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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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家族旅行①

旅行当日の午後1時、出発前の確認をする。


「全員揃ってるね?」


「揃っております」


「クロ達もオッケー?」


今回はクロやドラちゃん、ルーも一緒に行き、後から精霊王も参加する予定だ。

クロはぴょんと跳ねて準備OKの合図をする。


「それじゃあ行こうか」


まずは転移でヒノウラの城門前にに移動をする。


「待ってただべ」


ゲートを抜けた先にはコズエが居た。


「儂様の名前で予約しただべ。アッチで言うと良いだべ」


「うん、ありがとう」


「いつもお世話になってるだべな」


城門前に待機されていた馬車に乗り込み、目的地へと出発する。

2時間後、紅葉が始まりつつある山奥に入って行き、目的地の木造3階建ての旅館に到着した。


「おぉ、風情があって良いね」


「ゆっくり出来そうじゃな」


「早速中に入ろうか」


扉を開けると中で、若女将と思われる着物を着た黒髪の女性が待っていた。


「ようこそ、山妖館(さんようかん)へ」


「コズエの名前で予約してあると思うのですが大丈夫ですか?」


「はい伺っております。本日は貸し切りとなっておりますので、ごゆっくりお楽しみ下さいませ」


部屋に行く前に、先に支払いを済ませる。

貸し切りとは思っていなかったので心配したが、そんなに大きな出費にはならなかったので安心した。


「では、こちらへどうぞ」


部屋に案内され向かう道中、当然他の客には出会わないのだが、他の従業員ともすれ違う事は無かった。


「こちらになります」


「ありがとうございます」


襖の先は広々とした部屋で、窓の外は色付き始めた木々が見えて良い景色だ。

広縁と呼ばれる窓際のあのスペースもあって、懐かしい気分になる。


この部屋では、俺とアリーと子供達に加えてクロが寝泊まりする。


「景色が綺麗で良いですね」


「あっ、お菓子だー」


机の上に置かれているお菓子に子供達は反応する。


「食べていい?」


「いいよ」


「このお菓子は何か意味があるんですかね?」


「おもてなしだったり、入浴中の湯当たり防止の為の糖分補給だったりって言われてたかな」


「色々と考えられているんですね」


ひとしきり部屋でゆっくりした所で、


「じゃあ温泉に入ろっか」


「皆さん呼んで来ますね」


クロ達を連れて男湯に向かう。

脱衣所で服を脱いでいると、精霊王が現れた。


「我の到着である!」


「お疲れ様、ヒルズは?」


「あやつも女湯の方に行かせた」


「来れてよかったよ」


「あぁ、全くだ。あんなに仕事が残っていたとはな」


精霊王が子供達と遊びサボっていた事で、危うく来られない所だった。


「さて、仕事の疲れを癒すとしようじゃないか」


温泉は内側と外の露天風呂の2種類で、まずは体を洗い内側の温泉に入る。


「ふぅ〜、気持ちいい」


温泉はリラックス出来るから最高だ。

クロやドラちゃん達も桶に入れた温泉を楽しんでいる。


「パパー、泳ぎたーい」


「あはは、気持ちは分かるけど流石に駄目だよ」


他に人も居ないがマナー違反である。


「でも、精霊王は泳いでるよ」


「ふははは!我の泳ぎを見よ」


「あー、ルー?やっちゃって」


「承知した」


鎖が伸びて精霊王の体を縛り付ける。


「ぬぅ!これでは動けないではないか」


「温泉での遊泳は禁止。罰として大人しくしてて下さい」


「こんな鎖なんぞ、なんぞ・・・・・・」


無理やり解こうとするが、予想より固かったのか諦め大人しくなる。


しばらくして露天風呂の方に移ると、隣の女湯の方から声が聞こえる。


「コタケくーん、覗いたら駄目だよー」


「そんな事しませんよ」


イルシーナさんの声が聞こえて答える。


「あれ?そう言えばイルートって入って大丈夫だったの?」


「マスター、私の体は水にも強いので問題ありません」


「はぇ〜、やっぱ凄いね。それに良いものをお持ちで」


「ちょっ、イルシーナさん!?」


「良いじゃん、女の子だけなんだしさぁ」


「ヴネルちゃんも固いこと言わずさ、ほらレンダちゃんの見てよ。すんごいよ」


「セクハラじゃの」


「ユリ、やっていいですよ」


「はーい」


「あっ、ごめんなさい!やり過ぎました!」


アリーの指示で、ルーの様に鎖魔法を使ったユリに縛られたイルシーナさんは反省するのだった。


お風呂から上がると夕食の会場へと案内され、しゃぶしゃぶや炊き込みご飯など和テイストな料理が用意されており、それらを楽しんだのだがここでも他の従業員は見かけなかった。


その後、温泉をもう一度楽しみ寝る事にしたのだが、


「ぎゃあぁーー!出たー!」


広間の方からオルフェさんの声が聞こえ、飛び起き皆んなで駆け付ける。


「どうしたんですか!?」


「あ、あれお化け」


指差す方を見ると、着物を着たくねくねとした長い長い首の女性が居た。


「あらあら皆さん揃って・・・・・・バレてしまいましたか」


急に横から声がして見てみると、長い首に付いた若女将の顔がコチラを見ながら喋り、


「「っ〜〜〜!?」」


俺達は驚き、声が上がらなかったのだった。



次回に続きます。

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