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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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それぞれの1日:side ベル

「ママー!おはよー!」


「ぐえっ!」


私の1日はママを起こすところから始まります。

ママはお寝坊さんなので、こうしないとなかなか起きてくれません。


「ベル〜、そろそろママの体も限界だから他の起こし方にしてよ〜」


「じゃあ、しっかり自分で起きてね?」


「うっ、娘が大人過ぎる・・・」


「じゃあ、ご飯食べに行こー」


私とママは1番最後に起きてくるので、皆んながリビングで待ってます。

いつもの様に、朝ごはんを食べたら自由に過ごします。

たまに、お掃除のお手伝いもしますが遊ぶ事も大事と言われてるので、午前中は基本的に遊んでいます。


「今日は何しよっかな〜?」


ぶらぶらと外を歩いていると、スライムのクロがいました。

クロは私と同じ魔物で、全てのスライム達の始祖であるプライマルスライム生まれ変わりだそうで、いつも何をしているのかよく分からないので、


「そうだ!観察日記を作ろう!」


そう思い立ち、急いで部屋から鉛筆と用紙を持って来て、見つからない様にと物陰に隠れて尾行し観察を始めました。



まずは、他のスライム達を集めて朝ごはんを食べ始めました。

今日は倉庫に保管されていた、イノシシの肉を食べているようでムシャムシャと勢いよく食べて、肉はあっという間に無くなってました。

ご飯を食べ終えると皆んな別れて行動し、今日のクロは見回りの当番の様で家を守る壁の外側をグルグルと回り始めたので、私もその後を追いかける事にしました。


しばらくすると、クロが魔物に接敵しました。

相手は、この辺りでよく見かけるハイウルフです。

少し見つめ合った後に、クロが魔法を発動して相手を地面に押さえ付けました。

しかし、クロは魔物を討伐せずに魔法を解いて逃しました。

どうやら力の上下関係を見せつけて追い払ってるみたいです。


その後も、クロの後を追っていると、


「グゥ〜〜」


と私のお腹が鳴ってしまいました。

クロがチラッと後ろを見たので、バレない様にサッと木の後ろに隠れてやり過ごしました。

クロはすぐさま動き出して、見回りを続けるかと思いきや家へと帰って来て、また他のスライム達を集めてご飯を持って来ました。

どうやらお昼ご飯にするみたいです。


私も丁度お腹が空いてたので、ご飯を食べに家の中に戻りました。

急いで、ご飯を食べてクロの観察を続けようと思ったら、ゆっくり食べなさいとママに怒られちゃいました。


ご飯を食べた後、また庭に出てクロの観察を再開します。

今日は14時からアリシアお姉ちゃんとお勉強なので、それまでは観察を続けます。


クロ達もお昼ご飯を食べ終えたみたいで、今は壁の内側で何やらウロチョロしています。

しばらくすると立ち止まり、チラッと私の方に視線を送りました。

もしかしてバレてるのかなと思っていると、ピョンピョンと跳ねながら私の方にやって来ました。

やっぱりバレていたみたいです。

何をしてるのと言った感じで不思議そうにしていました。


「ごめんなさい。勝手に後をつけて日記を書いてました」


私が正直に話すと、全然気にしてないよという反応をしてくれました。

ちなみに私も魔物なので、クロの伝えたい事は完璧でなくとも何となくは分かります。


「もしかして、最初から気づいてたの?」


クロはそうだという反応をしたので、どうやら尾行は失敗してたみたいです。

クロが、私の書いた観察日記を見せて欲しいと言ってきたので、見せてあげると良く出来ていると褒めてくれました。


「クロは今から何をしようとしてたの?」


私がそう聞くと、ついて来てと言い家の敷地内で1番、日の当たる場所へとやって来ました。


「もしかしてお昼寝しようとしてたの?」


クロはそうだと言い、この場所が1番気持ちいいとも言いました。

クロがちょっと待っててと言うと、倉庫へと向かい大きなシートを取り出して来て地面に広げて、一緒に寝ようと誘って来たのでした。


「うーん、でもこの後お勉強が・・・」


ちょっとだけなら大丈夫だよと、クロからの誘惑に負けて私は一緒に横になるのでした。


「確かに気持ちいいね〜。こうしてたらすぐに・・ねむく・・なるね・・・」


と私はそこで意識を手放すのでした。




「ハッ!寝ちゃってた・・・」


次に目を覚ますと辺りは赤く染まっていました。


「あっ、勉強の時間が・・・」


「ふふ、心配しなくても大丈夫ですよ」


私の後ろからアリシアお姉ちゃんがやって来ました。


「あの、ごめんなさい、私寝ちゃって」


「今日はお休みだったという事で!ベルちゃんの寝顔があまりに幸せそうだったので、起こせませんでしたよ。それにほら、隣を見てください?」


隣にはクロに加えて、ママとティーおばあちゃんが眠っていました。


「皆んなベルちゃんに釣られて寝ちゃったんですよ」


「うへへ、もっとお酒もってこ〜い」


「う〜、ヴァルナよ、妾の仕事を増やすでない・・・」


ママは幸せそうな顔をして、ティーおばあちゃんは少しうなされていました。

そして、クロも幸せそうに寝ていて、そんなクロを撫でていると、プルプルと震えて起こしてしまいました。


「あっ、ごめんね。起こしちゃったね」


クロは周りを確認して自分が長い時間、寝てしまった事に気づき、起こせなくてごめんと謝まりました。


「仕方ないよ、凄い気持ちよかったからね。また今度誘ってね?」


クロは良いよと返事をしてくれた。


「それじゃあ残りの2人も起こしましょうか」


「は〜い!」


私はママを、アリシアお姉ちゃんはティーおばあちゃんを揺さぶり、


「んがっ、なんじゃ?もう朝か?」


「龍王様、今は夕方ですよ」


「あ〜〜、そう言えば昼寝しておったんじゃな」


ティーおばあちゃんは、しっかり起きて来たのに対してママはまだ起きてくれません。


「アレをするしかないかな?」


1日に2回やるのは初めてだけど、私は助走をつけてママ目掛けてジャンプをしました。


「ダ〜〜〜イブ」


「ストーップ!」


すると、ママは急に両腕を上げて起き上がり私をキャッチするのでした。


「あれ?ベル?何してるの?」


どうやらママはまだ寝ぼけている様です。


「ママを起こそうとして、いつもみたいにダイブしようとしたらキャッチされちゃった」


「なるほど・・・つまりママはこれからもそうやって起きればベルのダイブを受けずに済むんだね!」


「う、うん?そうなのかな?」


「よーしっ!明日から実践だー!」


とママは張り切るのでした。


その後は、ご飯を食べてからお風呂に入りリビングへと戻ると、皆んなに今日書いた観察日記を見せて欲しいと言われました。


「やっぱり絵とか上手だよね」


「このクロさんが戦っている部分は迫力がありますね」


「ベルの将来は画家さんかな?」


「それくらいの実力は既にあるのじゃ」


と皆んなが褒めてくれるのでした。

将来は画家さんになるかは分からないけど、絵を描く事は楽しいので、次は他の人の観察日記も書いてみようと思うのでした。


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