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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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最強決定戦③

ベルがスライムの山に満足した事で、2回目の準決勝が始まる。


「次はエレオノーラ選手対メアリー選手です。どうぞ〜」


2人が前に出て来る。


「よろしく頼む」


「こちらこそ、よろしくお願いします。ところで、その手に持ってる剣はいつもと違う物に見えるのですが?」


「あぁ、そうだ。よく気が付いたな」


メアリーさんの言葉を聞いて剣を見るが、剣身と柄は銀色で装飾も付いていない普段と変わらない見た目の剣にしか見えなかったが違うらしい。


「何か秘密がありそうですね・・・」


「さて、どうだろうな?」


当然、エレオノーラさんは簡単には教えてくれない。


「用意は良い?」


2人は頷き、


「それじゃあ・・・始め」


戦いが始まる。


エレオノーラさんは剣を構え、メアリーさんは5本の血の槍を宙に浮かせて、お互いに見合っている。

ジリジリと動きながら、初めにエレオノーラさんが飛び出す。


メアリーさんは、向かって来るエレオノーラさんに槍を飛ばすが全て撃ち落とされ、すぐに槍を自身の元に戻して、エレオノーラさんからの攻撃に備えてシールドへと変化させる。


レンダさんの拳をも止めた硬いシールドに、エレオノーラさんは躊躇いもなく剣を振るう。


その剣が弾かれてカキンと言う音がするかと思いきや・・・


剣はスッとシールドをすり抜けたのだった。


「なっ!?」


驚きの表情と声を上げたメアリーさんは、慌てて後ろへと下がり剣を避ける。


「それは・・・?」


明らかに何かがある剣だが、どういった物かまではまだ分からない様だ。


「どうした?来ないなら、こちらから行くぞ」


再びエレオノーラさんは詰め寄り、メアリーさんはシールドを展開する。

やはり、剣はスッと通り抜けた。


メアリーさんはまた避けるかと思いきや、致命傷にならない程度に僅かにその場からズレて攻撃を受けたのだった。

シールドをすり抜けた筈の剣は、メアリーさんの左腕を擦り血が少しだけ流れる。


そして、エレオノーラさんから流れる様に追撃が来るが、今度は避けて対応する。


「その剣は物質を透過するのでしょうか?」


「ほう?そう思うか?」


「恐らく、使用者の意思で透過出来るのでしょうね」


「それで、どう対応するんだ?」


「難しいですが・・・こうする他は無いでしょう!」


メアリーさんはシールドを槍へと戻して攻撃に転じる。

物質を透過するなら、無視出来ないように攻撃をすれば良いと考えたようだ。

実際に、エレオノーラさんは槍を弾いて処理している。


しかしそれでも、エレオノーラさんは槍を処理すると共に近付いて来る。


「くっ!」


守った所で意味が無いと考えたメアリーさんは、槍を剣に変えて近接戦で対応する。


キンキン キンキン


剣の扱いはエレオノーラさんの方が上手い様で、致命傷は避けているがメアリーさんに傷が増えていく。


しかし、エレオノーラさんも攻撃を当てる為に剣を透過させる事を優先させている時もあり、メアリーさんからの攻撃を受けて傷が出来ている。


「ハァハァ」


「ハァハァ」


激しい打ち合いにお互いに息も切れ始めてきた。


「なかなかに厄介な剣ですが・・・私がヴァンパイアである事をお忘れなきよう」


その言葉にエレオノーラさんは首を傾げるが、メアリーさんの次の行動でそれを理解した。


メアリーさんは槍の1本を液状にし、それを飲んだのだった。

すると、傷がたちまち塞がっていき息も整い、戦闘開始前と同じ状態となる。


「それは・・・反則級だろ」


エレオノーラさんは笑いながら、そう言うが当然メアリーさん自身の能力なので問題は無い。


しかし、回復をした分の槍は無くなるという欠点もあった。


「ならば、同じ事を繰り返すだけだな!」


エレオノーラさんはそう言い、再び攻撃を開始する。

そうして激しい攻防は続き、メアリーさんの槍は1本、2本と回復の為にどんどん使われていき、残す所あと1本となった所で、


「しゅうりょー!」


「勝者、メアリー」


時間切れとなり、回復して傷の無かったメアリーさんの勝利となった。


「くそー!負けたー!」


戦いが終わるや否やバタンと倒れ込むエレオノーラさん。

アリーが急いで向かい回復魔法を掛けて、傷を癒していく。


「あと1本だったんだがな」


「回復が無ければ私の負けになる所でした」


「それもメアリーの力だからな、言う事はあるまい」


致命傷となる攻撃をお互いに避けていたとは言え、30分間も回復無しで耐えたエレオノーラさんは流石としか言いようがない。


「ちなみに、その剣はやはりダンジョンで手に入れた物なのでしょうか?」


「あぁ、そうだ。意外と使いこなすのも大変でな、言っていた通り物質を透過する能力を使用者が自在に操れる剣なのだが、メアリーのシールドをすり抜けた後に透過を解除して攻撃を与えただろう?その後にメアリーはすぐに避けたが、あの瞬間にもう一度透過させないとシールドにハマって抜けずに持って行かれてしまう所だったんだ」


「なるほど、確かにそうなってしまいますね」


「そのタイミングが絶妙に難しくて使いにくいんだ」


「慣れれば防御をいとも容易く無視出来ますけどね」


「そこが強い点だな。だから、シールドを持つメアリーに対して使ったんだ」


「納得しました。ただ・・・その剣、一部の透過を解除する事は出来ないんでしょうか?」


「ほう?」


「剣の先のみの透過を解除出来れば、かなり便利かと思いまして」


「確かにそうだな、まずは普通に使いこなす事を優先していたから考えた事も無かったな・・・よし!そうと決まれば出来ないか練習して行こう!」


エレオノーラさんは負けはしたが、戦った事で気付けた事もあり嬉しそうだった。


こうして準決勝を制した、ティーとメアリーさんの決勝戦が始まるのだった。

中々時間が取れず、もう1話だけ続きます。

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