り抜けたのだった。

そのまま進んでみると俺の体は壁を抜けて、壁の後ろ側の道へと出てきた。

そのまま後ろに下がると、先程までの道に戻っていた。


「なにこれ?」


「多分幻影みたいな物じゃないですか?」


「だよね、それでわざわざ道を隠すなんて奥に何があるんだろう?」


「私が見てきましょうか?」


「何があるか分からないし、今日は一旦帰ろう」


1度エレオノーラさん達にも確認してみないと分からないので、そのダンジョンらしき場所を後にして家へと帰ってきた。

そしてエレオノーラさんに、その場所について話した。


「ん〜、恐らくダンジョンではあるんだが道が隠されていたというのは聞いた事がないな」


「あかりも灯されて無かったのでまだ誰も入った事のない場所だとは思うんですが」


「行ってみない事には分からないな」


「やっぱりそうですよね」


「なんなら明日にでも見に行くか?」


「早めに調査しといた方が良いかもしれないのでそうしましょう」


こうして、ダンジョンと思わしき場所の調査をする事となったのだった。



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