表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

502/535

性能と名付け

「ふむふむ、なるほどなるほど」


「数日前にも見たな、この景色」


オートマタを家に入れた後、イルシーナさんは周辺をグルグルしながら色々と調べている。


「すごーい、プニプニしてる」


「私も良いですか?」


「どうぞ」


アリーとイルシーナさんが頬をツンツンする。


「普通のオートマタって、どんな素材で作られてるの?」


「本来は錬金術で作られた金属なので、人の皮膚の様に柔らかくはないんですよ」


「君も金属で作られてるの?」


「骨格は金属ですが、皮膚は特殊な素材で作られております」


「へぇ〜・・・・・・うおっ柔らかっ!」


話を聞きながら唐突に胸を掴み、揉み始めるイルシーナさん。


「イルシーナさん、はしたないですよ?」


「はい、ごめんなさい」


アリーからの圧にパッと手を離す。


「ところで、そのメイド服は何か理由があるの?」


「私は家事の手伝いを目的として作られた為です」


「作った方と前の持ち主は一緒なのでしょうか?」


「記憶が無いので一緒の可能性が高いです」


アリーの質問にオートマタはそう答える。


「じゃあ最近作られたのかな?」


「これ程の錬金術を使える人物となると、寿命を延ばせそうな気もします」


「確かに。それだと年数も分かんないか」


記憶が残ってない以上どうしようもないので、今度は実際に出来る事を見ていく。


「まずは家事力を見せて貰おうかな。アッチの離れの私の部屋を掃除して来て!」


「かしこまりました」


「自分で片付けるのが嫌だからって」


「いやほら、この実験の為にワザとやってたんだよ」


「そんな都合のいい事言って」


「終わりました」


「「はやっ!?」」


いつの間にか消えていつの間にか戻って来ていた。


「そんな一瞬で片付いてる筈ないでしょ」


そう言い見に行ったイルシーナさんだが、


「本当に綺麗になってた」


ポカーンとしながら帰って来た。


「使った薬品も元の場所に戻ってたし・・・・・・何で分かったの?」


「瓶の大きさや重量から、棚の僅かな窪みを計算しました」


「ひえぇ〜、そんな事まで出来るの」


「家事は掃除だけではありません。お料理の方はどうでしょうか?」


「何かリクエストはございますか?」


「じゃあ、オムライス!お昼食べ損ねたからお腹ペコペコなんだよね」


「かしこまりました」


キッチンへ向かい材料を並べると、自分の腕を包丁やフライパンに変形させ、あっという間にオムライスが完成した。


「うまぁ〜!タマゴもふわっふわっで店に出せるレベルだよ」


気になるので1口貰うと確かに美味しかった。


「アンとリビアの仕事が格段に減りますね」


「2人の自分の時間が増えるから良いんじゃないかな」


そう言うが2人ともメイドの仕事が好きなので、どう反応するかは分からない。


「とりあえず次は戦闘力を見ようか。コタケ君、ゲート出して」


ホープのダンジョンに転移して魔物を倒して貰う。

腕を剣に変え、魔物をバサバサと倒していく。


「おー強いねぇ。冒険者のランクで言えばBランク相当かな?」


空中で回転したりと、アクロバティックな動きで相手を翻弄している。


「殲滅致しました」


「戦うメイドって良いね」


メイドが戦う必要はあるのかと問いたいが・・・・・・


「実力もそれなりに分かったし戻ろうか」


家に戻ると、リビングに帰って来たヴネルさんと人の姿に変身したフラワーステッキが居た。

すると、オートマタが勝手に動きフラワーステッキに斬りかかる。


「ちょっ!?」


ステッキに変身し攻撃を回避する。


「ストップ!ストップ!」


また斬りかかろうとし、イルシーナさんが止めに入り制止する。


「急にどうしたの!」


「申し訳ありません。体が勝手に動いてしまいました」


「アンタの知り合い?」


"知らない。初対面だ"


再び人の姿になったフラワーステッキが答える。


「何故かその顔を見ると、1発お見舞いしたいと体が反応している様です」


「やっぱりアンタが何かしたでしょ」


"だから何もしてない。してない筈だ"


「顔がムカつくのは私も分かるけど」


"酷い言い様だ。そもそも君は人間では無いな。オートマタか?"


「そうでございます」


「えぇ!人間じゃないんですか?」


ヴネルさんは気付いて無かったようだ。


"私もこれ程の精巧な物は初めて見るが、面白い事になりそうだな"


「どう言う意味?」


"その時が来れば分かる"


「もったいぶらないで教えなさいよ」


"楽しみにとっておくんだな"


杖の姿に戻り、逃げてしまった。


「意味分かんない」


「考えても意味無いし、今は無視しとこ」


「そうですね。ところで、そのオートマタに名前はあるんですか?」


「そう言えば聞いてないや」


「私に名前はございません。どうぞお好きな様に」


「タマちゃんとか?」


「犬猫じゃ無いんですから、もう少し考えましょうよ」


「うーん・・・・・・イルート」


「自分の名前入れました?」


「私が主人だから、分かりやすく様にね!」


「かしこまりした。これからはイルートとお呼び下さい」


「よろしくね!」


こうしてオートマタのイルートが、イルシーナさんのメイドとして加わる事になった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ