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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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リフレッシュ

オルフェさんの店が開店してから2週間程が経ったが、客足も伸びず売上はごく僅かだった。


「はぁ〜、このままだとすぐ潰れちゃうよー」


仕事を終えて、家でお酒を飲みながらテーブルに伏して愚痴をこぼす。


「試しにヒューゲルを奥に引っ込めてみたけど全く効果が無かったし」


マッチョでオネェの店長ヒューゲルが原因と考えていたらしいが、それも無関係だったらしい。


「何でかなぁ〜?」


「コリンさんなら商売のコツとか知ってそうだし聞いてみる?」


「次はいつ来るんだっけ?」


「2週間後くらいだったような」


「うーん、長いなぁ・・・」


「アリーからは1ヶ月分の資金は貰ったんだっけ?」


「うん、だから今月分の給料は出せるけど来月分が・・・それに従業員のモチベーションも下がって来たし」


流石に先行きが不安な店で働いていたらそうなるだろう。


「はぁぁ〜〜〜」


長い溜息を吐いてお酒をグビッと飲み干す。


「ここ最近、根を詰め過ぎてますので気分転換に何処かに出掛けませんか?」


疲れ果てているオルフェさんを見兼ねてアリーがそう言った。


「気分転換?」


「明日はお店も丁度お休みですし、外に出てゆっくり過ごしたら、何か良い案が思い付くかもしれませんよ」


「うーん、そうだねぇ・・・」


「ベルちゃんも心配してましたよ」


「わ、分かったよ」


「はい、決まりですね!最近、ピクニックに丁度良い丘を見つけたのでそこに行きましょう!」


〜〜〜〜〜〜


翌日、天気は快晴で絶好のピクニック日和となった。

朝食後、お弁当の準備をしてアリーが言っていた丘へとやって来た。


「確かに良い場所だね」


丘には大きな木が1本生えて日陰も作ってくれており、近くの街も一望出来た。


「風も気持ちいいし眠たくなってきちゃうね」


「まだ寝るには早いですよ。まずは遊びましょう!」


「遊ぶって言っても何するの?」


「ふっふっふ、ワタルさんアレをお願いします!」


アリーに言われて俺はある物をマジックバックから取り出した。


「なにこれ?」


「ソリと言うものらしいです!」


そう俺が取り出したのは、丘を滑る為に前日に作っておいた木製のソリだ。


「これで丘を一気に下るんですよ」


「どうやって使うの?」


言うよりも見せた方が早いと思い、ソリを坂まで持って行き座って滑ってみた。

緩やかな坂で、スピードはそこまで速くは無いが風を感じれて、なかなか気持ちよかった。


「まぁ、こうやって滑って遊ぶ感じですかね」


「わぁー!ママー、私もやりたい!」


「じゃあ、オルフェさんには2人用のをあげますね」


また別のソリを取り出し渡すと、早速2人で滑りに行っていた。


「ワーーーイ!」


「んーー、気持ちいい〜」


2人とも楽しそうに何度も滑っていた。


「コタケよ、妾も滑りたいんじゃが」


「はい、どうぞ」


ティーにソリを渡す。


「おーー!確かにこれは気持ちいいの」


ティーもご満悦の様だ。


「じゃが、もう少し刺激が欲しいの・・・そうじゃ!」


何か思いついたのか、ソリに乗って坂を下る瞬間にティーは魔法陣を展開させた。

すると、その魔法陣から風が吹き出しティーは物凄いスピードで坂を下って行く。


「おぉ!予想以上じゃーーー!」


「ちょっと、そこまでスピード出したら・・・」


と言いかけた瞬間、ソリが坂と平面の境に引っ掛かりポーンと放り出され、ドサッと地面にぶつかるのだった。


「ぐぬぬ、失敗したのじゃ」


「言わんこっちゃない」


「皆さんは、きちんと使い方を守って遊んでくださいねー」


とアリーが皆んなに言うのだった。


「はぁ〜楽しかった。はしゃぎ過ぎてお腹空いてきちゃった」


「それじゃあ時間も丁度良いですし、お弁当食べますか」


木陰にシートを広げ皆んなで座って、作ってきたサンドイッチや数々のおかずを食べる。


「うーん、最高だねぇ。これでお酒もあったら良いんだけどなぁ」


「今日はダメですよ。お酒で酔い潰れたら折角のお休みも台無しになります」


「あはは、分かってるよ〜。ちょっと言ってみただけ」


なんてやり取りをしつつ弁当を食べ終えると、


「じゃあ、次は寝ましょう!」


そうアリーが提案するのだった。


「心地良い風に当たりながら寝たら絶対気持ちいいですよ」


「確かに、なんかそれ聞いたら眠くなってきちゃった」


お腹がいっぱいになった事もあって、眠くなって来たのでシートの上で寝転がる。


「ふわぁ、横になったらすぐ眠く・・・」


オルフェさんがそう言いながら寝ようとした瞬間、


「あうっ!」


オルフェさんの顔に1枚の紙がバサッと飛んできたのだ。


「もぉ〜折角、寝ようとしてたのに〜」


起き上がり飛んできた紙をジーッと見つめていると、


「コレだぁーー!」


「うわっ、急にどうしたんですか?」


「ほらほら、見てコレ」


飛んで来た紙の内容を読んでみると、

"オストの街にてファッションショー開催!"

そう書かれていた。


「オストの街って?」


「ここから丁度見えているあの街ですね」


どうやらすぐ近くだった様だ。


「このショーに参加して私の知名度を上げれば良いんだよ!」


「それっていつ開催なの?」


「これによると・・・3日後だって!こうしちゃ居られない。早く帰って衣装作らなきゃ!」


「どうやら気分転換が役に立った様で良かったです」


「うんうん、アリシアちゃんのお陰だよ!さー、張り切って行こー!」


とやる気満々になったオルフェさんの為に、ピクニックは切り上げて家へと帰るのだった。


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