表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/534

アリシア視点②

魔の森に入って半日が経ち辺りも明るくなってきました。


「お嬢様、この先はこちら側も魔物側もお互いに視認しやすくなるのでお気をつけ下さい」


「えぇ分かりました」


今までは辺りも暗く魔物に会う事はありませんでしたが、明るくなった今はより一層危険になるようです。

それから1時間程あるいた所で、先行していたエレオノーラが立ち止まりました。


「エレオノーラ、どうかしましたか?」


「この草むらの先は開けた場所になっている様なのですが、そこに茶色のスライムが徘徊しています」


ここに来て初めて魔物に出会ってしまいました。


「どうしましょうか?ここは安全に迂回しますか?」


「いえ、あのスライムを倒してここで休憩するのが良いでしょう」


「大丈夫なのですか?」


「はい、お任せ下さい。すぐに倒して参りますので」


そう言いエレオノーラが草むらから飛び出して、スライムと戦闘態勢に入りました。

相手のスライムは土魔法を使い、土を固め先を尖らせた物を飛ばして来たり、地面の土を盛り上がらせて壁を作ったりして戦っていました。

エレオノーラも初めの内は、魔法に苦戦していましたが段々と慣れて来たようで、相手の攻撃を避けて防御を剣で切り倒していきました。

そして、遂にスライムに剣が届くその瞬間、エレオノーラとスライムの間に1つの影が割って入りました。


「あれは・・・人なのですか・・・?」


(しかし、ここは魔の森と呼ばれ各国から危険とされている場所ですから、その様な場所に人が居るはずは無いのですが・・・)


あれこれ考えている内にエレオノーラが相手に何者か問いかけました。


「俺はこのスライムの仲間だ」


どうやらスライムの仲間だったようです。


(と言う事は魔物使いの方なのでしょうか?それでもここにいるのはおかしな話です・・・)


するとエレオノーラが彼の事を魔族と言いました。

魔族は魔物を率いて人間と対立しているので可能性はあります。


しかし、彼はそれを否定して人間だと言いました。

エレオノーラは、それでも信用に値しないと判断したのか彼に斬りかかろうとしたので、


「エレオノーラ、お待ちなさい」


私は、相手の事を知る為にも草むらから出てエレオノーラを制止しました。


エレオノーラが危険だと言い私を守ってくれていますが、意思疎通が出来る上に彼からは余り敵意などは感じ無かったので話をしてみる事にしました。


「初めまして、私の名はアリシア・ウッドフォードと申します。そしてこちらが私の騎士のエレオノーラです」


まずはこちらから挨拶をしてみました。


「あっ、はじめましてコタケワタルと申します。」


(あまり聞き馴染みの無い名前ですね、異国の方でしょうか?)


そしてこちらからこの森で何をしているのかと聞いてみると、彼はこの森に住んでいると言ったのでした。


「えっ!?この様な危険な森で?」


思わずビックリして声に出してしまいました。

すると、彼はこの森がそんなに危険なのかと質問してきました。

この魔の森が危険なのはどの国の人でも知っているのだと思ったていたのですが、彼に説明するとかなり動揺していたので、ここの事を知らなかったのでしょう。


(尚更ここに居るのが不思議になりましたね・・・)


そう考えている私に彼から、拠点があるからそこで話さないかと提案されました。

当然エレオノーラはこの提案を拒否しましたが、何処に居ても危険に変わりないので彼の提案を受け入れる事にしました。


しばらく歩いていると、2メートル程の高さの土の壁が見えてきました。

どうやら彼の拠点に到着したようです。

いくつかある建物の中で1番大きい彼の家へと入りました。


そして改めて、アンとリビアを含めてこちらの自己紹介をして、彼の方も先ほどはいなかったスライムを紹介して下さいました。

まず、彼に何故ここに住んでいるのかと聞いてみると、遠い国から来たものの道に迷いこの森で暮らし始めたのだと言うのです。

正直な所その理由は信じ難いと思いましたが、ひとまず納得する事にしました。

次は彼の方から、私たちが何故森に居るのかを質問してきました。

これまでの経緯を思い出し複雑な気分になり説明しようか迷っていると、


「言いにくいので有れば大丈夫ですよ」


と優しく声をかけて下さいました。

私は少し気持ちが楽になり、説明する事にしました。


説明を終えると、彼も重々しい表情をしていました。

私も、今までの事を思い出し辛い気持ちになってしまいました。


すると突然、


「あの、よければこちらに滞在しませんか?」


と声をかけられました。

思わず私も驚いた表情をしてしまいました。

しかし、嫁ぐ途中に逃げ出して来た私達を追って来た者がいれば確実に迷惑をかけてしまう事になってしまうのでその提案はお断りしました。


それでも彼は、辛そうな表情をしている私を見捨てられないと言い、その表情は真剣そのものでした。

初めて会ったばかりの私の為に、ここまで真摯になってくれて嬉しくなりました。

それに、エレオノーラやアンとリビアの安全も確保しないといけないので、元々行く宛の無かった私達は、その提案を受け入れる事にしました。


そうして、コタケ様の拠点での生活がスタートしました。



















累計2000PV突破しました!

ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ