精霊王召喚
「我の登場である!」
精霊王から貰った白紙のチケット。
そこから現れたのは精霊王本人だった。
「久しいな、コタケよ」
「あっ、はい・・・」
「どうした?歯切れが悪いな」
「その驚いちゃって」
「やはり精霊王たる者、登場は派手にいこうと思ってな」
ちょっと話が噛み合っていない。
「ほぉ〜、これが本物の精霊王かの。初めて見たのじゃ」
「コレとは失礼であるぞ、龍王よ。いや、もう龍王では無かったか?」
「そうじゃ、龍王では無い」
「まぁ、良い。それよりもコタケよ、早く其方の家に案内するが良い」
「えっと、こっちです」
言われるがままに精霊王を家へと招く。
「ほぉ〜、ここが其方の家か」
「何も特別な物はありませんよ。他の人はリビングに居ると思います」
「うむ、案内せよ」
「あっ、ワタルさん。さっきユウキとリンが外に・・・その方は?」
リビングに入った瞬間、アリーが2人の様子を聞こうとして止めた。
「我は精霊王である」
「精霊王様・・・?」
アリーがこちらを見るので、本物だと頷く。
「其方はコタケの妻のアリシアだな」
「はい、そうです」
「ふむふむ、これからよろしく頼む」
「こちらこそお願いします?」
「其方はエレオノーラ、其方はリッヒ、其方はは・・・」
精霊王の態度に戸惑いが増しているが、俺もよく分かってないので確認する。
「精霊王、そろそろ経緯を聞いても良いですか?」
「常々、ヒルズばかり面白そうな事をしていてズルいと思っていてな、丁度良いタイミングで其方に双子が産まれると聞いて、折角なら契約をしてこちらの世界にやって来ようと思ったのだ」
「コタケ様、申し訳ございません。先にお伝えしたかったのですが、口止めをされていまして」
いつの間にかやって来ていたヒルズがそう言う。
「普通に来るのは駄目なんですか?」
「我も精霊王の立場があるから、おいそれとこちらの世界に干渉出来ない。だが、契約をすれば別だ。使役される立場になるから問題無いのだ」
「そう言うものなんですね」
「こちらの理の話だから、其方らはそう深く考えずとも良い」
「あのチケットが触媒じゃな」
「我を呼び出せる者など通常はおらんからな、少しサポートしたのだ。其方らが力を欲した時に発動する様にした」
「ユウキとリンの力になってくれるのでしょうか?」
「その通りだ。光栄に思うのだ」
「精霊王と契約だなんて聞いた事がないぞ」
エレオノーラさんは驚いている。
「精霊王だったら、すんごい事出来るんだよねー?」
オルフェさんが言うと、精霊王は鼻で笑う。
「ふっ、我を誰だと思っている。まずは、魔法は全ての属性が使える様になる」
「4つの属性も使える様になるとは凄いですね」
ヴネルさんがそう言うと、
「何を勘違いしている。全ての属性とは闇も光もだ」
「すごっ・・・いいなぁ」
精霊王の言葉に羨ましそうにする。
「まだあるぞ。当然ながら転移も使用可能となる。そして、我のオリジナルの魔法が使える」
「どういう魔法ですか?」
「見せた方が早いな」
そう言って窓に向かって手を向けると、外の庭に雷が落ちるのだった。
「これが紫電と言う雷魔法だ」
「すごっ、こんなの初めて見た」
イルシーナさんが言うには、魔法に長けた魔女でもこんな魔法を使う人はいないそうだ。
「今ならこの3つの能力がセットで付いてお得だ」
精霊王は通販番組の様な事を言う。
「ただし、我は適性を与えるのみだ」
「と言うと?」
「其方の子に6属性の適性と雷魔法の適性を与える。魔法を使う時は自身の魔力を使わなければならないから、鍛錬を怠れば宝の持ち腐れとなる」
俺の場合は精霊魔法で魔力を気にせず使い放題だが、子供達は自分の魔力量を上げていかないと、まともに使えない様になる。
「むしろ、この子達の為ならその方が良いと思います」
「流石に転移魔法に関しては別だがな。それに、魔力量を増やす為の手助けも少しはするつもりだ」
精霊王なりに色々と考えてくれている様だ。
「そう言うわけだ!2人とも、これから精進するように!」
そう言いながら双子の方を向くが、アンさんとリビアさんの膝の上で眠っていた。
「はっはっはっ、我の目の前で眠るとは将来有望であるな」
起きて話を聞いていたとしても、まだ理解は出来ないだろうが。
「さて、では我は帰るとしよう」
「あれ?帰るんですか?」
「我は王ぞ。他にもやる事があるんだ」
それもそうかと納得する。
「もし、我の力が必要となれば名を呼ぶと良い。その子らはまだしっかりと話せないだろうから、しばらくはコタケの呼び掛けに応じる事とする。分かったか?」
「分かりました」
「では、さらばだ!」
そう言って、嵐のように来て嵐のように去って行ったのだった。




