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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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決闘

アリーの父オーウェンさんと母クラニーさんに無事会う事は出来たのだが、結婚の事を伝えるとオーウェンさんにいきなり決闘を申し込まれたのだ。


「決闘ってどう言う事ですか?」


俺は慌ててオーウェンさんに確認した。


「何処の馬の骨かも分からん奴に私の可愛い娘を渡すわけにはいかん!」


「はぁ、お父様・・・」


アリーも流石に呆れていた。


「あなた、流石にアリシアの事を助けて頂いた方にそれは失礼ですよ」


「アリシアの事を助けてくれたのは感謝しよう。だが、それとこれとは話が別だ!」


クラニーさんもそれを聞いて呆れた。


「お母様は反対なさらないのですか?」


「貴方自身が決めた事なら私は何も言いませんよ」


クラニーさんは結婚に反対では無さそうだが、オーウェンさんは今も俺の方を見て威嚇している。


「はぁ、分かりました。その決闘受けさせて頂きます!」


「ワタルさん、無理に受けなくても大丈夫なんですよ。最悪、私とお母様の2人で力ずくでも説得させますので」


アリーが勇ましい事を言った。

たしかにオーウェンさんはこの2人には勝てなさそうだ。


「大丈夫だよ。俺の事を知ってもらわないと駄目だしね」


「ふっふっふっ、よくぞ言った。だが、娘はそう簡単に渡さんぞ!」


「それで決闘はどうやって行うんですか?」


「君は魔法を使う事はできるかね?」


「いえ、全く使えないです」


「む?そうか・・・であれば、魔法以外は何でもありとしよう」


「分かりました。俺とオーウェンさんの1対1という事で良いですか?」


「いや、お互い2対2で決闘行う」


(?俺とオーウェンさんの問題だし1人でいいのでは?)


「こちらは私と妻のクラニーとで行う」


「はぁ・・・あなたという人は・・・」


「そちらは君とあともう1人参加者を選びたまえ、ちなみにエレオノーラには審判をしてもらうから選べないぞ」


「なっ!?」


オーウェンさんはニマニマしながらそう言った。


(エレオノーラさんが駄目となるとティーに頼むしかないよな)


「ティーお願いしても良い?」


「もちろんじゃ」


「おやおや?そんな子供に頼んで大丈夫かね?」


オーウェンさんの後ろでは、アリーとクラニーさんがため息をついている。


(というかオーウェンさんはティーが龍王と知らないのか・・・そういえば自己紹介した時もティーとしか言ってなかったしな)


「俺とティーで問題ないです!」


「ふむ、では早速庭へと移ろう」


俺達は屋敷にある大きな庭へとやってきた。


「さぁ武器を選びたまえ」


メイドさんが木で出来た剣や槍など様々な武器を持ってきた。

オーウェンさんは槍をクラニーさんは剣を2本選んでいた。


(そういえば、俺の腕輪って木剣に変化させられるのかな?)


そう思い試しにやってみると木剣に変化させることが出来た。


「なんだ?その魔道具は?」


「俺の持ってる腕輪で、色んな武器とか道具に変えられんです」


「ほう、なかなか面白い物だな」


オーウェンさんは興味津々だった。


「あの、俺はこの木剣でも大丈夫ですか?」


「まぁ、よかろう。それでそちらのお嬢さんはどうするのかな?」


「妾はこれで十分じゃ」


そう言って、拳を見せた。


「怪我をしても知らないが、まぁ私の娘は優秀で回復魔法を使えるから安心したまえ」


(まぁティーなら怪我の心配もいらないだろうな。それにしても、あの2人どれくらい強いんだろう?)


「ワタルさん、お気をつけ下さい」


「うん、ありがとう。ちなみにあの2人って結構強いの?」


「戦ってみればすぐに分かると思います・・・」


どこか含みのある言い方だった。


「それでは両者位置について下さい」


エレオノーラさんが合図をしたので、お互い向き合って位置についた。


「それでは、はじめ!」


開始の合図と共にいきなりオーウェンさんが突っ込んで来た。


「うおぉぉぉ!覚悟しろーー!」


槍で突かれる所で俺は脇へと避けた。

オーウェンさんはそのまま進んだかと思ったら勢いよくすっ転んだのだった。

オーウェンさんはすぐさま起き上がり、


「ふっ、なかなかやるではないか!しかし、次はそう上手く行くかな?」


と言って続けて攻撃してきたのだが、難なく剣でいなす事が出来たのだ。


(もしかして、オーウェンさんってあんまり強くない?)


チラッとアリーの方を見てみると、こういう事ですといった感じで笑っていた。


「はぁはぁ、私もはぁ、そろそろはぁ、本気を出そう」


オーウェンさんはめちゃくちゃ息切れしていた。


(俺もちょっと本気を出そう)


少々反則ではあるが、腕輪の機能でそれなりの実力を引き出す事ができるので、一気に勝たせてもらうことにした。


俺は再度突っ込んで来たオーウェンさんに対して、剣を構えて攻撃を避け、体に軽く当てようと剣を振り下ろした。

すると、またオーウェンさんがまた転んでしまい、本来剣を当てるはずだった体から場所がズレて頭に当たってしまった。


「ぐふっ」


攻撃を受けたオーウェンさんはパタッとその場に倒れた。

エレオノーラさんが駆け寄ってきてオーウェンさんの状態を確認した。


「あーこれは気絶してます」


オーウェンさんはそのまま執事達に何処かへ運び込まれて行った。


「それでは、両者続けて下さい」


(あとはクラニーさんだけか)


「はぁ、あの人ったら・・・私としては2人の結婚に反対しておりませんので平和に終わらせても良いのですが、あの子の伴侶となる方がどれくらいの力があるかは確認しておきたいですよね?」


とクラニーさんが言ったと思ったら、背筋に悪寒が走った。


「あやつ相当できるぞ」


ティーがそう言うと、目の前にいたクラニーさんが突如消えた。


「えっ!?」


「コタケよ、後ろじゃ!」


そう言われて後ろを振り向くと、クラニーさんが片方の剣を振り下ろしてきた。

俺は咄嗟に剣で防御をしたが、もう一方の剣で攻撃され軽く吹き飛ばされて地面に伏した。

クラニーさんはそのまま続け様に攻撃を仕掛けてきた。


(まずい!)


まだ攻撃の衝撃で起き上がる事が出来ていなかった。

しかし、そこでティーがクラニーさんの攻撃を素手で受け止めた。


「あらら?止められちゃいました」


「お主中々強いの」


「本気では無いといえ、素手で止められると思いませんでした」


「ありがとうティー、助かったよ」


「うむ、しかしアリシアの母親がこんなに強いとは思わなんだ」


「そうだね、あの一瞬で俺じゃ太刀打ち出来ないと分かったよ」


「どうするのじゃ?」


「なんとか一撃入れないとな」


「なら妾が囮になるから、その隙を突くのじゃ」


「わかったよ!」


「よし、じゃあ行くとするかの」


と俺とティーが攻撃をしようと決意した時、


「あっ!棄権します」


クラニーさんがそう言ったのだ。


「え〜〜!?」


「大体の力は分かりましたので結構ですよ。それにそちらの少女には勝てませんので」


「そ、それでは勝者はコタケ殿のチームとなります」


「アリシア、良い方を見つけましたね」


「はい、お母様!」


「うおぉぉ、アリシアーー!待ってろーー!」


ここでオーウェンさんが目を覚まして、


「もう1回勝負だぁぁーー!」


と勢いよくやってきたのだが、


「はぁ、少しは落ち着いてください」


クラニーさんが手刀で気絶させた。


(うわっ!えげつなっ!)


「さて皆さん、これからゆっくりとお話ししませんか?」


クラニーさんがそう提案して来たので、俺達はそれに賛成して、屋敷の中へと戻って行った。

こうして、決闘は無事?に終えたのだった。








みなさん、あけましておめでとうございます!

今年1年は良き年でありますように!

小説の応援もよろしくお願いします!

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