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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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運動会:午後の部①

午前の部が終わり、みんなで昼食を食べることにした。

大きなシートを広げて、アンさんや屋敷のシェフ達が作ってくれた弁当を広げる。


「あっ!それ私のタコさんウインナー!」


オルフェさんは子供達に混じって楽しそうに食べている。

ホープは静かに食べていたヒルズに突っかかり、エレオノーラさんはメアさんにアーンをされていて恥ずかしそうにしている。

フィーアさんは徒競走に負けた事に根を持つティーのご機嫌をとっており、リッヒさんはエムネスさんとネアンさんに挟まれて何故か頭を撫でられていた。

子供の自慢をするオーウェンさんとテンメルスさんに、それに付き合わされるクラニーさんとヴァルナさん。

ララさんに呼ばれて、素晴らしい料理の腕前で我が城で働かないかとヘッドハンティングされているアンさんとリビアさん。

その側で今だにうつ伏せで倒れ込んでいるラヴィさん。

近くにいたルインが、魂が抜けかけていると言っていたが助けなくて大丈夫なのだろうか・・・

アリーはアイラさんとフランさんの3人で仲良く食べており、俺は大賢者さんと一緒に食べながらそれらを眺めていた。


「なかなか愉快な昼食会ですな」


大賢者さんはそう言い、俺もその通りだと同意した。

昼食と休憩を1時間とり、13時頃になり運動会の午後の部の始まりとなった。


午後の第一種目は借り物競争だ。

各チーム7人ずつ出場して2レース行い、ポイントは1レースごとに順位が高かった人が多いチームに20点が与えられるのでうまくいけば40点獲得も狙える。

レースに出ていなければ敵味方関係なくお題に沿った人や物を連れてこられる。


赤チームからは、エレオノーラ、オルフェ、ヒルズ、テンメルス、ベルム、フィーア、フランの7名が出場する。

白チームからは、アリー、アン、リッヒ、オーウェン、ヴァルナ、ララ、ネアンの7名が出場する。


この出場メンバーを見て、クロ達がお題をセットする。

全員が位置についてスタートした。


「いっちば〜ん!」


まず1番にお題の所に到着したのはオルフェさんだった。

迷わず真ん中に置かれていた紙を開いて、笑顔で俺の方に一直線で駆け寄ってきた。


「コタケく〜ん」


一体どんなお題だったのかと身構えると、


「聖剣かして!」


と言われたのだった。

お題は聖剣だったのかと納得し、マジックバックから取り出してオルフェさんに手渡したのだが、その瞬間にこの聖剣の特性を思い出した。


「ギャー!重たい!そういえば、この聖剣ってコタケ君しか持てないやつだった!」


簡単なお題が来たと思って浮かれていたオルフェさんも忘れていたみたいだった。


「うぅ、これは諦めるとして他には・・・」


聖剣を持っていそうなフィーアさんは同じくレースに出ているので頼れない。

キョロキョロと辺りを見回していると、誰かを見つけた様でパァと目を輝かせて猛スピードで走って行った。


「アイラちゃーーーん!聖剣かしてーーー!」


目を付けたのはどうやらアイラさんだった様で、向かってくるオルフェさんを見るなり逃げ出した。


「ちょっとー!なんで逃げるのー?ちょっと、ちょっとだけ借りるだけだからさーー」


「誰が魔王に聖剣を貸すもんですか!それになんか壊されそうなので嫌ですー!」


とオルフェさんとアイラさんによる追いかけっこ始まってしまったのだった。

その間に、お題を確認した人達が内容に沿ったものを探していた。


「ティー!ついて来てー!」


「リビア来てください」


フィーアさんやアンさんの声が聞こえたり、フランさんが


「カツラ・・・カツラ・・・」


と呟きながら彷徨ったりしていたのだが、このグラウンド内にあるのかなと疑問に思い俺も辺りを見回してみると、観客席にいた赤スライムの上に何か黒い物が乗っているの気がついた。

もしやと思いよく目を凝らしてみると、カツラが乗っていたのだった。

フランさんも見つけた様で、


「えっと・・・あれですの?」


と戸惑いを隠せていなかった。

スライムがサラサラのカツラを被っているのは、なかなかシュールだ。

しかも、当のスライムは楽しそうにカツラを被っているので貰い辛そうだった。


「あの、良ければそのカツラをお貸し頂けないですか?」


戸惑いつつも赤スライムに声を掛けたフランさんだったが、そっぽを向いて逃げていった。


「あっ!お待ちになってください!」


すかさず追いかけていき、こちらでも追いかけっこが始まってしまった。

そんな感じで、楽しくレースを眺めていると、


「ワタルさーん!」


とアリーがこちらに向かって来た。


「どうしたの?アリーも聖剣欲しいの?」


「いえ、私のお題は聖剣では無くて・・・ワタルさんを連れていきたいんです」


「まぁ、良いよ。ちなみにお題は?」


「それはまだ内緒です!」


と俺はアリーに連れられてゴールした。

アリーの順位は3位で、ゴール後ジャッジ役のクロの所に行きお題を見せた。

ここでクロが、マルかバツの書かれた札を上げてマルならばその順位で確定、バツならばゴールした順位から10位分落とされる事になる。

するとクロは、マルの書かれた札を上げた。


「やりました!3位です!」


「それでお題はなんだったの?」


「それはこちらです!」


アリーが見せた紙を読むと、"あなたの1番大切な人"と書かれていたのだった。


「皆さんの事は大切ですけど、その中でと言われたらやはりワタルさんが1番になるので・・・」


顔を赤くしながら言い、俺も思わず照れてしまった。

その後、他の人達も全員ゴールして、終了となった。


結果は、白チームの方が高順位の人が多く負けてしまった。

我がチームのフィーアさんは1位でゴールしていたのだが、その後のジャッジでバツ判定をされ11位まで下がってしまった。

それが無ければ赤チームの勝利となっていた様だった。

一体どんな内容だったのかを聞くと、小さい子供を連れてくるというものだったらしい。


「あれ?ティーを連れて行ってましたよね?」


「ティーならセーフかと思って」


「いやいや、身長が小さくても立派な大人なんだからダメですよ!ていうか、よくティーがついてきてくれましたね?」


「ゴールするまでお題は秘密にしてたから・・・ゴールして教えたら怒って戻って行っちゃった」


そう言って、再びティーのご機嫌取りをしに行くのであった。


続く2レース目。

先程は参加しなかった人達が位置に着く。

次こそ、勝たないと白チームに大きな差を与えてしまうので気合いを入れる。


スタートと同時に勢いよく駆け出していく。

机の1番右端に置かれている紙を取り内容を確認すると、すぐに対象のいる場所へと向かう。

その途中で大賢者さんが紙を見ながら、


「魔法が得意な者・・・私では駄目なのですかね・・・」


と呟いていたがルール上、誰か連れてゴールしないと駄目なのだ。


そんな事を考えていると目的の場所に到着した。


「クロ、ちょっとついて来てくれる?」


俺に呼ばれたクロは、近くにいたエレオノーラさんにジャッジ役を任せてついて来てくれた。

不思議そうについて来たクロには内容をまだ内緒にしている。

そして俺は、1位でゴール出来たのだった。


「お題を確認するぞ」


エレオノーラさんに言われて紙を見せる。


「よし、合格だ」


「やった!ありがとうクロ」


クロはお題が気になっている様で見せてと言っていった感じなので、紙を見せてあげた。

そこには"相棒"と書かれている。


「俺にとって1番初めに出会ったのがクロで、ずっと一緒にいるからね。1番の相棒だよ」


俺がそう言うと、クロは嬉しそうに飛び跳ねるのだった。

その後に、青スライムを連れて来たエムネスさんとオルフェさんを連れた大賢者さんが2番目、3番目とゴールをして、無事にゴール判定を貰っていた。

ちなみにエムネスさんのお題は魔物だった様で、集まっていたスライム達の元に向かうとすぐ逃げられたのだが、青スライムだけは逃げ遅れてしまった様で、風魔法で確保されてしまったらしい。

青スライムも怖かったと言う様な表情をしていた。

その後も続々とゴールをして行った結果、赤チームが無事に勝利した。


これで、お互いに20点ずつ与えられて赤チーム合計90点、白チーム合計98点となったのだった。


あんまり小説を書く時間が取れないのと、予想以上に長くなりそうだったので、午後の部は分割して投稿します。

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