休日の癒し
「ぐへへへ、皆んな準備はいいかなぁ?」
「ママ、笑い方気持ち悪いよ」
「おっと、失礼・・・・・・ジュル」
そう言いながらヨダレをすするオルフェさん。
彼女がそんな状態になった、事の発端は前日である。
〜〜〜〜〜〜
「つかれたぁーー」
2週間働き詰めだった様で、帰って来た瞬間に死人の様に倒れ込む。
「お疲れ様」
「一区切りついたし、明日からやっと休めるよ〜」
「それならゆっくりして下さいね」
「そうさせて貰お・・・・・・いや、アレが完成してたたんだった!」
「アレ?」
「コタケ君にお願いしたアレだよ」
何の事だろうと思っていると、自分の部屋に行きある物を持って来て。
それは前世で良く見た高校の制服であった。
「あ〜そういえば、前世の女性服の特徴教えてとか言われてたなぁ」
「そうそう。それを元に作ったのが、3着完成してたんだ」
「でもそれと休むのに何が関係あるんですか?」
「皆んなには私を癒す為に、ファッションショーをして貰います!」
「えぇ・・・・・・」
「そうと決まれば全員に声掛けだー」
〜〜〜〜〜〜
これが事の発端である。
「もう我慢出来ないから、早速1人目アリシアちゃん!準備は良い?」
「た、多分大丈夫です」
「それじゃあ行ってみよー、エントリーナンバー1・制服」
リビングの入り口に設置した即席の幕が上がると、少し空いた胸元に腰に巻いたセーター、極め付けはこの世界に存在しないルーズソックスを履いたギャルなアリーが現れた。
「これで合っているのでしょうか?」
「お〜、コタケ君これで合ってる?」
「合ってないけど、合ってるって言うか。そもそも、俺の言った制服の着方じゃないよね?」
「ちょっとアレンジして着崩して、靴下とかも手を加えてみたんだよね」
どうやら思い付きでギャルコーデを作ってしまった様だ。
「なんだか少しヤンチャな気分になりますね」
アリーの金髪も相まって、かなり似合っていた。
「それじゃあ次いってみよ〜。エントリーナンバー2 スーツ」
次に現れたのは、レディーススーツを纏ったメアリーさんだ。
「窮屈な格好で動きにくいです」
「戦闘時動きにくそうだよね」
「そういう服じゃ無いですからね」
「コタケ君の前世は皆んながこれを着て働いてたんでしょ?」
「皆んなじゃないですけど、事務仕事をしてる人はだいたい着てました」
「仕事着ならって商品化しようと思ったんだけど、動きにくそうだから没にしたんだよね」
カジュアルな格好の人も居たので、そっちの方が良かったのかもしれない。
「ほいで最後。エントリーナンバー3 ナース服」
それを着て現れたのはメアさんだった。
「ちょっと下短くないですか」
「コタケ君によると、病院で看護師さんが着る服だそうです」
オルフェさんが作ったのは、現代の様なジャケットにパンツスタイルの物では無く、イメージされやすい白のワンピースタイプの物だった。
「メアさんが着ると、耳と尻尾のせいでコスプレ感が強くなりますね」
「この格好でエレオノーラさんを看護しちゃいます」
「残念だったな、私は滅多に風邪を引かん」
「なら強制看護です」
「なぜそうなる!」
逃げるエレオノーラさんをナース服のまま追いかけるメアさん。
「これで全部だね」
「一般的な服も結構教えたと思うんですけど、何故このチョイスを?」
「働く服装を増やしたいって思ったから、優先して作ったんだよ」
「ちゃんと考えてるんですね」
「そーだよ!」
「これで少しは休まりましたか?」
「うん、良い感じに創作意欲が湧いてきたよ!だからちょっと何か作ってみる!」
結局、オルフェさんは少ししか休まず、また仕事に取り掛かるのだった。




