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魔法

精霊の国に行って魔法を使える様になった翌日、俺は早速魔法を使うために、ヒルズを呼んだ。


「お呼びでしょうか?コタケ様」


「うん、精霊魔法を早速使ってみたいんだけど、どうすれば良いのかな?」


「まずは練習がてら、手を広げ小さい火を思い浮かべてみてください」


俺は言われた通り片手を開いて頭の中でライターの火を想像してみた。

すると手のひらからポッと小さな火が出てきた。


「魔法というのは使用者のイメージを具現化した物なんです。ですので例えば、コタケ様が火の槍をイメージすると、それが魔法となって放たれるのです」


「という事は魔法が使える人は誰でも全ての魔法が使えるの?」


「まず初めに魔法には6つの属性があります。火、水、土、風、闇、光の6つになります。闇と光に関しては限られた者にしか使えません。ちなみにアリシア様は治癒の魔法が使えるとの事なので属性は光になります」


(なるほどアリーは魔法を使える人の中でも珍しいのか)


「闇と光以外の4つは魔法を使える者であれば誰でも使う事は出来ますが、魔法と使用者の間には相性があり大抵の者は1つの属性に偏っている為、火の属性に偏っている者であれば他の属性の魔法の威力がかなり落ちてしまうので、ほとんど使えないと言ってしまっても良いでしょう」


「じゃあ、ヒルズは4つの属性の相性が良いっていう事?」


「そういうことになりますね」


(そんなすごい精霊を専属にして貰って大丈夫だったのだろうか・・・)


「ヒルズは、俺の専属精霊でも良いの?精霊王に言われたからって嫌なら辞めてもいいんだよ?」


「いえ、コタケ様の周りは不思議と温かい雰囲気で包まれていて、私達精霊にはとても心地よいのです。それにコタケ様を含め皆さまも昨日1日だけでも優しい方達だと感じとれたので不満はありません」


「そう言ってくれるとうれしいよ。改めてこれからよろしくね!」


「こちらこそよろしくお願いします」


お互い笑顔になった。


「おーい、魔法の練習はどうじゃ〜?」


とここで、ティーとオルフェさんがやってきた。


「さっき小さな火を出せたよ」


「初歩も初歩じゃな。まぁ、基礎的な事からしっかりやっていくのが重要じゃからな。訓練を積む事で練度も上がり魔法の威力も上がるのじゃ」


「そうなの?」


「ティーフェン様の仰る通りで、今のコタケ様ではいくら大きい火の玉をイメージしたとしても、それ以下のものしか放つ事は出来ないでしょう。鍛錬を積む事で魔法の威力も上がり、応用的な魔法を使うこともできる様になります」


ヒルズがそう説明してくれた。


「応用的な魔法って言うと?」


「ほれ、妾が国で見せたアプレイションという幻影魔法じゃ」


「あー、あの玉座の間のドラゴン状態のティーの幻か」


「そうじゃ、あの魔法は闇属性の応用的な魔法じゃ」


「そうなのか、なら俺も頑張るしかないな」


「そうそう、私も昔は頑張ってたんだからねー」


とオルフェさんが言った。


「そういえば2人の魔法の属性はなんなの?」


「妾は、光以外の属性は全部使えるぞ」


「えっ!すごいじゃん!」


「当然じゃ!龍王なんじゃからな!」


「オルフェさんは?」


「私はね、光と火と水と土の4つの属性だねー」


「光の属性を使えるんだ」


「まぁ私も一応魔王ですから!」


自身満々に胸を張ってそう言った。


「それじゃあ、あのオリジナルのソーイングって魔法は4つの属性のうちのどれか?」


「あれはね、光の属性を応用的に使った感じかな?私もよく分かんないけど!」


オルフェさんはそう言い陽気に笑った。


「光の属性って治癒系の魔法じゃないの?」


「まぁ1つの属性でも、色んな系統の魔法があるんじゃ。光の場合は治癒は勿論の事、空間系の魔法なんかもある」


(そういえばオルフェさんも、いつも酒を謎の空間から取り出していたな)


「色々と覚える事がありそうだね・・・」


「勉強じゃな、勉強!」


「この家には魔法を使える人が多いのでコタケ様が勉強するには良い環境ですね。それにコタケ様には私が持つ魔法の知識を共有することが出来ますので」


「そんな事も出来るんだ。でも最初は自分で勉強したいな」


「それでしたら、こちらをお使いください」


ヒルズがそう言うとポンッと1冊の本が俺の上からゆっくり落ちてきたのでキャッチした。


「そちらには基本となる火、水、土、風の4つの属性について書かれているので、まずはそちらで学んでみると良いでしょう」


「ありがとう、頑張ってみるよ」


その後も、何度も魔法を打って練習をしていた。

だんだん慣れてきて、最初に出した火よりも少し大きめのも出せるようになってきた。

自分の魔力を使っているわけでは無いので疲れも全く感じてこなかった。


「ワタルさーん、そろそろお昼ご飯になりまーす」


魔法に夢中になっていた俺をアリーが呼びにきた。


「ごめん、夢中になってた」


「初めての魔法ですからね。私も昔は治癒魔法が使えるようになったのが嬉しくて、家の者のちょっとした傷を治したりして魔力が尽きて何度も倒れて父に心配されていましたよ」


笑いながらにそう言った。


「昔はお転婆だったんだね」


「ふふ、そうですね。色んな人に心配をかけさせていたかもしれないですね」


それから、お昼を食べて一服しているとオルフェさんが、


「今から採寸したいんだけど大丈夫?」


と結婚式用のタキシードを作るために採寸をするとの事だった。

採寸をし終えて、


「デザインの要望とかあったりする?」


「俺もどんなのが良いとか分かんないし、ここはオルフェさんにお願いしたいかな?」


「まっかせて!派手なのにしてあげる!」


「いやいや、大人しめので!」


「あはは、冗談だよ〜」


(オルフェさんなら、やりかねない・・・)


「ところで、ドレスとタキシード作るのにどれくらいの時間かかるの?」


「ん〜そうだね、2週間くらいはかかりそうかな?」


「大事な物だしね、ゆっくりでも大丈夫だよ」


「期待しててね〜!」


オルフェさんの部屋を後にして、午後も魔法の練習を頑張った。

楽しすぎて、また時間を忘れていつの間にか夕食の時間となっていた。

それから夕食を食べてから、夜にはアリーと結婚式をいつ行うか話し合った。


「オルフェさんが言うには、2週間でドレスとか完成するみたいだけどどうしよっか?」


「でしたら、それから2週間後くらいでどうでしょうか?」


「今から1ヶ月後くらいだね」


「はい、家族に連絡と式に呼ぶ人にも手紙を出さないといけませんね」


「呼ぶ人かぁ、テンメルスさん達は呼んでって言ってたし呼んでも問題ないよね?」


「一国の王を呼ぶのはあれですが、本人の同意も得ているので問題ないでしょう。あとはアイラも呼びましょう」


とそんな感じで誰を呼ぶかなど式について色々と話し合った。

色々と決めていく事で結婚するという実感が湧き、1ヶ月後が待ち遠しくなったのだった。

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