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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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結婚式

遂に結婚式の日がやってきた。

今日は朝から色んな人たちが準備に追われて屋敷内はバタバタしていた。

俺は朝食を食べた後、少しゆっくりしてからタキシードに着替えて執事さん達に髪をセットしてもらっていた。

結婚式は午前10時から行われる。

屋敷が教会から近い事もあり着替えてから向かうことになっていて俺が先に教会へ行き後からドレスに着替えたアリーが馬車に乗ってやってくるのだ。


(やばいくらい緊張してきた・・・)


その時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。


「どうぞ」


と声をかけると入ってきたのはオーウェンさん達、お父さんs‘だった。


「やぁコタケ君、緊張していると思ってきてみたのだがどうかな?」


ダルトンさんがそう言った。


「すごい緊張してます」


「そうだろう、私も妻との結婚式では物凄く緊張したものだよ」


とメルソンさんが言うと他の2人も頷いた。


「アリーの方はどうでしたか?」


「それが私達も入れなかったんだ。妻達から入るなと言われてしまったよ。まぁクラニー達がついているから大丈夫だろう」


それから俺の緊張をほぐす為に色々と話をしてくれた。

その後、オーウェンさん達は先に教会へ入る為に部屋を出ていった。


時はあっという間に流れて俺も教会へ行く時間になった。

馬車に乗り込み5分揺られてすぐさま教会に到着した。

教会の入り口にスタンバイすると、中から


「それではまずは新郎の入場となります」


という声が聞こえて、扉が開かれた。

俺はバージンロードを歩き出し、神父のいる祭壇へと進んでいった。

祭壇からベンチに座っている式の参加者を見た。

参加者はエレオノーラさんやオーウェンさん達の他に招待状を出していた、アイラさんやフィーアさんにテンメルスさん一家、アリーの親友のフランさんにアリーの祖父母に、屋敷のメイドや執事の人達となる。

全員揃っているかなと思ったが、ティーとテンメルスさんの間が空いているのに気がついた。

ティーの方に視線を送ると、呆れた顔して首を横に振った。

どうやらフィーアさんだけがまだ来ていないみたいだった。

もう少しでアリーが到着するはずなので流石に間に合わないと思った矢先、突如教会の中に謎の空間が現れた。

周りは何だと言った感じで少しパニック状態になっていたが、俺は何処か見覚えのある物だなと思った。


するとその空間から出てきたのは鎧姿のフィーアさんだった。

先程まで戦闘していたのかあちこちに汚れがついていた。


「いやーごめんなさい!遅れちゃいました!」


ティーがすぐさまフィーアさんの側まで来て、


「阿呆!遅れすぎじゃ!」


と頭を叩いた。


「ちょっと依頼が長引いちゃって」


「謝罪は後でいくらでも聞いてやるから、まずはその格好をどうにかするのじゃ」


「あっ!私ドレスとか持ってないんだけど・・・」


「そんなことだと思っとったわい。オルフェよ」


ティーがそう声をかけると、


「はーい!」


とドレスを手にしたオルフェさんが、すぐさまやってきた。

しっかり準備をしてくれていたみたいだった。

オルフェさんがパチンと指を鳴らすと一瞬で鎧がドレスに入れ替わった。


「わぁ〜綺麗〜」


「はいはい、新婦が来るから早く席に着くのじゃ」


ティーに促され、フィーアさんはテンメルスさんの隣に座った。


「お邪魔しまーす。君が今の国王かな?」


「はぁ、そうです・・・」


テンメルスさんはフィーアさんを知らないのか困った表情をしていた。


「あのティーフェン様、こちらの女性は?」


「あぁ、こやつはフィーアじゃ」


「そうだよー、よろしくね」


「フィーアさんですね・・・よろしくお願いします。それにしても何処かで聞いたことのある名前のような・・・」


とテンメルスさんは悩んでいた。

その人、初代国王ですよと言いたくなったが、テンメルスさんを混乱させてしまいそうなので、まだ言わないことにした。


「皆様、新婦の方が到着致しました!」


神父さんがそう言った。


「では、新婦の入場です」


その言葉と共に扉が開かれた。


ウエディングドレスを着たアリーの姿を見て俺は息を呑んだ。

ドレスは、太陽の光を受けキラキラと輝いていた。

初めは宝石があしらわれているのかと思ったが目を凝らしてみると宝石は付いておらず、ドレスの繊維自体が光を受けて輝いているのだと分かった。


(綺麗だ・・・)


俺を含め全員が見惚れていた。

バージンロードをゆっくりと歩き祭壇へアリーがやってきた。

ベールで顔は隠れているので、まだ表情は見えない。


神父が神への言葉を述べ始めた。

だが、すっかりアリーに見惚れてしまっていた俺は内容が全く頭に入ってこなかった。

そして、しばらくすると遂に神父からあの言葉が放たれた。


「それでは、新郎コタケ ワタルよ。あなたはアリシア・ウッドフォードを妻とし、病める時も健やかなる時も富める時も貧しき時も妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」




「はい、誓います」


アリーに見惚れていたので反応が遅れ少し間をおいてしまったがそう答えた。


「新婦アリシア・ウッドフォードよ。あなたはコタケ ワタルを夫とし、病める時も健やかなる時も富める時も貧しき時も夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」


「はい、誓います」


「では指輪の交換を」


と神父が言うと、クロ達スライムが上に重なり合って段になりこちらにやってきた。

1番上にはクッションが乗っていてそこに、一緒に買った結婚指輪が載っていた。

指輪を取りお互いに左手の薬指へとはめた。


「それでは誓いのキスを」


その言葉とともに、アリーのベールを上にあげた。

今まで余り見えていなかったアリーの表情がここであらわになった。

アリーは、頬を少し赤く染めて、優しく笑いかけてくれていた。

そしてそっと目を閉じた。

俺は意を決して、優しく口づけをした。


周りからは拍手や、オーウェンさん達の泣き声が聞こえてくる。

5秒程キスをして唇をそっと離して、お互いに見つめ合った。


「これからもよろしくね」


「こちらこそお願いします」


「それでは、ここにお二人の結婚が成立いたしました事を宣言いたします」


歓声とともに大きな拍手が響いた。

その歓声と拍手の中で、アリーと手を繋ぎバージンロードを歩き退場を始めた。


「おめでとうー!」


「アリシアー!幸せになるんだぞー!」


と様々な祝福の声が聞こえてきた。

そのまま教会の扉を抜け、前に待っている屋敷へと戻る馬車へと乗り込んだ。


「おつかれさま。ウエディングドレス姿とても綺麗だよ」


「ふふ、ありがとうございます。緊張して誓いの言葉まで神父さんのお話が入って来ませんでした」


「俺も一緒だったよ」


「あとは披露宴を行うだけですね」


教会で披露宴を行うスペースがなかったので、1度屋敷へと戻り行う事となっている。

そこでケーキ入刀などの催し物を行う予定だ。


「オーウェンさん達が荒れそうだ」


「お母様達には暴走しない様に見張ってもらう様に伝えてありますので」


「さっきの式でも凄い泣いてたからね」


「キスの最中、思わず笑っちゃいそうでした」


と話していると、すぐに屋敷へと到着した。

参加者全員が帰ってくるまでは、別室で待機との事だ。


(式は無事に終えることができたから、残りの披露宴も頑張ろう)


と意気込んだのだった。













最初はまとめて書こうと思いましたが、式と披露宴で分けることにしました。

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