季節外れの雪
「スノウよ、お主と歳の近い子供らじゃ」
「少しの間お世話になります」
「よろしくね〜」
紹介がてら皆んなと挨拶を交わすスノウ。
すぐに打ち解けていて、社交的な性格の様だ。
「スノウちゃんも、ドラゴンなの?」
「そうだよ」
「ドラゴンの姿見せてー」
「いいよ!」
子供達は外に出て行く。
「サントドラゴンは、どんなドラゴンなんだっけ?」
オルフェさんがティーに聞く。
「妾もよく分からんのじゃ。フィーアの奴が、100年に1匹現れるかの珍しいドラゴンとは言っておったがの」
「じゃあ、どんな力を持ってるかも分からないんだ」
「本人に聞くしか無いのじゃ」
「元龍王さんさぁ」
「国王や魔王も、国民1人1人の能力なんか覚えて無いじゃろ。それと同じじゃ」
「そう言われたらそうだけど」
「ちょうど外で何かやってますよ?」
メアさんが気付き、外を見ると真っ白な何かが空から降っていた。
それは季節外れの雪だった。
雪の季節までは3,4ヶ月は先だし、この場所は雪も滅多に降らない。
「スノウの力かの」
「パパ来て来て、雪!」
リンがはしゃぎながら呼びに来たので、皆んなで見に行く。
外の気温は生温く、雪は本物でしっとりとした積もりそうな雪だ。
「これは、スノウの能力?」
「はい、私の力の1つです!」
「凄いね、1つって言う事はまだ他にもあるの?」
「あるんですけど・・・・・・」
「見たーい」
子供達もせがむが、何か迷っている様だった。
「難しそうなら、やらなくて良いのじゃ」
「その、ここだと辺一面を巻き込んでしまうので」
「そんなに凄い技なのか?」
「隕石を落とすんです」
「「隕石!?」」
「それは元々ある物を引っ張ってきて落とすのでしょうか?それとも新たに作るのですか?」
「私も使った事が無いので分からないんです。母から私達サントドラゴンはその技を使えると聞いていて」
「やり方は教えて貰っておるんか?」
「はい!聞いてます!」
「実戦でいきなり使うよりも、何処かで練習はした方が良いが場所は選ばないとな」
どんな規模なのかも分からないので、無闇矢鱈には出来なさそうだ。
「それはおいおい探していくのじゃ」
「て言うか、その能力ってティーフェンちゃんよりも龍王っぽいよね」
イルシーナさんがそんな事を言う。
「それは・・・・・・そうじゃな。いっその事、龍王でも目指さんか?」
「私が龍王になれるんですか?」
「今の龍王を倒した者が次の龍王じゃ、今はまだ無理じゃろうが将来的にその実力がある」
「えっと、じっくり考えてみても?」
「すぐ決めんくても良いのじゃ」
「龍王かぁ、格好いいなぁ」
スノウは自身が龍王になった時の姿に、思いを馳せている様子だ。
「ところで、この雪はいつ止まるの?」
「半日後です!」
「えっ・・・・・・」
「私も止め方が分からなくて、いつも半日で止まってます」
「そ、そうなんだ」
「雪遊び出来るかな?」
「多分出来るよ」
子供達は雪で遊びたくてウズウズしている。
翌日。
案の定、雪は積もりに積もって1mに達し、子供達がソリやかまくらを作って1日中遊んだ後、夕方に火の魔法で除雪をしたのだった。




