Sランクダンジョン②
時間取れず短めになります。
無事に難所を突破し、4階層を歩く俺達は1度休憩を挟んでいた。
「さっきはすまない。情けない所を見せてしまったな」
「いえ、皆さんにも苦手な物があって逆に安心しました」
「ウチらも最初に来た時は問題無かったんやで」
「あの時はチズルが無闇に潰したから・・・・・・」
クリスタさんが身震いする。
「なるほど、それで苦手になったと」
「ウジャウジャと湧き出るアレはトラウマになる」
「その難所も越えたんじゃ。さっさと切り替えるんじゃな」
「えぇ、ここから魔物も強くなっていきますので気を引き締めます」
白薔薇も復活したので攻略を再開する。
4階層の敵は熊の魔物で、5mサイズで鋭く長い鉤爪が特徴だ。
ガキン ガキン
「おっしゃ、バランス崩した今や!」
チズルさんが大楯で攻撃を弾き隙を作った所で、すかさずレンダさんが攻撃に入り倒す。
一方では、イルシーナさんが魔法で魔物の周りを火で囲った所をクリスタさんが矢で射抜いたり、エレオノーラさんとアナスタシアさんが互いに入れ替わりながら戦ったりと連携を深めている。
「グリートよ、お主も働かんか」
「そう言う貴様こそ戦っていないではないか」
「妾はコタケとスノウのお守りじゃ」
「なら私もそうだ」
「サボっとるだけじゃろ」
話しているうちに戦闘が終わる。
「皆さん、お疲れ様でした。この先に5階層に続く階段がありそうです」
索敵をしていたリッヒさんが木の上から降りてくる。
「連携も良くなってきたな」
「次は4人での連携を試そうか」
ボス戦に向けて連携を深めて5階層、6階層と難なく突破して行き7階層に到着する。
「このダンジョンってフロアボスっていないんですか?」
今までのダンジョンは5階層ごとに中ボスとの戦闘があった。
「ここのダンジョンはボスまで一直線やで」
「そうしたダンジョンは総じてボスが強いんだ」
「ちなみにボス部屋は何層目にあるんですか?」
「30階層だ」
「30・・・・・・」
今まで1番長い戦いになりそうだ。
「おい、それ1日で終わるのか?」
グリートは面倒臭そうに確認する。
「このペースなら問題無いが、半分の時点で1度外に休憩に行こうと思う」
「来た道を戻るのかの?」
「いいや、コタケ殿が居るだろう」
「本来この手のダンジョンは、長期戦を見込んで様々な物資を持ち込むが、それを今回はしていないからな」
「その補給に転移で戻るんですね」
「本当に便利なものだ」
「ほんまに、ウチらのパーティーに入って欲しいわ」
白薔薇とエレオノーラさんはうんうんと頷く。
その後、15階層まで問題は起きる事なく転移で外に出て休憩を取った後、攻略を再開する。
そして、事件はその16階層で起こるのだった・・・・・・
あと2話続きます。




