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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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到着

この世界に来て初めての街へと向かうため、俺達は拠点を出て森の中を歩いていた。


「エレオノーラさん、あとどれくらいで森を抜けれそうですか?」


「そうだな、この調子だと大体3時間ほどで森の外に出れるだろう」


エレオノーラさんは、この森に入って初めて拠点に来るまでの間に地図を作りながら来ていたのだという。

今回はその地図を頼りに外に出ることになったのだが、出発してからすでに2時間程歩いてきていた。


「アリーも疲れてない?」


「えぇ、大丈夫です。まだ少し頑張れます」


「辛くなってきたら、休憩するから無理しないでね」


森の中は草木が生い茂っており、森を歩くのに慣れていない俺達は進むのに少し苦労していた。


「もう少し歩いたら一度休憩をとるのでもう一踏ん張りしてください」


先頭を行くエレオノーラさんが皆んなに声をかけた。



それから歩いて1時間程経過した。

ちょうど開けている場所があったのでそこで30分程休憩することにした。

マジックバッグの中に入れてきた、コップと軽めの食事を取り出した。

青スライムが皆んなのコップに魔法で水を入れて回っている。


「やはり、魔法が使える味方がいるとかなり便利だな」


とエレオノーラさんが言う。


「魔法は珍しい物なんですか?」


と問いかけてみた。


「魔法自体は珍しくはないのだが、全員が使えるという訳でもないんだ。人間の国では大体人口の2〜3割程度の者しか使う事ができない」


「結構少ないんですね・・・」


「あぁ、だから魔法を使える人間の多くは高待遇を約束される。ちなみに、私は魔法は一切使えないぞ」


「あれ?意外ですね?」


「む?そうか?剣を使って戦っているのだから、魔法を使えそうには見えないだろ?」


「でも、茶スライムの魔法で出来た、固そうな土の壁を壊してませんでした?」


「それくらいなら、魔法を使わなくてもコツさえ掴めば簡単だぞ」


(コツ程度でどうにかなるものかなぁ?なんか腕力だけで解決してそう・・・)


「ん?今何か失礼な事を考えてないか?」


「いや!何も!」


とエレオノーラさんと話ている所にアリーもやってきた。


「エレオノーラは、私がいた王国内でも屈指の強さを誇るのですよ」


「そんなに、強かったんだ・・・」


「えぇ、彼女が私の騎士になってくれたのは、人生の中でも最高の出来事の一つです」


「私もお嬢様の騎士になれた事は、とても誇りに思っております」


2人が微笑みあった。


「ところで、エレオノーラさんはどういった経緯でアリーの騎士なったんですか?」


「詳しいことは少し長くなるから省くが、お嬢様には私の母を救ってくれた恩義があったんだ。それで、その恩を返す為に一時の騎士として仕えていたのだが、次第にお嬢様の人柄に惹かれてな、そのまま専属の騎士になったんだ」


「そうなんですね!ちなみに騎士になる前は何をしてたんですか?」


「騎士になる前は冒険者をしていた」


「だから、魔物とかに詳しかったりするんですね」


「まぁ、そういうことだ。さて、そろそろ休憩を終えてまた出発するとしよう」


ということで、俺達はまた森の中を歩き始めた。

そして休憩から2時間が経った所で、


「よし、森の終わりが見えてきたぞ」


先頭のエレオノーラさんがそう言った。


(遂に森の外に出るのか・・・)


この世界に転移して、一度も森の外に出たことのなかった俺は期待と不安でドキドキだった。

すると、俺の横にいたアリーが少し不安そうな表情をしていた。


「アリー、どうかした?」


「その、私達が失踪してから探索隊が組まれたと思うのですが、もしも結婚するはずだった貴族側の探索隊の人達がまだ居て、見つかってしまったらどうしようと思いまして・・・」


(そういえば、その可能性は0ではないとエレオノーラさんも出発前に言っていたな)


「大丈夫だよ、何かあればまたすぐ森の中に引き返すし、何があっても俺達が全力で守るから」


それを聞いていたクロ達もそうだそうだとジャンプしていた。


「ふふ、頼もしい方達が増えて嬉しいです。おかげで元気が出てきました!ありがとうございます!」


アリーも元気になった所で、エレオノーラさんがこっちへ来た。


「少し森の外を見てみたが、周りに人影はなさそうだった」


それを聞き、俺とアリーはコクリと頷き。

そして、遂に森の外へ飛び出したのだった。



森を抜けると、そこには広大な平野が広がっていた。

そばには街まで整備された道があるだけで他には何もない様だが、森の中とは打って変わって風も心地よく平和な雰囲気を醸し出していた。


「よし、ここからはこの道に沿って歩いて行くだけなんだが、正直ここから歩いた場合、1日はかかってしまうんだ・・・」


「そんなにかかるんですね・・・」


森の中を歩き疲れていた俺達は、あまり気のりしなかったが、他に移動手段もないので歩くことにした。

それから1時間ほどが経った時、ふと後ろの方からガラガラと音がした。

なんだと思い、振り返ると馬車がこちらに近づいていた。


エレオノーラさんが先頭に立ち、馬車に乗っていた年老いた男性と話をしていた。

どうやらこの男性は、俺達の目的となる街に定期的に作物などを売りに来ているみたいだ。

いつもなら、護衛をつけてこの場所を通っていたらしいが、今回は訳あって急いで出発する必要性があったらしく、すぐに護衛も集まらなかったので、仕方なく1人で馬車を走らせているとのことだそうだ。

すると、エレオノーラさんが、


「私達が護衛をするので馬車に乗せて貰えないだろうか?」


と男性に提案をした。


「馬車に乗るのは構わんが、護衛に対する報酬なんぞ今は持ってないんじゃよ・・・」


と男性が申し訳なさそうに言った。


「報酬は必要はない。私達は貴方が向かう街に用事があるんだ。だから護衛の代金は馬車に乗せて貰うことで十分だ」


「そういうことなら、よろしく頼む」


ということで、男性の護衛をすることで馬車に乗せて貰うことになった。


それから4時間程、馬車に揺られていた。

初めて馬車に乗ったので、最初の方は酔って気持ち悪くなったが少しずつ慣れていき、道中何度か魔物に鉢合わせたが、全てエレオノーラさんが一撃で倒していった。


そして遂に、俺達は目的地となる街へと到着したのだった。







累計3000PV突破しました!

評価も増えたり減ったりな感じですが、多くの方に面白いと思ってもらえる様にさらに頑張っていきます!

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