【番外編】我が家の節分
今年の節分が2月2日とは数日前まで知りませんでした・・・2月3日と思い込んでましたね。
調べたら4年前も2月2日だったそうで全然記憶に無かったです。
その時は124年ぶりだったとかで驚きですね。
「じゃあ、皆んな静かに食べるように」
「「はーい」」
我が家の季節行事の1つ節分。
前世と同じ様に恵方巻きを作り、黙々と食べる。
「ふー、美味しかったー」
イルシーナさんが1番に食べ終えて喋り始める。
「メアリーちゃん、美味しいよね〜?」
「・・・」
「ね〜?」
「・・・」
メアリーさんは妨害に反応せずに黙って食べ続ける。
次いで、ティー、メアさん、エレオノーラさんと食べ終えていく。
「コタケさんの国には色んな行事があるんですね」
ヴネルさんとメアさんは、今回が初参加となる。
「この後も、まだイベントは続きますよ」
そうして、皆んなが食べ終わったのを見計らい、用意していた豆を持って来る。
「せーの・・・」
「「福は内ー!」」
「「鬼も内ー!」」
そんな我が家ならではの豆まきをする。
当初は鬼は外と言っていたが、この世界の鬼であるレンダさんが暮らす様になってからは、鬼も内に変わったのだ。
「本来の形とは違うけど、豆を撒いた後は歳の数だけ豆を食べるんですよ」
「へ〜、あれっ?ティーフェンさんは凄い事になりません?」
「そんなに食べる訳ないじゃろうが。まぁ、ドラゴンの姿で食えばいけん事ないがの」
ヴネルさんの疑問にそう返す。
「流石にそんなに豆は用意できないけどね。それに、今回はまだ食べる物があるから皆んな程々に」
年齢分を食べれる人その分だけ食べた。
そして今回は、アンさん達にもう1つデザートとして、ロールケーキを作って貰った。
豆だけでは物足りないので、第二の恵方巻きとしてロールケーキを選んでみた。
「これも黙って食べるんですか?」
「流石にそこまでしなくて良いよ」
恵方巻きの様に1人1本という訳にもいかず、切り分けて食べる事とする。
「「美味しい」」
「色々な味を用意しましたので、お好きなように」
生クリームにチョコ、紅茶味に加えて豆を使用した甘じょっぱい系の塩豆ロールケーキなんて物も作って貰った。
2人が作った事もあり、どれも美味しい仕上がりだった。
「食った、食った〜」
「ママ、おっさんっぽいー」
満足そうな顔でソファに座るオルフェさんを見たベルがそう言う。
「ところで、皆さんは恵方巻きを食べた際にどの様な願い事を?」
アリーがそんな話をする。
「私は商売繁盛!」
「イケメンな相手が見つかります様に!」
オルフェさんとシェリーがそう言う。
「初参加のお二人は?」
「私は強くなりたいです」
ヴネルさんの願いらしい。
「私は皆様の健康ですね」
メアさんは意外にもそんなお願いだそうだ。
「てっきり、エレオノーラとのあれやこれやかと」
アリーの言葉に皆んな頷いている。
「それも考えはしたのですが、私自身の力でやりたかったので」
「なるほど。そう言う事でしたら、私も出来る範囲の協力は惜しみませんよ」
「えぇ、心強いです!」
アリーとメアさんは固い握手を交わす。
「本人の前で何をやっているのか・・・」
呆れ顔をするエレオノーラさん。
そんな彼女も皆んなの健康を願ってくれたそうで、意図せず同じ願いを思っていた2人に、周りはヒューヒューと囃し立て、賑やかな節分となるのだった。