家族旅行計画
夜、自室にて子供達が寝た後、アリーと話す。
「ワタルさん」
「うん、なに?」
「全員で何処かに旅行に行きませんか?」
「旅行かぁ、日帰り?泊まり?」
「できれば泊まりで」
「だとすると、場所考えないとね。候補はあるの?」
「まだ無くて、ゆっくり出来る様な場所が良いんですけど」
「皆んなに候補出して貰おうか」
「その方が早そうですね」
そう結論付けて、明日にでも聞いてみようと話を終えた時、
「話は聞かせて貰っただべ!」
何処からともなく、そんな声が聞こえた。
辺りを見回してみると、窓の外に豊穣の神コズエが居た。
「うわっ!」
少し驚き窓を開ける。
「儂様に任せるだべ!」
「あの、こんな時間に何をしてらっしゃったのでしょうか?」
「夜の散歩だべ」
「散歩って・・・・・・」
ヒノウラからここまではかなりの距離がある。
下を見れば庭に大きな足があったので、あれで飛んで来たのだろう。
「それで、何を任せてって?」
「そうだべ、ゆっくり出来る場所を知ってるだべ」
「何処?」
「ヒノウラだべ」
「確かにゆっくり出来るけど、何回か行ってるしな」
「城とその周辺以外もだべ?」
「それ以外は無いかも」
「実は良い旅館があるだべ。シオリから教えて貰って行ってみたら、温泉も気持ち良くて料理も美味しくて、景色も良かっただべ」
「へぇ〜、旅館かぁ。それは良いかも」
「オススメだべ!」
「そこで良いかな?」
「私は賛成です。明日、皆さんにも聞いてみましょう」
「そうだね。ところで、コズエはこんな時間だけど大丈夫なの?あれだったら泊まってっても良いけど」
「それなら、お邪魔するだべ」
リビングに布団を敷いて一晩泊める事にした。
〜〜〜〜〜〜
翌日。
「そう言う訳で、1週間後に行きたいんだけど皆んな予定は大丈夫?」
「コズエ様が居た理由はそう言う事でしたか」
「てっきり不法侵入かと思いました」
「神はそんな事しないべ!」
1番早起きのアンさんとリビアさんは初め驚いたと言う。
「神がそんな時間に押しかけるな」
「邪神に言われたくないだべ!」
ギャーギャーと言い合い始め無視する。
「オルフェさんは大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。私が居なくても店は回るから」
「そ、そう。他に予定ある人居る?」
誰も予定は無さそうだった。
「じゃあ1週間後までに各自荷物まとめておいてね」
「旅館の予約は儂様に任せるだべ」
「1週間前に大丈夫なの?」
「隠れた旅館だから大丈夫だべ」
「そっか、それじゃあよろしくね」
後はコズエに任せ、1週間はすぐに経過し旅行当日となるのだった。




