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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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精霊王の依頼

「コタケ様、少し宜しいでしょうか?」


ヒルズが話し掛けて来る。


「どうかしたの?」


「お願い事がございまして」


「珍しいね?何でも言ってよ」


普段ヒルズからお願いされる事は無いので、少し驚きつつも内容聞いてみる。


「実は精霊王から依頼を受けまして、連絡が取れなくなった精霊を一緒に探して欲しいのです」


「精霊探し?」


「はい、とある精霊が人間の呼び出しに応えて召喚されたのですが、それ以降連絡が取れなくなってしまい王は心配されているのです」


「確かにそれは心配だね。でも、どうして俺に?」


「その精霊が召喚された場所と言うのが、この森だったそうなんです」


「なるほど・・・それなら俺も協力させて貰うよ」


「ありがとうございます」


「ひとまず、家で精霊を見た人が居ないか確認してみよう」


そう言う訳で、全員に聞いて回ったのだが誰一人として見た人は居なかった。


「うーん、この家の周辺にはいないって事かな?」


「エムネス様にも確認してみましょう」


ドリアードのエムネスさんの元へと向かうが、


「私も見ていないな」


「そうでしたか・・・」


残念ながら手掛かりは無かった。


「私も少し調べてみるから待ってくれ」


エムネスさんはそう言うと、目を瞑って何かに集中した。


「うーん・・・やはり居ないな」


「今、何をしたんですか?」


「この森の木々と共鳴して、精霊らしき姿を探そうとしたのだが駄目だった」


流石、木の精霊だ。

そんな事も出来るのかと感心する。


「私が見つける事が出来ないという事は、建物の中や地下などの地上にはいないという事だろう。力になれずすまない」


「いえ、それが分かっただけでも大助かりです」


ヒルズは礼を述べ、行き先の候補を決めて進み始める。

そうして、次にやって来たのはホープのダンジョンである。


「アンタ、またやって来たの?」


「何回もごめんね」


俺の姿を見てそう言ったホープに思わず謝る。


「もしかして、またクッキーでも持って来てくれたのかしら?しょうがないから受け取ってあげるわ!」


少し期待した表情でそんな事を言っており、どうやらあの2人のお菓子にハマってしまった様だ。


「ごめん、今日は持って来てないんだ。次は持って来るよ」


「あっそ。それじゃあ、今日は何をしに来たのよ?」


「用事があるのは俺じゃなくて、ヒルズなんだ」


と俺の後ろに隠れていたヒルズが姿を現す。


「げっ!精霊が何の用よ」


「貴女に頼るのはアレですが、四の五の言っていられませんので」


「相変わらず腹の立つ奴ね」


2人の間にバチバチと火花が散っている様に見える。


「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。ヒルズも早く見つけてあげたいでしょ?」


「そうですね。では、貴女に聞きますが最近この付近で精霊を見ませんでしたか?」


「精霊?そんなもの見てないわよ」


「本当ですか?」


「あったりまえじゃない!そもそも、精霊なんて見掛けたら速攻で攻撃してやるわよ」


それはどうなんだろうと思いつつ、今回は成果は無さそうだった。


「もし、見かけたらヒルズが探していたと伝えて下さい」


「気が向いたらねぇ〜」


2人は最後までバチバチとやり合っていた。


「コタケ様、他に何処か宛てはありますか?」


「うーん、そうだなぁ・・・クイーンアントが居る巣とか?」


「では、そこに行ってみましょう」


我が家の庭にある、アリ達の通路を通り女王の元へと向かったのだが、巣の中や森の中で精霊を見たという情報は無かった。


「手詰まりですね・・・」


「他に考えられる所は・・・」


「私達の知らない洞窟などがあるのでしょうか?」


他の場所を考えていると、ヒルズの言葉で1つの場所を思いつく。


「聖剣が封印されてた場所も、ちょっとした洞窟になってたけど、どうかな?」


「確かにそうでしたね。最後の望みを掛けてそこに行きましょう」


そういうわけで、聖剣アルタドゥインが封印されていた場所へと久々にやって来た。


「どう?居そうな感じする?」


「ちょっと待って下さい」


ヒルズが精霊の気配を感じられないか集中する。


「微かにですが、精霊の気配がします」


「それじゃあ、やっぱりここにいるの?」


「その筈なんですが・・・」


一応聖剣のあった1番奥までやって来ているのだが、道中でも姿を見かけていないのだ。


「やっぱりここには居ないのかな?」


俺はそう言いつつ近くの壁に寄り掛かった。

すると、その壁からカチッという音が聞こえゴゴゴゴと動き出したのだった。


「もしかして、マズイ物押しちゃった?」


「いつでも逃げれるようにしておいて下さい」


壁の向こうから何かが出て来る事も予想して逃げる態勢を取っていたのだが、実際に現れたのは下へと続いている階段だった。


「こんな物が隠されてたのか」


「もしかすると、この先に居るかもしれませんね」


「何があるか分からないし、気を付けて」


「はい」


螺旋状に続く階段を1周、2周、3周して降りて行くと、上階と同じ青白く光る水晶が散りばめられた大きな空間が現れ、そこに整備された道や花壇、一階建ての家が建っていた。


「家?」


「しかも、生活感がありますね」


家の外壁などに汚れや崩れは無く、花壇の花も元気に咲いており人がいる雰囲気があるのだ。


「あの中に居るのかな?」


「何者かに捕えられているかもしれません。警戒を」


ヒルズの言葉に恐る恐る、家に近づいて行くとガチャっと玄関が開き、中からヒルズと同じ大きさたで羽を生やした茶髪の男の精霊が現れ、


「見つけました!」


とヒルズが言うのだった。


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