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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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ビーチ

ギラギラと照りつける太陽。

目の前には白い砂浜と一面の青い海が広がっていた。


俺達は今、テンメルスさんが所有しているラーブルク龍王国内のプライベートビーチへとやって来ている。

事の発端は1週間前・・・


「あっつ〜い〜干からびる〜」


「オルフェさん、だらし無いですよ。ベルちゃんも居るんですから」


「そうは言っても、一昨日から何故かめちゃくちゃ暑いじゃん。アリシアちゃんだってそう思うでしょ?」


「確かに長い雨が止んだと思ったら、次は暑すぎてどうにかなりそうですが、もう少しシャンとして下さい」


「え〜でも、コタケ君も暑いと思うよね〜」


「まぁ、暑すぎるとは思うよ。ほら、外にいたクロ達もあんな状態だから」


見回りをしていたクロ達だったが、流石に暑すぎだのか途中で家に入って来てグデーッと溶けた様になっているのだった。


「なんか涼しい場所とか無いの〜?」


「それならあるぞ?」


「ほんと!?」


ティーの言葉にオルフェさんは大きな声をあげた。


「涼しい場所というか、涼しくなれる場所じゃがな」




こうしてやって来たのが、このプライベートビーチだったのである。

日差しもあって涼しい場所では無いが、目の前の冷たそうな海に入れば一気に気持ちよくなれるだろう。


「やっほー、お待たせー!」


俺が海パンに着替えて1人で待っていると元気よくオルフェさんがやって来て、その後ろからベルがついて来ていた。

プライベートビーチという事もあり人目を気にする必要も無いので皆んな、側の別荘で着替えているのだ。


「ふふん!どうよ!」


オルフェさんはそう言いながら、紫色でトップが横長の帯状になっている水着を見せびらかしてきた。


「う、うん似合ってると思うよ」


「でしょー!私の自信作だからね!そしてこちらが我が愛娘です!」


オルフェさんの合図と共に後ろに隠れていたベルが、バーンと飛び出してきた。


「おぉー、可愛いね」


「そうだよね!そうだよね!」


何故かオルフェさんが反応する。

ベルは、リボンのついたピンク色のワンピース型の水着を着ていた。


「ママが作ってくれたの〜」


これもオルフェさんが一から作ってくれた。

というよりも、今回それぞれの希望を聞いてオルフェさんが皆んなの水着を作っているのだ。


「よーし、それじゃあ行くよベル!」


「うん!」


「あんまり奥まで行かない様に気をつけてね」


早く海に入りたくて仕方がない2人は早速海へと向かって行った。

そして次にやってきたのは、ティーとシエルさんだった。


「うお!まじか!」


俺はティーの水着を見て思わず声を上げてしまった。


「なんじゃ?変な所でもあったかの?」


「いや、その格好・・・」


「妾は特に希望も無かったからオルフェに適当に作って貰ったんじゃ。意外と動きやすくて良いぞ」


「そ、そうなんだ。まぁティーが良いなら良いけど・・・」


俺が何故この様な反応したかと言うと、ティーが着ていた水着がスクール水着だったからだ。

しかも、胸のところに『てぃーふぇん』と書かれた名札まで付いていたのだった。


(何でよりによって、これを作ったんだあの人は・・・)


海ではしゃいでいるオルフェさんを見ながらそう思った。


そして、ティーと一緒に来たシエルさんの水着は白色でトップがビキニにフリルの付いたタイプで下はパレオを着ていた。


「落ち着いた感じで良いね」


「私もそう思う。こんな物が作れるなんて、オルフェの事少し見直した」


どうやらシエルさんも水着を気に入っている様だ。


この2人に続いてやって来たのは、アンさんとリビアさんだ。

2人とも露出の少ないワンピース型の水着だ。

色は、アンさんが赤色で、リビアさんが青色を身に付けている。

最初は、水着を着るつもりは無かったみたいだがアリーに押し切られて着る事になったという。


「2人もお似合いですね」


「ありがとうございます。オルフェさんが作った水着はデザインが可愛いので良いですね」


「それに意外と露出も少なかったので満足です」


2人もご満悦の様だった。


そして次にやって来たのは、ルインとヒルズだ。

流石にルインは着替える事は出来ないのでそのままだったのだが、ヒルズは精霊のサイズに合う服を作った事が無いから作りたいと言うオルフェさんに押し切られて、やむを得ず了承していた。

ちなみにヒルズの水着は、茶色で首から掛けてバスト部分の高い位置まで覆うハイネックタイプの物だ。


「こんな格好は初めてで、あまり落ち着かないですね・・・」


「大丈夫だよ。ここには俺達以外は居ないし、それにヒルズの水着も似合ってるから自信持って」


「慣れるまで少し時間が掛かりそうです」


続いてやって来たのは、エレオノーラさんとリッヒさんだ。


「ふぅ、水着なんて久しぶりだな」


「私は初めてで、少し緊張します」


そんな2人の水着は、エレオノーラさんがよく見るトップが三角の布地で何の装飾もされていない黒色のビキニで、リッヒさんはトップのバスト下とボトムのウエスト部分に交差された帯状の紐があるタイプの緑色のビキニだった。

何やらクリスクロスと言うタイプの物らしい。


「コタケ殿、次はお待ちかねのお嬢様だぞ。心の準備は良いか?」


エレオノーラさんはそう言うと、別荘の方からパーカーの様なものを羽織って水着を隠したアリーがやって来たのだった。


「お嬢様、そんなに恥ずかしがらなくて良いんですよ」


「うぅ、でもいざ見せるとなると・・・」


「ほら、コタケさんも早く見たいと言ってますよ」


リッヒさんがそう言って、チラッとこちらを見て来た。


「本当に見たいのですか?」


「うん、もちろんだよ」


「分かりました・・・」


遂にアリーは決心して、パーカーの様な物を脱ぎ水着姿を披露した。

そんなアリーの水着は白色で、トップの正面にリボンがあしらわれてそれで結ばれているかの様で、ボトムの左右の腰の部分にもリボンがある可愛らしいデザインだった。


「あの、変じゃないですか?」


「全然変じゃないよ。凄く可愛い」


「えへへ、そうですか」


お互い顔を見合わせて赤くなる。


「ちょっと君たち〜イチャついてないで、早くこっち来なよ〜」


とオルフェさんが海の中から呼んできたので、向かおうと思ったら、クロ達が自分達の水着は無いのかと言った表情でこちらを見て来た。


「流石に水着は・・・」


と少し考えて、オルフェさんをこちらに呼んだ。


「なになに〜?」


俺はある物を作って欲しいと頼み、急いで作って貰った。


「はい、これでも良いかな?」


俺はそう言いながら、クロ達にそれぞれの色と同じ水泳キャップを被せていった。


「水着はちょっと難しいけど、これならピッタリだからね」


クロ達は一通り動いた後、気に入ったのか満足した表情を浮かべて、海の中へと入って行った。


気を取り直して俺も海へと向かう。


「はぁ〜冷たくて気持ちいい〜。こうやって海の中で遊ぶのは初めてかも」


海底国に行ったときは、ちょっと特殊な海の入り方だったので普通に遊ぶのは前世も含めて初だった。


「そう言えば、エレオノーラさん以外は海初めてだよね?もしかして皆んな泳げなかったりする?」


俺の言葉に皆んな一様に頷くのだった。


「そうなんだ・・・浮き輪が欲しい所だけどこの世界には無いし、万が一の時は慌てないで大きい声で助けを呼んでね?ティーに上空から助けて貰うから」


海は怖い所なので、念の為注意して遊び始めるのだった。


「ワタルさん、泳ぎ方を教えてください!」


アリーがそう言うので、まずは顔をつけて俺が手を引っ張りバタ足をする所から始めた。


「ぷはっ、けほっ、けほっ。水が少し口に入りました。しょっぱいです・・・」


「あはは、よくある事だね」


「何で海ってこんなにしょっぱいのでしょう?」


「簡単に言うと塩が入ってるからね」


「塩と言うと料理に使うものですか?」


「うん、それと同じだね。その塩の濃度が高いからしょっぱく感じるらしいよ」


「海って不思議ですよね」


「色んな生き物もいるからね」


などと話していると、何処からかヒューッと何かが飛んでくる音が聞こえるとベチョッと俺の顔に何かが乗っかったのだった。


「あははー、ごめーん」


謝りながらこちらに向かってくる、オルフェさんとベル。

俺が顔に乗っかった物を取ると、それはヌルヌルとしたナマコだった。


「何これ?」


「ごめん、手から滑って飛んでちゃった」


「うん、まぁ気をつけてね」


ナマコを手渡して、海水でヌルヌルを洗い落とす。


「初めて見る生き物ですね?何て名前なんですか?」


アリーは珍しい物を見た表情をしている。


「ナマコって言って、見た目と肌触りはちょっとアレだけど食用の物もあるんだよ」


「美味しいのでしょうか?」


「俺も食べた事は無いけど、酢で和えたり唐揚げなんかもあるらしいよ」


「一度食べてみたいですね。このナマコは食べられるのでしょうか?」


「どうなんだろうね?」


俺では分からないので近くにいたアンさん達に視線を送ると首を横に振った。


「駄目みたいですね。またの機会にお預けです」


そんなこんなで、休憩がてら周りを見回してみると、ヒルズとシエルさんがパラソルを開いてビーチによくある椅子の上で休んでおり、クロ達はひと泳ぎし終えたのか砂浜で日に当たっていた。

ティー、エレオノーラさん、リッヒさんの3人は泳ぎで対決していた。

リッヒさんは、いつの間にか泳ぎをマスターしたみたいで2人に張り合っている。


「エルフって森の民のイメージが強いけど、海の民にもなれるのかな?」


「きっと運動神経が良いのでしょうね」


それとルインは、何処かに行っている様で姿は見えなかった。


しばらくそうやって遊んでいると、ぐぅ〜とお腹が鳴り出した。

ティー達も動いてお腹が空いたのか浜辺に戻って来たのでお昼ご飯を食べる事にした。


「今日のお昼はこちらです」


リビアさんが持って来た弁当箱を開くと、焼きそばやフランクフルトなど、海の家にありそうな物が入っていた。

当然ながらこれは俺がリクエストした物で、焼きそばは今日の為にアンさんとリビアさんにお願いして、試行錯誤の末に作って貰ったのだった。


「初めて見る麺料理だな?」


「俺の居た世界にあった焼きそばって言う料理です」


「ソースのいい匂いがするのじゃ」


「早く食べようよ!」


「沢山作ってありますので、どんどんお食べ下さい」


「わーい!いただきまーす!」


ベルが待ちきれないといった感じで、食べ始め他の人達もそれに続いた。

アンさんが言った通り、かなりの量を作ってあったのだが、見事に皆んなで全部食べ切ったのだった。




後半に続きます。

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