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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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ハプニング

お風呂を完成させ夕食を終えた後、俺が1番風呂を貰うことになった。

桶でお湯をすくい軽く体を流したところで早速お風呂に浸かった。


「ふぅ〜ゆったりできて気持ちいなぁ〜」


久々のお風呂は温かく、とても気持ちよかった。


「なんで今まで作ろうと思わなかったのかが不思議なくらいだな。まぁこっちの世界に来てから色々とありすぎて、考える暇もなかったけど」


湯船に浸かってリラックスしながら今までの事を思い返していると、ふと入口の方からガチャという音がして、ペタペタと風呂場を歩く音が聞こえた。

何事かと思い後ろ振り返ってみると、そこにはタオルで体を隠したアリーがいた。


「なにしてるの!?」


「あの、私もご一緒してもよろしいですか?」


「いいけど・・・」


流石にここまで来ててダメと言うのは申し訳なかったので、ついOKしてしまった。

アリーはそのままゆっくりと湯船に入り俺の横に座った。


「あの、ワタルさん。改めていつも私たちの為に色々な事をしてくださって、ありがとうございます」


「急にどうしたの?」


「その、いつも良くして下さって頂いているので改めてお礼を伝えたかったんです・・・」


「俺がやりたくてやってる事だから良いんだよ。それにアリー達が居てくれると俺も退屈することが無いから、こちらこそありがとう」


「そう言って貰えると嬉しいです」


「ところで、なんで急にお風呂に入ってきたの?」


「それは・・・エレオノーラと龍王様にこうすれば殿方は喜ぶと言われまして・・・」


どうやらあの2人に唆されたようだった。


「そんな無理しなくて大丈夫だよ」


「いえ、喜んで貰えるならこれくらい大丈夫です!」


と言っていたが、流石に恥ずかしいのかあまり目を合わせてくれない。

かくいう俺も流石に直視できないので目を逸らしていた。


「そろそろ、体でも洗って上がろうかな」


「でしたら、私がワタルさんの体を洗います!」


「いや、それは流石に・・・」


「だ、大丈夫です。任せてください!」


アリーの押しに負けて結局、体を洗って貰うことになった。


街に出かけた際に石鹸やタオルなど必要な物は購入していたので、アリーはそれらを使い俺の背中を洗い始めた。


「いつも守って貰っている方の背中を洗うというのは、なかなかに嬉しいものですね。ワタルさんもどうですか?力加減は強く無いですか?」


「ちょうど良くて気持ちいよ。これエレオノーラさんにもやってあげたら喜ぶんじないかな?」


「ふふ、それは名案ですね!今度一緒に入った時にやってみようと思います」


しばらく体の後ろを洗って貰った所で、


「では、そろそろ前の方を・・・」


と言い出したので、


「ちょっと待った!前は自分で洗うから大丈夫だよ!」


俺は焦ってそれを止めた。


「しかし、それでは・・・」


「いや、本当に大丈夫だから!アリーの気持ちは十分伝わったから」


「そうおっしゃるのであれば、終わるまでお待ちしております」


なんとか前は自分で洗うことができた。

体を洗い石鹸を洗い流し終えた所で、


「それでは、上がりましょうか」


「まだアリーは体洗ってないよね?」


「私はまた後ほど入りますので」


「せっかくだし、俺が背中洗ってあげるよ」


「それは・・・」


アリーは少し悩んだ後、


「では、ぜひお願いします」


そういうと、アリーは体に巻いていたタオルをとり、椅子に座った。

先程までは見えていなかった素肌を見て、提案したのが少し恥ずかしくなった。


「どう?痛くない?」


「はい、大丈夫です」


アリーの肌を傷つけないように優しくタオルで背中を洗ってあげた。


「では、そろそろ前を洗いますので、少し目を瞑って頂いてもよろしいですか?」


「うんそうだね、ついでに後ろ向いておくよ」


そう言い、俺は目を瞑って間違えてもアリーの体を見ないように後ろを向いた。


しばらくすると、タオルで体を洗う音がしなくなり、3度ほどお湯で体を流す音が聞こえてきた。


「もう、こちらを向いて頂いても大丈夫ですよ」


振り返ると、先程までの通りにタオルを巻いたアリーが立っていた。


「じゃあ、そろそろ上がろうか」


「そうしましょう」


時間も経ったので風呂場から出ようとドアに向かっていると、前を歩いていたアリーが足を滑らせてしまった。


「きゃっ!」


「危ない!」


間一髪でありの手をとり転倒するのを防ぐことができた。

しかし、手を取った瞬間、アリーが体に巻いていたタオルがはらりと落ちてしまい、アリーの裸を見てしまった。


俺は思わず、


「あっ!」


と言って、すぐさま視線を逸らした。

アリーはすぐさまタオルを巻いた。


「あの、見ましたか?」


「ミテナイヨ・・・」


アリーは顔が真っ赤になり、


「失礼します」


と言い、足早に風呂場から去っていった。

俺はしばらく、風呂場にしゃがみ込んでいた。


アリーが着替えて出て行ったのを確認し俺も風呂から出て、家へと向かった。


リビングには何やらニヤついている、エレオノーラさんとティーがいた。


「コタケ殿、お嬢様に洗ってもらってどうだった?」


「よかったよ・・・」


「何もしとらんのか〜?」


「体洗う以外、何もしてないよ!」


裸は見てしまったが、それ以上の事はしてないので、嘘はついていない。


「お嬢様が顔を真っ赤にして、すぐに部屋に戻られたんだが、本当に何もしてないのか?」


アリーは、この2人に先程の出来事を言ってはいないみたいだ。


「本当に何もなかったから!」


俺も先程の事は言わずにおく事にした。

これ以上質問されるとボロが出そうなので、俺もそそくさと自分の部屋へと戻った。


「はぁ〜、明日からどんな顔して会えば良いんだ・・・」


今日の事を気にしてたら、アリーも恥ずかしがるはずなので、出来るだけ忘れる様にする事にしたが、何度も思い出してしまって、その日はなかなか寝付けなかった。














累計6000PVいきました!

ありがとうございます!

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