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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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訪問日

朝。

重い瞼を擦りながら、1階のリビングへと降りて行く。


「おはよー」


すでに起きて来ているであろう、エレオノーラさんに挨拶をする。


「「おはよー!」」


すると、返ってきた声はいつもと聞き慣れていない物で、慌てて声のしたダイニングを見る。

そこに居たのは、大勇者のフィーアさんと、リッヒさんの師匠で伝説の暗殺者と呼ばれているロスさんだった。


「えっと、2人ともどうしてここに?」


「ティーの顔を見に来たの」


「私はリッヒちゃんの顔を」


と答える。


「こんな朝早くから?」


「ちなみに私が起きた頃には既に外に居た上に、何故か戦っていた」


エレオノーラさんがそう言う。


「なんかお互いにビビビッと来ちゃったんだよね」


「そうそう。それで戦ったんだけど、やっぱり1000年生きてるだけあって凄く強くってさ〜、負けちゃったよ」


「いやいや、ロスちゃんの気配隠す能力も凄すぎて全然分からなかったよ」


2人は今日初めて会った筈だが、すぐに仲良くなっていた。


暫く話していると、リッヒさんが起きてくる。


「リッヒちゃん、おはよ〜」


「おはようございま・・・って、師匠!?」


「あはは、良いリアクション」


「なんでこんな朝から・・・」


「私もいるよー」


「フィーアさんまで?」


「君の師匠って凄く強いね」


「まさか、お2人で戦ったんですか?」


「大勇者って聞いたら戦ってみたいなって思うんじゃん」


「はぁ、師匠が何かご迷惑お掛けしてないでしょうか?」


「え〜、ひどくなーい?」


「大丈夫、大丈夫。やっぱり、しっかりしてる良い子だね〜」


「そらはもう、自慢の弟子ですから!」


その後、リッヒさんも加えて話していると続いてティーが起きて来た。


「おはようなのじゃ・・・」


「ティー、おそーい」


「・・・・・なんでフィーアがおるんじゃ?」


「ちょっとだけ、顔を見に来ましたー」


「こんな朝早くから来る奴がおるか」


「えーでも、私の他にもいたよ」


そう言いながら、ロスさんに視線を移す。


「やっほー!」


「なんで、お主までおるんじゃ・・・」


「私は可愛い弟子の顔を見に来たんだよ」


「リッヒも大変じゃな」


「えぇ」


「さてと、ティーの顔も見れたし、そろそろ行こうかな」


「本当に顔を見に来ただけなんじゃな」


「なになに、寂しいの?」


「何を言っておるんじゃか、サッサと行くのじゃ」


「もぉ〜、照れ屋さんなんだから〜。まっ、また来るね。それじゃあ、ロスちゃん行こっか?」


「はーい、よろしくー」


「えっ、待ってください師匠。フィーアさんと一緒に行くんですか?」


「だって、フィーアちゃんも世界巡ってるって聞いて、一緒に行った方が楽しそうだったから、お願いしたら二つ返事で受けてくれたんだ」


「ご迷惑お掛けしない様に気を付けて下さいね」


「いや、リッヒよ。逆にフィーアの方が迷惑を掛けるんじゃが」


「「2人ともひどいーい」」


そう言い残した2人は、フィーアさんの転移で何処かに旅立って行った。


〜〜〜〜〜〜


朝食を食べ終えた後、コンコンと玄関をノックする音が聞こえる。


「はーい」


扉を開けると、そこに居たのは魔王のララさんだった。

後ろには、ここに来るために乗ってきたドラゴンらしき姿もある。


「朝早くから、すまない。オルフェはいるだろうか?」


「今、呼んで来ますね」


そう言って、オルフェさんを呼びに行く。


「あれー?ララちゃんだー。どうしたの?」


「どうしたのって・・・今日は会う約束をしていただろうが。なんで、まだパジャマなんだ」


「・・・あれ?今日だったっけ?」


「はぁ、やっぱり忘れていたか。早めに来て正解だったな」


「ご、ごめん。ちょっと待ってて」


オルフェさんが慌てて2階に向かい、バタバタと音が聞こえてくる。

数分後、


「お待たせ!」


洋服に着替えて、お出掛けの準備を整えたオルフェさんが戻って来た。


「こういう事は早いんだな」


「ふっふっふ〜、慣れてるからね」


「そんな事に慣れるんじゃない」


とララさんが頭にチョップを入れる。


「そんな訳だから、ララちゃんとお出掛けしてくるねー。帰りは夜になると思うからよろしくー」


「2人とも気を付けてー」


とドラゴンに乗って飛び去って行った。


そして、お昼ご飯を食べた後、アリーがベルやシェリー、レンダさんに勉強を教えていた時に、また玄関をノックする音がした。


次は誰だろうと思ったら、下にクロが居た。


「どうかした?」


クロはお客さんが来たと言っている様だが、誰も居ない。

クロ自身もアレ?と不思議そうにしていると、クロの上にいきなり半透明の女性が現れて、俺は驚きの声を上げてクロは飛び上がった。


「うわっ!・・・って、もしかしてエニスさん?」


目の前に突如現れたのは、以前までこの森近くの廃墟に囚われていた幽霊のエニスさんだった。


「ごめんなさい、驚かせてしまって」


「驚きましたけど、大丈夫ですよ。それで、今日はルインに用事ですか?」


「はい、ルインから面白い所があるから一緒に行こうと手紙が来ていたので」


幽霊が手紙で近況報告をしているのかと思う。


「ルインなら、掃除を手伝っていたような?とりあえず、中にどうぞ」


招き入れてルインの元に向かうと、やはりアンさん達の掃除を手伝っていた。


「ルイン、エニスさん来てるけど?」


「えっ!あれ?もうそんな時間?」


どうやら約束の時間を手伝いで忘れてしまっていた様だ。


「あわわ、えっと、どうすれば」


途中になっている手伝いと、約束の時間が来た事でどうするか迷ってしまっているようだ。


「あとは大丈夫ですので、お出かけされてもよろしいですよ」


とリビアさんがフォローすると、


「あの、良かったら私も手伝いましょうか?」


エニスさんはそう言った。


「手伝いも増えればすぐ終わりますし、皆さんにご迷惑をお掛け出来ませんから」


「エニス様、ありがとうございます」


「エニス、ありがとう!」


心優しいエニスさんの手伝いで掃除を終わらせた後、2人は何処かへと向かった。

去り際に、


「幽霊達の集会なんて、本当にあるの?」


「色んな幽霊が居たから面白かったよ!」


とそんな会話が聞こえて来て、以前もそれらしい事を話した気がするが、悪い集団では無かった様な気がするので良しとした。


ルイン達が出て行って暫く経った頃、再び玄関のノック音が聞こえる。


(今日は、よく人が来るなぁ)


そんな事を思いつつ扉を開けると、勇者のアイラさんと獣王国の王女メアさんが居た。


「珍しい組み合わせですね?」


2人とも面識はあるが、一緒に来るとは思わなかった。


「偶然、森の外で会ったので一緒に来たんです」


アイラさんがそう言う。


「私はエレオノーラさんに会いに、アイラ様はアリシア様に会いに来たんです」


そうなのかと納得して、2人を中に招き入れる。


「アリシア様ー!」


「エレオノーラさーん!」


2人の姿を見た瞬間、お互いに猛ダッシュで駆け寄って行く。


「アイラ、家の中では走らないで下さい」


アリーは背後から謎の威圧感を放ち、2人は瞬時に足を止めて歩きにチェンジする」


メアさんは、エレオノーラさんに抱きついている辺り、いつも通り会いに来たのだろうが、アイラさんは何か用事があるのだろうか。


「アリシア様!赤ちゃんはどうですか!」


「もう、気が早いですよ。まだまだ、お腹の中にいますから」


「わぁ〜、少しふっくらして来てますね。この中にお2人の子供がいるんですか」


どうやら、妊娠中のアリーを気に掛けてやって来た様だ。


「名前は決めたんですか?」


「候補はいくつか出しましたが、まだですよ」


「なら、アイラって名前良くないですか!」


皆んな、自分の名前を付けて欲しすぎでしょと思いつつ、


「ふふ、では候補に入れておきますね」


「はい!」


アリーがそう答えて、アイラさんは満足した様子だった。

その後、2人とも夕方まで楽しみ別れを惜しみながら帰って行った。


これで今日は、もう誰も来ないだろうと思っていたが、夕食後にまたノックの音が聞こえて扉を開けると、ララさんの肩に担がれたオルフェさんが居た。


「すまない、あとはよろしく頼む」


ララさんはそう言って、オルフェさんを置いて足早に帰って行く。


「一体なんだったんだろう・・・って、酒臭っ!」


オルフェさんを担ごうとしたら、酒の臭いが漂って来た。


「あれぇ〜?コタケくんだー!うん?いつの間に帰って来たっけ?」


と記憶も曖昧らしい。


「はぁ、とりあえず部屋に戻って今日は寝たら?」


流石にこの状態でお風呂に入れないだろうから、寝る様に促したのだが、


「えぇ〜何言ってるのー?夜はまだまだこれからじゃん!」


と更に酒盛りをしようする。


「ティー?ちょっと来てくれるー?」


仕方が無いので、ティーを呼ぶ。


「うん?なんじゃ?」


「強制睡眠お願い」


「なるほどの」


俺の一言と、オルフェさんの状態を見て一瞬で納得するティー。


「あはは、ティーフェンちゃんも一緒に飲もー!」


「また今度の」


そう言うとオルフェさんの背後に回り、手刀を落とす。

そして、バタンとオルフェさんは床に倒れ込んだ。

これこそ、ティーによる強制睡眠と言う名の気絶だった。

オルフェさんが手に負えないくらい飲んだ時にだけ使用されて、今までに2、3回は行使されている。


「はぁ、こやつを運んでくるのじゃ」


「うん、よろしく」


「妾まで、酒臭くなるでは無いか。また、風呂に入り直しじゃな」


と文句を言いつつ、オルフェさんを部屋へと運んでいった。


こうして、その日は沢山の人が我が家に訪れたのだった。

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