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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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実食

シオリさんの様子を確認しに行った翌日。


「コタケよ、妾に早う米とやらを食べさせるのじゃ」


とティーが言ってきた。

ヒノウラに連れて行って貰う為の対価として、おいしい物を食べさせる約束をしていた。


「そうだね、昨日丁度貰ってきた事だし早速何か作ろうか」


俺はそう言って、外へと向かった。

外に向かった理由は、かまどが設置されているからだ。

シオリさんの治療方法が分かり家に帰って来た後、これから毎日米が食べれるかもしれないという気持ちが逸り先にかまどを作ってしまったのだ。


「使われない事にならなくて良かったよ」


「ワタルさん、これを作ってる時もワクワクしたましたからね」


今回、ご飯の炊き方を学ぶ為にアリー、アンさん、リビアさんの3人が見学をしている。


「それじゃあ早速作っていきますね。と言っても難しい事は無いので、3人ともすぐ出来ると思いますけど」


俺はそう言い、まずはお米を水につけて研いでいった。


「これは今何をしているのですか?」


「お米の表面に付いた汚れ等を洗い落としてるんですよ。この作業は2、3回やれば大丈夫です」


アンさんが質問して、リビアさんがメモを取っていく。


「洗い終わったらこのかまどにセットしてある釜の中に、お米と水を入れて蓋を閉じてください」


かまどを作った時に、お米を10合炊ける土釜を茶スライムに手伝って貰って作成したのだ。


「あとは火をつけて、20分から30分加熱してから同じ時間くらい蒸らして下さい。これで完成です」


「えぇ〜っと、これで終わりなのですか?」


アリーが不思議そうに言った。


「そうだよ。特に難しい事は無かったでしょ?」


「そうですね、意外でした。そう言えば、先程見たお米は平べったく固かったですが、前食べたお米はふっくらと柔らかかったですよね?」


「今入れたお米が炊き上がったら、前のふっくらとしたお米になるんだよ」


「そう言う事でしたか!」


「ちなみに固い状態のお米を150g炊いたら、300gくらいのお米になるんだよ」


「それは先程入れた水を吸って増えるという事ですか?」


「リビアさんの言う通りです。お米を炊く時は水分の量が重要で、多かったり少なかったりするとベチャッとなったり固くなったりするんですよ」


「なるほど、そこは気を付けないといけませんね」



それから約1時間後、ご飯が炊き上がったので釜の蓋を開けると、ふっくらとした真っ白なご飯が出来上がっていた。


「それじゃあ早速食べてみよっか」


茶碗にご飯をよそって、家の中へと戻って行った。


「お?やっと出来たかの?待ちくたびれたわい」


「あはは、ごめんね。でも、きちんと完成したから温かいうちに食べちゃって」


「よし、では頂くとするのじゃ」


ティーはスプーンを使って、ご飯を口に入れる。


「ふむふむ、なるほど。ふっくらもっちりとしていて噛めば少し甘みがあって確かに美味いのじゃ」


「お気に召した様で良かったよ」


「なるほど、これがお米ですか」


初めて食べるアンさんとリビアさんも頷きながら食べていた。


「うむ、おかわりじゃ!」


「早っ!」


ティーの茶碗には少し多めの300gはよそったのだが、ペロッと平らげたのだった。

ティーはまだまだ入ると余裕そうな顔をしていたので、釜ごと持ってきた。


「ティーにはどんぶりの方が良さそうだね」


茶碗に山盛りによそうティーを見ながらそう言った。


「しかし、こうも味に変わりが無いと毎日食べるのはきつそうじゃな。何か一緒に食べる物はないのか?」


「この世界だと、まだ見た事は無いんだよね。前の世界だと、ご飯の上に乗っけたりする物とかは色々あったんだけど・・・そうだ!オムライスでも作ろうか!」


「おっ、なんじゃそれは?美味いのか?」


「絶対気にいると思うから待ってて」


俺は釜をキッチンに運んで、料理を開始した。

手始めに玉ねぎ、ピーマンをみじん切りにしてソーセージを小さく切っていく。

フライパンで、今切った材料を炒めて玉ねぎがしんなりしてきたので、ご飯と調味料を入れて再度炒めていき、ほぐれて来たのでケチャップを入れて混ぜていく。

ケチャップが全体に馴染んだので、火を消してお皿に移す。

そして、かき混ぜた卵をフライパンに広げて全体が半熟に焼けて来たので、後はライスの上に乗せて完成だ。


「はい、お待ちどおさま」


「何やら良い匂いがするのじゃ」


「お好みでケチャップを上から掛けても良いよ」


「頂くのじゃ」


パクッと一口入れるとティーは目を輝かせた。


「う〜ん!美味い!先程とは違ってご飯自体に味が付いておるから、これなら飽きなさそうじゃ」


美味しそうに食べるティーを見て、アリー達が作って欲しそうにこちらを見つめて来た。


「今作るからちょっと待っててね」


もう一度キッチンに向かおうと思ったら、玄関の扉が開いて街に出掛けていた、他の人達が帰って来た。


「たっだいま〜」


「なにか良い匂いがする」


「美味そうな匂いだな、一体何を作ってるんだ?」


皆んなワラワラとダイニングの方に集まって来た。


「あっ!ティーフェンちゃんが美味しそうな物食べてる!」


「これは、妾のだからやらんぞ!」


「えぇ〜ずる〜い。私達の分は〜?」


「はいはい、今作るよ〜」


「流石に私達も手伝った方が良さそうですね」


と全員分のオムライスを作る事になり、アリー達3人も俺が料理をしている所を見ていたので手伝ってくれた。

流石にご飯も足りていないので追加で炊く事になり、結果1日で20kgのお米を消費するのだった。

皆んな、お米を気に入ってくれた様なので、この世界で作れるかは分からないがカレーライスやチャーハンも再現出来たら良いなと思うのであった。


そして、貰ったお米180kgが1ヶ月で尽きるなんて、この時の俺は思ってもいなかったのだった。

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