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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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果実

累計20万PV突破です!

ありがとうございます!

「コタケさーん、こっちの野菜はどうしますかー?」


「そっちはまだ収穫しなくても大丈夫かな」


「了解でーす!」


今はルインに手伝って貰い、朝から家の畑の野菜を収穫している。


「じゃあ、こっちのカゴは持って行きますね」


「よろしく」


そう言ってルインが霊力を使い、複数のカゴを浮かしながら運んで行く。


「今日はこんな所かな」


今日の分の収穫を終えて家の中に戻ろうとすると、


「コタケさーん、ちょっとコッチに来てくださーい」


とルインの呼ぶ声が聞こえたので、そっちに行ってみる。


「どうかした?」


「アレ見て下さい」


そう言って指差したのは、エムネスさんから貰った様々な果物が実る木だ。

そこに一体何があるのだろうと見てみると、普段は赤いリンゴや黄色のミカンなど様々な果物が付いている筈なのだが、今日付いていた物は金色のリンゴの形をした果物が1個だけだったのだ。


「何アレ?」


「何かは分からないですけど、凄そうですね」


確かに金色の果物など見た事も無い。


「うーん、エムネスさーん、居ますかー?」


木に呼び掛ければ、エムネスさんが出て来てくれる事もあるのだが、今日は出て来る気配が無かった。


「とりあえず収穫しておきます?」


「そうだね」


とそっと金色のリンゴを収穫して家の中に入るのだった。

一応、他の人にも確認はしてみたが当然誰も知らなかった。


「不老不死になれる果物だったり」


オルフェさんがそんな事を言うが、見た目がそれっぽいので否定出来ない。


「ヒルズちゃんに、エムネスさんが何処にいるか聞いてみてはどうでしょうか?」


「確かにそうだね」


アリーに言われた通りヒルズにお願いしてみると、


「今日はドライアド同士の会合があるようで外せないそうです」


との事だった。


「それだったら呼ばないね・・・ちなみにヒルズはコレが何か分かる?」


「いえ、私も見た事無いですね」


結局、その日は食べずにマジックバックに収納しておくのだった。


〜〜〜〜〜〜


翌日、金色のリンゴがどうなったか取り出して確認しようとすると、出て来たのは普通の赤色のリンゴだった。


「あれ?」


どれだけ探しても金色のリンゴは出てこない。


「誰か普通のリンゴもここに入れた?」


皆んな、首を横に振る。


「じゃあ、1日経って普通のリンゴになったていうこと?」


「そういう特別な何かにはありがちな話じゃな」


「なんか勿体ないことしたね」


結局食べる前に元に戻ってしまったが、どんな物だったのか確認する為にエムネスさんを呼ぼうと外に行くと、今日も金色のリンゴが1つだけ木に実っていたのである。


「今日もある・・・とりあえず、エムネスさん呼んでみるか」


と木に声を掛けると、光と共にエムネスさんが現れた。


「昨日は何やら用事があったようだが、行けなくてすまないな」


「いえ、エムネスさんも用事があったんですから、仕方が無いですよ」


「それでどんな用件だったんだ?」


「実は昨日から、あんな感じでこの木に金色のリンゴが付くようになりまして・・・」


俺がそう言うと、エムネスさんは振り返って木を確認した。


「ふむ、これは面白い」


「コレが何か分かるんですか?」


「あぁ、これはな1つ食べるだけで一生病に罹らなくなる果実だ」


「そんな凄い物だったんだ・・・」


「昨日も付いていたのか?」


「そうです」


「ふーむ、コレは100年に1度付くような物なんだがな。どうやら余程好かれているらしい」


「100年に1度ですか、それに好かれていると言うのは?」


「この木には私の加護を与えているのだが、それによって精霊に近い存在となっているんだ」


「つまりは自我があると言う事ですか?」


「意思疎通は出来ないがな。君達の為に頑張って実らせている様だ」


「尚更、昨日の分を無駄にしたのが申し訳ない」


「まぁ、この色の果物が急になったら怖いだろうな。だが、害のある物では無いから安心してくれ」


「ありがとうございます。ちなみにこれって分割して食べたらどうなるんですか?」


「全員で分けて食べると言うのか?」


「俺だけそんな体になるのもアレなので・・・」


「そうだな、恐らく効果が一生から一年になると思う」


「それでも十分ですね」


「お前が良いなら何も言うまい。あとは普通のリンゴになる前に早く食べる事だな」


そう言ってエムネスさんは帰って行き、家の中に戻ると教えて貰った事を伝えた。


「本当に皆んなで食べてよろしいのですか?」


「勿論。全員が健康でいた方が良いからね」


リッヒさんの問いにそう答える。


「なので、アンさん全員分に切り分けて下さい」


「かしこまりました」


アンさんはすぐさま包丁を持って来て、ルインは食べられないのでその分は除き11等分にした。


「それじゃあ、いただきます」


「「いただきまーす」」


一斉に口にする。


「うむ、普通の味じゃな!」


「特別甘いと言った感じでは無いですね」


「何か実感湧く人いる?」


皆んな、首を横に振る。


「まぁ、そうだよね」


「効果が分かるとしたら1年後じゃな」


「確かにその間に誰も病気にならなかったら、効果があったていう事だもんね」


「明らかに特別なリンゴではあるし、ドライアドのお墨付きなら偽物という事は、まず無いだろう」


「じゃあ健康体になった事だし、お酒たらふく飲んじゃおーっと!」


「調子乗ると、痛い目みるよ」


「へいきへいき!」


その晩、オルフェさんは大量のお酒を飲み、


「うぅ〜、頭いたい〜」


と翌日は二日酔いでダウンするのだった。


そして、果物の実る木はというと俺達が金色のリンゴを食べた事が分かっているのか、翌日からいつも通り様々な果物を実らせるのだった。




今日から1週間お休み頂きます。

次回更新日は10月13日の金曜日になります。

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