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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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相談

「よぉ、友よ!なかなかに早い再開だな!」


「わぁ!本当に幽霊がいっぱいです」


今日は以前、砂漠に隠されていた墓で偶然出会ったミイラのアシュットの元へと、ルインを連れてやって来ていた。


「おう、そっちの半透明の嬢ちゃんがお前さん達と一緒に住んでるって言う幽霊か」


「ルインって言います」


「是非とも我が民達と仲良くしてくれ」


「はい!知り合いが一気に増えました!」


ここには総勢200名の幽霊がいるらしいので、ルインもはしゃいでいる。


「それで、今日はどうしたんだ?」


「この場所の話をしたらルインが来たがったので連れて来たんです。なので、これと言った用事は無いんです」


「なんだそうだったのか。まぁ、用事が無くてもどんどん来て貰って構わないがな!はっはっはっ」


「あれー!?貴方、何処かで会いませんでしたか?」


アシュットと話をしていると、ルインが急にそんな事を言った。


「あー、やっぱりそうですよね。その時はお世話になりました」


知り合いだったのか何やら親しい様子で話している。


「ルインの知ってる人が居たの?」


「そーなんですよ!以前、悪徳貴族をとっちめた時に会った方が居たんです!あっ、この話は内緒でした」


以前そんな話をしていた様な気がする。


「そう言えば、ここにいる幽霊の人達って自由に動けるんですか?」


「おう、そうだ。たまに旅に出る奴もいるんだが、皆んなここに戻って来るんだ。だがら、嬢ちゃんと知り合いが居ても不思議じゃねぇな」


「意外と自由に暮らしてるんですね」


「死んでるからな!」


笑いながらそう言う。


「あっ、でも悪い事はしてねぇから安心してくれよ」


「私もここにいる幽霊は良い幽霊だと思います!」


「う、うんそっか・・・」


良い幽霊とは何を指すかは分からないが、悪い事をしてないなら問題無いだろう。


「そうだ、友よ。寄ったついでに知恵を貸して欲しいのだが?」


「知恵ですか?」


「実は新しいトラップを作ろうと思うんだが、良い案が思いつかなくてな」


「今のままでも十分だとは思いますけど、特に大きい石に追い掛けられる所とか」


「念には念を入れておきたくてな」


「それなら迷路とかどうですか!」


ルインが提案する。


「迷路か・・・悪くは無いが些か物足りないな」


「正解の扉を引き続けないと前に進めないとか?」


俺は言ってみる。


「うーん、それも良さそうだな・・・いっその事、2つをくっつけるのも手だな」


「迷路を進みつつ、正解の扉を引かないと駄目って感じですね?」


「間違えた扉を引いたら、どうするんですか?」


「一からやり直しだな」


「そこはきちんとしてるんですね」


「クリア出来ないと公平性が無いからな」


「そもそも、そのトラップを抜ける必要ってあるんですか?」


ルインはそう聞いた。

確かにここは墓で、ダンジョンでは無いのでメリットは無さそうに思える。


「最後まで辿り着いた者には報酬があるぞ」


「そうなんですか?」


「折角だから見せてやろう!」


アシュットの後をついて行き、墓の奥へと進むと一際大きな棺が2つ現れた。


「これは?」


「俺の本来の墓と妻の墓だ」


「結婚してたんですか?」


「おう!国、1番の美女だった!」


「幽霊さんの反応聞くと本当にそうらしいですね」


ルインがふむふむと言いながら言った。


「ちょっと顔が良くて、頭が良くて、王族だからって俺達の心のオアシスをー!俺の妻なんかは、うぅっ!って皆さん言ってますね」


「はっはっはっ、そう褒めるでない」


「褒めてない!羨ましい!などなど皆さん連発中です」


「はっはっはー」


王と民の間ながらに仲が良さそうだ。


「ちなみに、幽霊の中に奥さんは・・・」


「残念ながら居ない。いや、残念かどうかは微妙だな。死後も2人で楽しく暮らす事も出来ただろうが、あの世でゆっくりしていて欲しいという願いもあるからな、難しいところだ」


少し物悲しそうな表情でそう言った。


「辛い事を思い出させてしまったみたいで、すみません」


「構わんさ!こうして、元気な民達もいる事だしな!」


幽霊に元気かどうかがあるのかは分からないが、気にした様子は無さそうだった。


「さて、話が逸れてしまったな。改めて、この棺の中にあるのが全てを潜り抜けた報酬だ」


そう言って蓋を開けると、中には松明の光を受けてキラキラと輝く黄金の財宝が敷き詰められていた。


「うわぁー!凄いですー!」


「俺達の国じゃ、王族を弔う時に一緒に財宝も入れて置くんだ」


「それでこんなに沢山」


「どうだ?これなら嬉しいだろ?」


「ダンジョンを攻略するよりも良いかもしれないですね」


「まっ、俺達としては墓を荒らされたくないから、あんなトラップを作ってるんだがな」


「なんか矛盾してるというか何というか」


「確かにな、それなら初めから人を入れるなって話だ!」


豪快に笑いながらそう言った。


「俺達の暇つぶしみたいなもんだ」


「死んだら時間は無限ですからね!」


「嬢ちゃんの言う通りだ!」


お互いに頷き合っている。


「おっと、今思えばお前達も一度はクリアしている訳だから、財宝をあげた方が良いな」


そんな提案をしてくる。


「いやいや、大丈夫ですよ。お金には困ってないですし、前回貰った黄金の仮面もありますし」


「あの仮面は合鍵的な意味で渡しただけだからなぁ、報酬ではないんだが」


「本当に大丈夫ですから」


「うむ、そうか。まぁ、気が変わったらいつでも言ってくれ!」


気前よく言う。


「さてと、それじゃあ新トラップの相談の続きといこうか!」


その後も色んなトラップの案を出して、作り終えたら是非試して欲しいと言われるのだった。

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