表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

295/533

ルインの怖い話

今回、短めのお話です。

「あれは暑い日の夜の事でした」


家の明かりを消し、1本のロウソクを立ててルインが語り始める。


「深夜2時くらいでしょうか。私は既に幽霊になっていた時で、やる事もないし暇だなぁと街中で姿を現しながらフワフワと徘徊していました」


普通の人が見たら、それが既に怖い話だろう。


「住民が寝静まり、シーンとした街中を徘徊するのは楽しかったです。しかしそんな時、ペタペタと私の後ろを誰かが歩いている音がしたのです」


「さっきまで周りには誰も居なかったのにする足音に、怖いなぁと思いつつ、私は意を決して振り返って見る事にしました」


ゴクリと固唾を飲む。


「バッと一気に振り返った先には・・・何もいなかったのです」


皆んな、ホッとする。


「それで、私は気のせいだったのかなと思い再び進み初めました。しかし、私が進み始めるとまたペタペタと後ろを付いて来る音が聞こえたのです」


「逃げようと進む速度を上げました。でも、後ろの足音もペタペタペタペタと速度を上げて来たのです」


「「ひぃぃ」」


「そして、私はもう一度振り返ってみるのです!すると、そこに居たのは・・・首から上が無くなったスッポンポンの男の体が歩いていたんです!」


「「ん?」」


「怖くないですか!?頭が無いスッポンポンの男ですよ!」


「あれ?今日はゾッとする様な怖い話をしてくれるんだよね?」


俺はルインに聞いてみる。


「今してるじゃないですか?私なんて、男の人の体を見るのがそれが初めてだったんですよ!本当にゾッとしましたよ。でも、私は覚悟を決めてその体に話しかけてみたんですよ」


「頭が無いのに聞き取れる物なのでしょうか?」


「それが驚く事に何故か言葉が聞こえるみたいなんですよ。でも、喋る事は出来ないので地面に文字を書いて意思疎通をしてきたんです」


「目も無いのに芸達者な奴じゃな」


「それで、貴方は誰なんですかって聞いたら、生前斬首刑に処せられて未練が残ってデュラハンとして彷徨ってたみたいなんです」


「魔物にも馬に跨った首無しの騎士のデュラハンが存在しているが」


「その体は幽霊だったので魔物ではないですね。私はどうして斬首刑になったのか聞いたら、なんて答えたと思います?」


「殺人とかですかね?基本は大罪を犯した者が受ける刑ですから」


アリーがそう言うと、


「なんとですね!夜な夜な女性に背後から抱きついたりといった行為を繰り返し行ってたからだそうなんです!」


「「えぇ・・・」」


「聞けば何百回も逮捕をされたそうで、国も面倒になって処刑したのだとか」


「とんでもない変態だったていうこと?」


「そうなんですよ!想像に容易いと思いますが、未練と言うのもまだまだ抱きつき足りないとかそんな理由で、私の後をついて来た理由も女性の姿が見えたからなんですって!」


「ルインも危なかったんじゃないの?」


「私も幽霊なのに身の危険を感じましたからね。それを聞いた瞬間に姿を消して逃げ出しましたよ」


「世の中にはそんな変態幽霊もいるんだね」


「でも、そんなのが居ると思うと夜の街に出歩けませんね」


とリビアさんが言うと、


「そこは大丈夫です!」


ルインは自信満々にそう言う。


「何故なら、翌日に教会に変態幽霊が居たと置き手紙を残したんです。そしたら、その日の夜に教会の人達が除霊に動いて、しっかりと除霊された瞬間もこの目で確かめましたから!」


「同じ幽霊なのに容赦無いんじゃな」


「たとえ同族でも、あんな変態は女の敵なので生かして?おく必要もありません!それが私の1番の恐怖体験でした!」


皆んなパチパチと手を叩くが、少し暑くなって来た日々に怖い話で皆んなを涼ませようという俺の考えが、変態幽霊のせいで打ち砕かれるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ