表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

186/530

お茶会

前半はアリシア視点で、後半は主人公視点になります。

「それでは、行って参ります」


「気を付けてね」


ワタルさんに見送られて私が向かった先は、マゼル王国の王城でした。


「まぁ、いらっしゃいアリシア」


「王妃様、今日はよろしくお願いします」


私を迎え入れたのは、この国の王妃ローナ・マゼル・エクレストンである。

国王陛下と王妃殿下からの謝罪を受け入れてから1ヶ月、今日はお茶会にお呼ばれして王城にやって来たのです。


「今日は私と貴女の2人なので、気楽にして良いのですよ」


「お茶会なんて久々ですので、少し緊張してしまって・・・」


「そうね、貴女とのお茶会なんていつぶりかしら?」


「2、3年位ですかね?」


「そんなに・・・私がもっと貴女の事を気に掛けていられればね」


「その件については、もう大丈夫だとお伝えしたはずですよ」


「そうね、今日はもっと楽しい事を話しましょうか。例えば貴女の旦那さんの事とかね」


仲の良い王妃様に、改めてワタルさんの事を旦那さんと言われると少し照れてしまう。

照れ隠しに出された紅茶とお菓子を頬張る。


「貴女が結婚した事を聞いた時は、それはもう驚きましたよ。ちなみにどうやって出会ったのかしら?」


私は魔の森で、出会い助けられ惹かれた事を話した。


「なんだか、お姫様のピンチに駆けつける物語の王子様みたいね」


「ワタルさんはとっても優しい方なんですよ」


「貴女の頬が緩んでいるのを見れば納得ね」


そんなに緩みきっていたのだろうか、恥ずかしい。


「今の生活は楽しい?」


「はい、とっても!」


「この前、一緒に来ていた方達も同じ場所に住んでいるのよね?」


「そうですよ。ティーフェン様にオルフェさん、皆さんとの生活は楽しいです」


「貴女からの手紙に龍王様に魔王、それに翼人族とヴァンパイアが居るなんて書いてあって目を疑ったわ。一体どうしたら、そんな方達に会えるのかしら?」


「私も出会った当初は驚きました・・・」


と続けて他の方達との出会いを話していく。


「あら?いつの間にかポットの中身が空っぽだわ。貴女のお話は楽しいから聞いてて飽きないわね」


どうやら夢中になって、かなりの時間が過ぎてしまっていた様です。


「王妃様、そろそろお時間になります」


側に執事長がやって来て、そう告げる。


「もっとお話していたかったのですがね」


「またいつでも、お呼びして下さい」


「ふふ、そうね・・・あっ、そうそう!帰ったらこの中身を旦那さんと一緒に読みなさい」


そう言って渡されたのは1枚の封筒です。


「ワタルさんと一緒にですか?」


「えぇ、貴女宛と言うよりも彼宛のお手紙ですから」


「分かりました」


「それではアリシア、また近いうちに」


王妃様に別れを告げて、私は家へと帰るのでした。


〜〜〜〜〜〜


「ただいま帰りました」


「お帰り〜」


俺はお茶会から帰って来たアリーを出迎える。


「どう?楽しかった?」


「はい、皆さんの事を沢山話して来ました。王妃様も楽しんで頂けた様です」


「それは良かったよ。ご飯の準備は出来てるから、食べよっか」


「あっ、その前にお渡ししたい物が」


そう言うアリーから手渡されたのは1枚の封筒だ。


「王妃様からワタルさんに渡して一緒に読んで欲しいと言われまして」


「なんだろ?」


早速封を開けて、中に入った手紙を読んでみる。


"コタケワタル様


初めまして、マゼル王国・王妃ローナ・マゼル・エクレストンと申します。

アリシアへの謝罪の際に面識はありますが、お話しした事は無いかと思いますので。


さて、私がこちらの手紙をしたためたのは国王と話し決めた内容を先にお伝えする為です。

その内容と言うのが、貴方に爵位を与えるというものです。


アリシアは公爵家の娘という事で、貴族のみが使用できる店など様々な恩恵が受けられ様になっています。

しかしながら、ウッドフォード公爵から彼の代で爵位を返上するとの申し出がありました。

そうなると、アリシアが受けられる恩恵も無くなってしまいます。

コタケ様が、公爵家に婿入りすると言う形で爵位を引き継ぐ事は出来ますが、それでは今の様に自由な生活も出来なくなるので、そちらは望んで無いかと思われます。


ですので、コタケ様には男爵の位を授けようと思います。

男爵と言っても、領地を治めたり税を納めたりして貰う事はありませんので、ご安心下さい。


もし、このお話を受けて下さるのであればお返事の程お願い致します。"


手紙にはそう書かれていたのだった。


「俺が男爵・・・?」


「まさか、お2人がそんな事を考えているとは・・・」


「アリーへの謝罪の意味も込められてるんじゃないかな?」


「手紙の内容通りなら爵位だけ貰って後は何もしなくても良いというものなので、デメリットは無いかと思われます」


「じゃあ、貰った方が良いのかな?」


「うーん、マゼル王国の貴族の娘である私が言うのもなんですが、もしも戦争になり王国が敗戦した場合、貴族が断罪される事もあります。その時に、ワタルさんの名前が入っていた場合対象になる可能性も・・・」


「それは嫌だなぁ」


「一応方法がない事もないのですが」


「そうなの?」


「返事の手紙に敗戦した際には、爵位を剥奪としてもらう様にお願いするのです」


「なかなかお願いしづらい事だね」


「しかし、陛下達はティーフェン様達とは敵対したくないという意思も、爵位によって示したいかと思いますので、お願いは通るかと思います」


「なるほど・・・じゃあそんな感じで返事をしようかな。アリー、後から手紙の書き方教えて貰っても良い?」


「喜んで!」


そうして、王妃様宛の手紙を書いて送った3日後に返事が返って来て、俺のお願いが通り爵位の授与が決まった。

そして・・・


「授与の為の式とパーティーを行う為、2週間後に王城に来て欲しいか・・・」


「これは困りましたね。式やパーティーには沢山の貴族が来ると思いますので、目をつけられる可能性も」


「流石に断る訳にもいかないよね」


「これは全ての貴族が爵位を受け取る際に行う事ですので避けては通れないかと」


「そっか、なら仕方ないよね。色々として貰ってる訳だし我儘を言い過ぎるのもね」


「では、式の際の服など色々と準備をしないといけなさそうですね」


「あっ、ほんとだ」


「服はオルフェさんに作って貰うとして、あとは・・・」


そんなこんなで、俺は爵位を貰う事になりその為の準備をしていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ