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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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仲良し大作戦

「ほんと、これだから精霊って奴は!」


「妖精にその様な事は言われたくありません」


「ふんっ!」


今、俺の目の前ではヒルズとホープによる口喧嘩がダンジョン内で繰り広げられている。


「2人とも、もう少し仲良く出来ない?」


「無理!」


「妖精と分かり合う事は出来ません」


2人とも無理だと言う。

妖精はレアな精霊と間違えられて捕まえられてしまう事が良くあり、その影響で精霊に突っかかって来て精霊と妖精は仲が悪いのだが、それなりに会う仲なので少しは仲良くして欲しいのだが・・・


と思っていると1つの案を思いつく。


「そうだ!2人とも一旦家まで付いて来て」


そう言い、ホープのダンジョンから家へと場所を移す。


「何をするのでしょうか?」


「今から、ヒルズとホープの仲良し大作戦を始めまーす」


俺がそう言うと、2人は微妙な顔をする。


「なによそれ?」


「2人に仲良くなって貰う為に、色んな事に協力して挑戦してもらおうかなって」


「そんなの必要ないわよ」


「その意見には同意します」


「まぁまぁ、そう言わずにちょっとだけやってみようよ」


「ちぇっ、仕方ないわね」


「やるだけやりますが、恐らく分かり合えないと思いますよ」


文句は言いつつも、何とかやってくれる事になった。

さっそく始めようとすると、


「面白そうな話が聞こえたんだけど〜?」


オルフェさんがそう言い、他の人達がわらわらと集まって来た。


「こんなに人がいたら、やりにくいわね」


「皆んなにも協力して貰うって事で」


何をしようとしているかを説明し、気を取り直して開始する。


「それじゃあ、最初はお互いの良いところを言うっていうのはどうかな?」


俺はそう提案する。


「はぁ〜?なによそれ」


「良い所なんてあるんですかね?」


「失礼な精霊ね」


そう言いつつも、2人は考える。


「では、私からいきます」


ヒルズが手を上げる。


「1つは錬金術を使える所でしょうか。人間でも使える方は僅かですので、見よう見まねでやったら出来たと言うのは凄いと思います。あとは・・・無いですね」


「何よ、1個だけ!?」


「考えてみましたが、それくらいだと思います。そう言う貴女は何か思いついたのですか?」


「無いわ!」


「はぁ、結局片方がやる気が無かったら意味が無いんですよ」


「う、うーん。ホープ、何か思い付かないの?」


「そうは言っても精霊なんて大概何でも出来るじゃない」


「別に何でもは出来ませんが」


「妖精よりも有能なんでしょ?なら、それで良いじゃない」


「じゃあ、大抵の事は出来るっていうので良いのかな?」


「それでいいわよ」


と最初の作戦は失敗に終わった。


「それじゃあ次は・・・」


「アーンすれば良い思うよ!」


俺が考えていると、ベルがいきなりそう言った。


「エレオノーラお姉ちゃんも、メアお姉ちゃんにアーンされて喜んでたもん」


「そ、そんな事はないぞ」


エレオノーラさんは慌ててそう言うが、嫌がってはいなかった筈だ。


「でも、それって仲が良いからな訳でしょ?」


「そうです。特に仲の良いわけでもない私達がやっても意味は無いと思いますが」


「そう言わずに試しにね」


促して、前日にアンさん達が作ったケーキが残っていたのでそれをお互いにアーンする。


「どう?」


「何も感じません」


「私も何とも思わないわ」


「動物に餌をあげている気分です」


「ひどいわね!」


「うーん、これも効果なしか」


「もう少し続けてみてはどうでしょうか?」


リッヒさんの提案に続けて貰うが、やはり何とも思わないらしい。


「お腹がいっぱいになってきました・・・」


「なによ、これくらいの量でだらしないわね」


「元々、精霊は食事をあまり必要としないので、沢山食べられな・・・むぐっ!」


ヒルズが説明している途中、ホープがケーキを無理やり口に突っ込んだのだった。


「いきなり、何をするんですか!」


「ふふ、してやったわ!」


「この・・・」


「悔しかったら、やり返してみなさ・・・うぐっ!」


今度はヒルズがホープの口の中に無理やりケーキを突っ込んだ。


「やったわね・・・」


お互いにフォークを構え、応酬が続くのだった。


「はぁはぁ」


「はぁはぁ」


「2人とも落ち着いた?」


「は、はい」


「もう、いいわ」


何とか落ち着いてくれたが、2つ目の作戦も失敗だった。


「じゃあ次は・・・」


「まだやるんですか・・・」


「これくらいで根を上げるなんて、弱っちい精霊ね」


とホープに言われて、ヒルズはムッとした表情になり、


「良いですよ、受けてたとうではありませんか!」


何だか、仲良くなる作戦の筈がお互いに戦う事になってきているので、何とか軌道を修正しなければと思う。


「そうです!私が問題を出題するので、それを2人で考えて答えると言うのはどうでしょうか?」


アリーがそう言い、その案を採用する。


「それでは、問題を出していきますね」


アリーは2人に対して問題を出していくのだったが・・・


「ちょっと、あんた!手加減しなさいよ」


「手加減って、協力しているのですから別に良いでしょう」


「あんた、さっきから即答じゃない!」


ホープがそう言う様に、本来なら2人で答えを考える筈がヒルズが速攻で答えて正解してしまうのだ。


「えっと、では次の問題にいきますね」


引き続き問題を出していくが、結局ヒルズがすぐに解答してしまうのだった。


その後も、色々な作戦を考えるが結局どれもこれも失敗に終わった。


「はぁ〜、どっと疲れたわ」


「やはり、妖精とは分かり合えない様ですね」


「それはこっちのセリフよ!」


お互いに見合い、ふんっとそっぽを向く。

今よりも、もう少し仲が深まるかと思ったが、思うようにはいかず、2人が仲良くするにはまだまだ時間が掛かりそうだった。


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