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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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マスター

「今日は静かですね〜」


「確かにそうだね」


リビングでアリーと共にくつろぐ午後、しかしそんな時間は一瞬で終わりを告げる。


バンッ


「ヤバい物見つけた!」


勢い良く玄関から入って来たのイルシーナさんである。


「ドアは静かに開けて下さいね?」


「アッ、ハイ」


アリーの圧に萎縮する。


「それで何を見つけたのですか?」


「とにかくヤバい物なんだよ」


問答無用で庭に連れて行かれると、そこにはメイド服を着た茶髪の女性が立っていた。


「どなたでしょうか?」


「分かんない」


「知らない人を連れて来たんですか?」


「うん?人じゃないよ?」


そんなおかしな事を言うので、近づいてじっくり見るがどう見ても人である。


「人だよね?」


「人ですね」


アリーと確認し合うが、変な所は無い。


「いやいや、こんだけ話してるのに何も動かないし、瞬きもしてないでしょ?」


言われてみれば確かにそうだった。

挨拶をしてみたが返答は無い。


「どういう事でしょうか?人形とかですかね?」


「おっ、アリシアちゃん正解。多分これオートマタなんだよね」


自動人形とも呼ばれ、錬金術で作られる物だそうだ。


「オートマタですか、初めて見ました」


「そんなに珍しい物なの?」


「かなり珍しいです。簡単に作れる物では無いと聞きますし、表面も皮膚っぽくこんなにも精巧な物だと国宝級かと」


「そんな凄いんだ。でもどうしてそんな物をイルシーナさんが?」


「確かにそうですね?」


「別に盗んで来た訳じゃ無いからね!?」


「流石にそこまでは疑わないけど」


「近くの川を流れてたんだよ」


「近くの川を・・・・・・普通にビックリしそう」


「ですね、人が流れてると思って驚きますよね」


「私もちょっと驚いたけど、引き上げたら全然人じゃ無かったし持って来たんだよね」


「誰かの落とし物でしょうか?」


「そんなに凄い物を落とす人って結構ヤバいね」


「何処から流れて来たかも分からないしね。貰っちゃっても良いかな?」


「そもそも動くのでしょうか?」


「何処かにスイッチがあるとは思うんだけどなぁ」


イルシーナさんがオートマタの体を弄っていると、


カチッ


「キドウシマス」


不意にスイッチに触れてしまい、動き出してしまった。


「スキャンチュウ、スキャンチュウ。ゲンゴキノウヲシュウフク・・・・・・修復完了しました」


オートマタはカタコトから急に流暢に喋り出す。


「私を起動したのは貴女でしょうか?」


「そうだよ?」


「かしこまりました。貴女をマスターとして登録致します」


「マスター?」


「はい、なんなりとご命令下さい」


「ほぉ〜〜!何が出来るのかな?」


「家事に戦闘、何でもでございます」


「家事と戦闘?」


「この様に腕を変化させ対応致します」


そのオートマタは両腕を、包丁やフライパンに変化させるだけでは無く、剣や斧、盾にも変化させる。


「これって絶対普通じゃないよね?」


「えぇ、オートマタは簡易的な命令しか出来ません。それに腕を変化させるなんて聞いた事もありません」


「なんかヤバい物、拾っちゃったかな?」


「イルシーナさんを主人とした訳だけど、前の持ち主とか聞けないのかな?」


「確かに・・・・・・ねぇ、私の前にマスターは居るの?」


「申し訳ございません、過去の記憶が一部消去されています」


「じゃあやっぱり、前の持ち主が居たっぽいね」


「こんなに凄い物を簡単に手放すでしょうか?」


「寿命で手放す他無かったとか?」


「それにしても川に流すのは良く分かんないけど」


「マスター、何か命令はございますか?」


「あーえっと、今は何も無いかな」


「かしこまりました。待機モードに移行します」


オートマタは瞼を閉じてしまった。


「とりあえず色々と調べてみないとね」


「それなら中に入れてから調べようか」


「えーっと、オートマタちゃん?」


「はいマスター、何か御用でしょうか?」


「家の中に入って貰って良い?」


「かしこまりました」


オートマタは命令を受けると、イルシーナさんの後に付いて家へと入って行くのであった。



次回に続きます。

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