第二回ダンジョン攻略
「久々にダンジョンに行こう!」
「急にどうしたんですか?」
唐突にダンジョンに行こうと言い出したエレオノーラさんに俺は言葉を返す。
「いやなに、私の鍛錬とコタケ殿の修行も合わせて行おうかと思ってな」
新しく手に入れた盾の神器ヴェンダの扱いにも少しずつ慣れて来ていたので、ちょうど良さそうだ。
「まぁ、時間はありますし大丈夫ですよ」
「よし決まりだな!日程は明後日で、以前行ったダンジョンが沢山ある街に向かうから準備をしておいてくれ」
「了解です。念の為、今から盾の特訓に付き合って貰っても良いですか?」
と外に向かおうとすると、
「あの、そのダンジョンに私も連れて行って貰っても良いですか?」
メアリーさんがそう言うのだった。
「別に構わないぞ。万が一に備えて戦力は多いに越した事はないからな」
「ありがとうございます。足を引っ張らない様に頑張ります!」
メアリーさんの強さで足を引っ張ったら、俺はどうなるんだとか何とか考えつつ、今回のダンジョン攻略はこの3人で行う事になった。
〜〜〜〜〜〜
2日後。
朝食を終えて、ダンジョン街へとやって来ていた。
「ところでメアリーは冒険者のギルドカードという物は持っているのか?」
「いえ、私は持ってないですね」
「そうか、ならまずはカードを作りに行かないとな」
ダンジョンに入るにはギルドカードが必要なので、初めに冒険者ギルドへと向かう事になった。
「すまない、冒険者登録を行いたいんだが」
「はい、かしこまりました」
ギルド職員は丸い青色の水晶を持って来た。
以前、俺が登録を行った時にも出て来た物だ。
メアリーさんがその水晶に手をかざすと淡く光りだし、だんだん収まっていった。
「それでは結果は・・・え、Aランク!」
ギルド職員が驚きながら大きな声でそう言い、ギルド内に居た他の冒険者達がザワザワと騒ぎ出し始めてしまった。
「すまない、急いでカードを作って貰えるか?」
「は、はい!」
エレオノーラさんに急かされたギルド職員は、すぐにメアリーさんのギルドカードを持って来てくれた。
「よし、すぐ出るぞ!」
急いで出て行くエレオノーラさんの後に続いてギルドを後にするのだった。
〜〜〜〜〜〜
「私のせいで急がせたみたいで申し訳ないです」
「いや、私もメアリーのランクが高く出るのを忘れていた。メアリーの強さだとAランクと出てもおかしくないからな」
その人物の強さを測って最初のランクを決める水晶。
俺の時は最低ランクのFだったが、流石メアリーさん最初からAランクと出るのだった。
それでも、登録時は1個下のランクに設定されるのでBランクという扱いだ。
「でも、急いで出てくる必要はあったんですか?」
冒険者ギルドでのエレオノーラさんの行動を不思議思いそう聞いた。
「あのままだと自分達のパーティーに誘い出す者達でごった返すからな、急いで出て来たんだ」
「なるほど、そう言う事だったんですか」
などと話していると、目的地のダンジョンに到着した。
今回も地下に降りて行くタイプの物らしい。
「今回挑戦するのはBランクのダンジョンだ。階層は20階で前回挑んだ物よりも難易度は上がっているから気を抜かない様にな」
「「はい」」
気を引き締めて1階に足を踏み入れる。
1階にいる魔物はスケルトンだった剣や弓など様々な武器を持っている。
「矢が来るぞ。コタケ殿、盾を使用してくれ!」
エレオノーラさんの指示の元、3人を覆う大きさのシールドを展開して、矢を弾いていく。
「よし、そのまま魔法で攻撃だ」
続け様に氷魔法を放つと、それに当たったスケルトンがカランカランと音を立てて崩れ去っていった。
「とまぁ、コタケ殿場合は遠距離の敵には盾で防御して魔法を撃ち返し、近距離の敵には魔法もしくは聖剣を使うと言った感じだな」
「なるほど、ちなみにエレオノーラさんならどうやって戦うんですか?」
「私か?私は剣一本で充分だ。矢も斬り落とすしな」
「流石ですね・・・」
エレオノーラさんの強さは分かっているので、今更驚きはしないが俺には絶対に出来ないので凄いと思うのだった。
ダンジョン攻略は順調に進んでいた。
4階層まではスケルトンしか出ないので、慣れてくるとエレオノーラさんからの指示無しで体が動いてくれる。
それとダンジョン内のトラップを検知する魔道具を念の為使用しているものの、ここは攻略されていてトラップが無い事も分かっているそうなので気兼ねなく進む事出来るのだ。
そうして、5階へと続く階段を見つける。
「この先は中ボスの部屋だ。コタケ殿には初見では難しいと思うからメアリーに戦って貰おう」
「結構強いんですか?」
「メアリーの実力なら簡単だろう」
「分かりました、やってみます」
メアリーさんを先頭に中ボスのいる広間にやって来た。
入ると同時に10m程先の広間の中心に鎧を着て剣を持った1体のさっきまでとは違う強そうなスケルトンが現れた。
「あれが中ボスだ。メアリー、コタケ殿に敵の攻撃を見せる為に攻撃を譲ってくれ」
コクンと頷きメアリーさんは血の槍を数本展開しつつ敵の攻撃を待った。
すると、スケルトンは持っていた剣を上に振り上げた瞬間に10mの間を一瞬で詰め寄りメアリーさんに剣を振り下ろした。
しかし、メアリーさんは落ち着いて防御をして槍を相手の周りに突き刺し動けない様にした。
「まぁ、これがこの敵の特徴だ」
「速すぎて全然対処出来なさそうです」
「確かに詰め寄られてから対処出来る者は、そうそう居ないだろうな」
まぁ、目の前に2人程いるのだが・・・
「それじゃあどうやって対処すれば良いんですか?」
「それじゃあもう一回攻撃を見てみようか」
エレオノーラさんがそう言うとメアリーさんが突き刺して居た槍を外して、軽めの攻撃でスケルトンを最初の位置に押し戻した。
そして、スケルトンは再び剣を振り上げてメアリーさんに一瞬で詰め寄り、同じ様に捕まえられるのだった。
「今ので何か分かったか?」
「剣を振り上げるモーションですかね?」
「正解だ。スケルトンが剣を振り上げるのが完了するとあの様に突進してくるんだ」
「それを見極めて盾を展開させるんですか・・・それでもかなり難しそうですけど」
「剣を振り上げるのは大体2、3秒と言った所だ。慣れればすぐに判断出来る様になるだろうが、まぁ初めのうちは常に盾を展開させておけば全く問題は無いだろう」
「頑張ってみます」
「うむうむ、次の階層からはこの中ボスが普通の敵として出てくるからな練習は一杯出来るぞ」
中ボスがいきなり只の敵になっていきなり出て来るとはかなり鬼畜なのでは・・・
「あの、そろそろ倒してしまっても良いですかね?」
「あぁ、すまない助かったよ」
ずっと敵を抑えていたメアリーさんは、槍を相手に突き刺して一瞬で粉々にするのだった。
「さて、ここからは更に気合いを入れる様に!」
エレオノーラさんの鼓舞の元、次の階層に進んで行くのだった。
少し中途半端になりますが、ここで一旦切ります。
また、面白い、続きが気になると思ったら、是非ブックマーク登録なども投稿の励みとなりますのでお願いします!




