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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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緊急事態

「平和じゃ〜」


「平和だねぇ〜」


日の当たる窓際で大の字になって寝ているティーとオルフェさん。


「妾は暫く眠るからおこすんじゃ・・・・・・ぐぉー」


速攻寝落ちするティー、それに続いてオルフェさんもすぐに眠る。


「寝つきがいい事で」


そんな2人を見ていた時、


コンコンコンコンコンコンコン


とんでもない勢いで玄関からノックの音が聞こえる。


「コタケさん!ティーフェン様!緊急事態です!」


聞き覚えのある男性の声が聞こえ扉を開けると、そこに居たのはラーブルクの王テンメルスさんである。


「コタケさん、こんにちは!ティーフェン様は居ますか!」


「そんなに慌ててどうされたんですか?」


「実は国で緊急事態が発生し、ティーフェン様に来て頂きたく」


「ティーならリビングで寝てますよ」


「お邪魔します!」


テンメルスさんを案内する。


「ティーフェン様、起きて下さい!」


寝ているティーを揺らして起こそうする。


「う〜ん、うるさいのぉ」


簡単には起きないティーに、何度も呼び掛け体を揺らし続ける。


「うるさいのじゃ」


「ぐぇ」


テンメルスさんを振り払おうとティーが手を動かすと、横で寝ていたオルフェさんに当たる。


「寝息が聞こえなくなった・・・・・・」


今の一撃でオルフェさんが気絶してしまった。

どうやら、ティーの横では寝ない方が良さそうだ。


「ティーフェン様!いい加減起きて下さいよ!さもないと妻に言いつけますよー」


「ヴァルナには言うんじゃない!」


その一言ですんなりと目を覚ます。


「ん?なんで、テンメルスがおるんじゃ?」


「やっと起きてくれました!」


「なんか国で緊急事態が発生したんだって」


「なんじゃ?」


「ひとまず国に来て欲しいのです」


「よう分からんが仕方がないのじゃ。ところで、こ奴は何故気絶しておるんじゃ?」


「ティーがやったんだよ・・・・・・」


記憶の無いティーは首を傾げ、気絶したオルフェさんは他の人に任せて俺とティーでラーブルクに向かう。


「緊急事態にお主が国を抜け出して良かったのか?あの森まで相当な距離があるじゃろ」


「大賢者様が万が一の時にと作って下さった転移の魔法陣を使いました。一回きりの物ですが仕方なく使いました」


大賢者さんは現在国を離れていて助けを出せなかったそうだ。


「それで何処で何があったんじゃ?」


「現場に案内します」


そう言って連れて来られたのは街中の広場だった。

普段なら多くの市民が行き交っているが、今は兵士しか居ない。


それもその筈で広場の中央、元々噴水があった場所に直径10m以上の大きな穴が空いていたのだ。


「何があったのじゃ?」


「今朝この広場に突如として、この大穴が出来たそうです」


「ただの陥没とかでは無いんですか?」


「初めはそう思ったのですが、穴が空いた時に居合わせた市民が人影を見たと言うのです。それに・・・・・・穴を覗いていただければ分かるかと思います」


言われた様に穴を覗いてみると、道の様な物が下に続いていた。


「どう見ても誰かが掘った感じゃな」


「それで広場を一時閉鎖し、ティーフェン様の助力を求めに参ったのです」


「なるほどの。コタケよ、家で暇そうにしている奴らを連れて来るのじゃ」


「分かった」


「ありがとうございます」


家に戻り、オルフェさん、リッヒさん、ヴネルさんの3名を連れて戻って来る。


「なんか頭がガンガンするんだけど・・・・・・」


「気のせいじゃろ」


とぼけるティーを訝しむオルフェさんをスルーし準備を始める。


「私が先頭を行きますので、後方はティーフェン様に任せます」


「うむ、任せるのじゃ」


危機察知の能力が高いリッヒさんを先頭に、穴の中へと入って行く。


「真っ暗ですが、本当に人なんて居るのでしょうか?」


「人よりも魔物の確率の方が高そうだよねー」


「モグラの魔物ですかね?」


「ムカデかもよ」


「こんなでっかい穴を作れるムカデなんて嫌ですね」


オルフェさんと話していたヴネルさんが身震いする。

実際、俺達の様にランプを使わないと周りが見えない程暗いので、本当に人影だったのかは疑問が残る。


色々な可能性を考えつつも進む事20分、人や魔物などに遭遇する事は無かった。


「なんか暑くなって来たね〜」


どれくらい進んだのだろうか、地下深くに行くに連れて気温も上がっている。


「皆さん、止まって下さい」


そんな中、リッヒさんが何かを見つける。

それは道の終わりの様で、何やら光が漏れ出ていた。


「気を付けるんじゃぞ」


恐る恐るその先へ足を踏み入れると・・・・・・


多くの家が建ち並ぶ巨大な空間が眼下に広がっていたのだった。



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