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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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強運の聖女

「ワタルさん、カジノ王国に連れて行って貰えませんか?」


ある日の夜、アリーがそんな事を言ってくる。


「カジノでもしたくなった?」


「いえ、実は先生から手紙が届いてましてその内容が・・・・・・」


手紙を見てみると、


"助けてくれ カジノ王国トランバールで待つ"


それだけ書かれていた。


「オレイユさんとジュネフさんって旅の最中だったよね?」


「その筈ですが、何故こんな場所で助けなんかを」


「今日はもう遅いし、明日行ってみようか」


「えぇ、お願いします」


手紙で来ているので、そこまでの緊急性は無いと判断し翌日向かう事にした。


〜〜〜〜〜〜


「街で聞いた感じ、ここに居そうだけど」


正確な場所まで書かれていなかったので聞き込みをした所、1階が酒場になっている宿屋に2人を見かけた人がいた。

中に入ると、ちょうど2人が食事をしている所だった。


「先生、お久しぶりです」


「おぉ、アリシアか。早かったな」


「助けてと書かれていたので。一体何があったのですか?」


「はぁ、コイツがやらかしてな」


オレイユさんは友人で元勇者のジュネフさんを指差す。


「カジノでドッカンさ」


「つまりは自分の聖剣を賭けて負けやがったんだ」


彼女の聖剣でもある杖が見当たらない。


「私は悪くない。アイツらがイカサマしてたんだ」


「とまぁ、何とか取り返そうしたが負ける一方でな」


「まさかとは思いますが、転移で盗めとか言いませんよね?」


「そんな事は言わないよ。正当に取り返して欲しいんだ」


「カジノで勝てと」


「そう言う事だな。聖剣は今景品になっている」


「ちなみにいくら分の景品ですか?」


「白金貨5枚だ」


5億円もの価値である。


「ワタルさん、帰りましょうか」


流石のアリーも無理だと諦める。


「そこを何とか頼む」


「そこまで勝ち続ける事は出来ませんよ。運が絡むんですから」


「そうだな。アリシアは運は良くないのか?」


「その日によりけりだと思いますが」


「なぁ、オレイユ。アンタところの聖女さんはどうなんだ?」


「シャロンか・・・・・・アリだな」


ジュネフさんの提案に賛成するオレイユさん。


「悪いが2人ともシャロンを連れて来てくれないか?」


〜〜〜〜〜〜


その日の夜。


「お義母様、私はこの様な再会の仕方は望んでいませんでしたよ」


カジノ王国で1番大きな店の前で、伊達メガネと帽子を被ったお忍びスタイルのシャロンさんが呆れた顔で説教をする。


日中に聖国に向かい事情を説明し、仕事の終わった夜に連れて来たのだ。


「シャロン、そのくらいにして先に目的を果たそうじゃないか」


「言われた通り、お義母様の貯金の大金貨1枚を持って来ました」


これだけでも1000万円の価値があるが、これを50倍にしないといけないのだ。


「だいたい私にカジノをしろなんて、やり方すら分かりませんよ?アリシアさんは分かります?」


「私は前に皆さんと来た事があるので」


「今回やって貰うのはルーレットだから簡単さ。シャロンの思った所に賭ければ良いんだ」


「はぁ?」


シャロンさんはいまいちピンときてない様子だ。


「とりあえず中に入って見るのが良いな」


店内に入り、10万円相当の黒チップを10枚と、100万円相当の黄色チップを9枚と交換する。


「それじゃあまずは私が手本を見せよう」


ジュネフさんが席に座る。

ルーレットは前世でも見た事のある物で、数字に賭けたり色、偶数など賭け方が色々とある。


ジュネフさんは手本として黒チップ1枚を13、14、16、17の真ん中に置く。


「これでこの4つの数字に賭ける事になるんだ。この場合倍率は9倍になる」


「当たれば9枚に増えるのですか?」


「そうだ。賭けるならチマチマやるより、一気にやった方がいいだろ?」


ディーラーがボールを回し始め少しするとベットが締め切られる。

コロコロとボールの速度が落ちていって入った場所は・・・・・・


「25?つまりこれは?」


「ハズレだな」


あっさり言うジュネフさん。


「ジュネフ様は1度、お金の使い方を考えた方が良いと思います」


聖剣を失ったのも容易に想像出来る。


「私の事はどうでもいいんだ。とりあえず1回やってみてくれ」


「どうでも良くないので後でまた、お義母様と一緒にお説教はさせて頂きます」


「私もか」


ひとまず席に座るシャロンさんは黒チップ1枚を手に取る。


「あの黒色と赤色の枠は何ですか?」


「あれは色に賭けるんだ。各数字が黒か赤で塗られているだろう?その賭けた色の数字どこにでも入れば当たりだ」


「ずっとそこに賭ければ良くないですか?」


「色に賭けた場合の倍率は2倍で最低なんだ。今回の我々には合わない」


「なるほど・・・・・・でもまぁ初めてですし」


シャロンさんはそう言って赤色にチップを置く。

ボールはスピードを落としていき、入った場所は16で色は赤だった。


「当たりですか?」


「そうだ」


2枚の黒チップが返される。


「これで元通りですね」


「あとはここからどうなるかだな。ちなみに賭ける時はボールが回り始めてからの方がいいぞ」


シャロンさんは次に、大胆にも黄色チップ1枚を黒の枠に置いて当たりプラスとなる。


「数字にも賭けてみますか」


ジュネフさんとオレイユさんに教えてもらいながら、数字にも賭けていき勝ち続け、いつの間にか元の5倍の5000万円相当までチップが増えていた。


「人が増えて来たな」


勝ち続けるシャロンさんが話題を呼び周りに観客が増える。

聖女で聖国の女王がお忍びで来ている事もあり目立つのは避けたい。

そう考えたシャロンさんは勝負に出る。


「これで終わらせます」


3000万円相当のチップを1と2の間に置く。


「おいおいマジかよ」


「シャロン、そんな急がなくても」


2人は止めようとするがシャロンさんに退く気は無く、ボールのスピードは徐々に落ちていき・・・・・・


〜〜〜〜〜〜


「これに懲りたらカジノで散財はしないで下さいね!」


「「はい」」


最初に会った宿屋にてお説教をされる2人。

ジュネフさんの傍には聖剣である杖が置かれている。


あの後、ボールは見事1に入りシャロンさんは大勝ちしたのだ。

最終的に5億6000万相当の儲けとなり、5億で聖剣を取り返し6000万のプラスとなった。


「しかし、シャロンがこんなにも強運だったとはな」


「あぁ、これは運の女神様だな」


「今のお2人に褒められても、あまり嬉しくないのですが」


シャロンさんは溜め息を吐いて、疲れた顔をするのであった。



ここ数日でポイントが一気に増えて、遂に3,000ポイントを突破しました!

あともう少しという状況だったのが、急激に増えて驚きと感謝しかありません。


今年もあともう少しですが、頑張って参りますのでよろしくお願いします!



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