突然の出会い
「暑い、あつ〜い!」
机に突っ伏しながら文句を言うイルシーナさん。
季節は夏に近付き、暑い日が続いている。
「我慢が足りません」
汗をかきつつもジッと耐えるメアリーさん。
「我慢しても良い事無いじゃん」
そんな言葉に言い返せない。
「海でも行こうか?」
俺は試しにそう呟いてみると、
「海!いいね、行こう行こう!」
元気いっぱい食い付いてくる。
そういう訳で後日、全員で海へとやって来た。
「海だー!ふぅー!」
バシャッ バシャッ
「軽く運動してから入ってくださーい」
子供達に混じって、オルフェさんやイルシーナさんもはしゃいでいる。
やって来たのは無人島で、他の人の目を気にせずに遊べる。
その為、シェリーが馬の姿でビーチを駆け回るなどシュールな光景も見られる。
「アリーもその水着似合ってるね」
「ふふ、ありがとうございます。今日の為に新調しました」
クロスデザインの黒のビキニで、大人な感じが出ている。
今回もオルフェさんが全員分の水着を作成した。
「ふはは、どうだ私の完璧なスタイルは!」
「はい、そこ風紀を乱さないで下さい」
ほぼヒモの水着を着ているグリート。
子供達の目に毒だが、遊んでいて見てないので問題は無いだろうと放置する。
「妾もそろそろ入ろうかの」
そう言って飛び上がったティーは、ドラゴン化して海へとダイブする。
バッシャーン
大きな波を立て、皆んながビーチに向かって流される。
「楽しい〜!」
「もっかいやって!」
子供達が楽しんでいる一方、
「ちょ、やばっ」
「誰かヘルプ!」
水着を流されるというベタな展開になったオルフェさんとイルシーナさんが、上半身を隠して助けを求めていた。
それから、サーフボードを作ってサーフィンを教えてみると、エレオノーラさんとリッヒさんがハマったりと皆んな楽しんでいた。
「ふぃ〜、満足満足!」
暑いと文句を垂れていたイルシーナさんも満足した事で帰ろうと準備をしていた時、
「あれなんですか?」
ヴネルさんが海の方を指差す。
そこを見てみると、何やら水中からブクブクと泡が出ていた。
泡はどんどん増えていき・・・・・・
ザッパーン!
波飛沫と共に現れたのは、2階建ての一軒家と同じ大きさの二枚貝だった。
するとその貝がゆっくりと開き始め、
「「こんにちはー!セイレーン5です!」」
赤・青・緑・紫・オレンジの尾を持った5人の女性の人魚が現れ、俺達は口を大きく開けポカーンとするのだった。