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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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暇つぶし

「久しぶり〜!」


と言いながら我が家のリビングに、大勇者のフィーアさんがいきなり現れた。


「なんじゃいきなり、びっくりするじゃろうが!」


「あはは、ごめんごめん、登録された場所がここだったみたいでさ」


「ほれ、お主のせいでベルがびっくりして隠れてしまったじゃろ」


丁度、全員がここで休んでいたのだが、驚いたベルがすぐさまオルフェさんの背中に隠れていた。


「あれ?初めまして?だよね?ていうか、知らない人があと2人いるね。ダークエルフと幽霊?なのかな?」


最後にフィーアさんに会ったのは結婚式の時だったので、リッヒさんとルインとベルの事は知らないので、それぞれ紹介をした。


「そっかそっか、でも皆んなが元気そうで良かったよ」


「ところで急に何しに来たんじゃ?」


「いや〜暇つぶしに面白い事が無いか来てみただけ」


「それならもっと普通に現れよ」


「前来た時に登録したテレポート先がここになってたみたいでさ」


「さっきも言ってましたけど、それって精霊が使えるゲートの事ですか?」


「そうだよ、コタケ君も使った事あるのかな?」


「最近、ヒルズに教えてもらって使いましたよ。でも、1か所しか登録出来ないんですよね?ここに使って大丈夫なんですか?」


「そっか、普通は1か所だけだったね」


「あれ?違うんですか?」


「私のランフィはね、精霊王に特別に許可されていくつも登録先を作れるんだ。だから、色んな所に旅に行けるんだよ」


「それは便利ですね」


「ワタルさんも同じ様にして貰うことは出来ないんですかね?」


そうアリーが言ったのだが、


「ん〜多分無理かな?流石の精霊王もそんなにホイホイ許可は出せないと思うし」


とフィーアさんは答えたのだった。


「そうでしたか、もし出来たら龍王様の負担もかなり軽減されたのですが」


「まぁ、今度会った時に私からも言ってみるよ。それはともかく、何か面白い事ない?」


「そんな事急に言われても困るんじゃが」


「何か最近あったことでも良いよ」


「なら、大賢者に会った話とかはどうですか?」


「何それ!詳しく!」


とフィーアさんは興味津々だったので、大賢者に会って一緒に戦った事を話した。


「わ〜お、そんな事があったんだ。大賢者って本当に実在したんだね。噂は聞いてたけど会ったことは一回もないからね」


「もしかしたらまだ、ラーブルクに居るかもしれませんよ」


「ほんとに!?じゃあ、ちょっと行ってくるね!」


そう言って、すぐにゲートを開き消えた。

今頃、テンメルスさんはいきなり現れる初代国王にビックリしてるんだろうなと思いつつ数分が経ち、再びフィーアさんは現れた。


「なんか用事が出来て今は居ないんだって・・・」


もしかすると、この前取りに行った花を調べているのかもしれない。


「まぁ、そのうち会えるかもしれないしいっかー。それで他には何かない?」


「お主の方が、色んな所に行っておるんじゃし何かあるじゃろ?」


「ん〜、そんなに面白い話は無いよ?強いて言うなら砂漠で炎を纏った鳥を見たくらいかな?」


とサラッと言ったのだった。

魔法のあるこの世界なら普通に居るのかなと俺は思ったのだが、他の人達もナニソレ?といった感じだったので、珍しいものの様だ。


「どう考えても、それじゃろ」


「えぇ〜?そうなの?」


「普通の鳥なら焼き鳥になっておるわ」


「ただ単にいきなり攻撃してきたから反撃して倒しただけなんだけど」


「普通に倒せたのか?」


「なんか何回も復活してくるから面倒臭くなって逃げたよ?」


(何回も復活する鳥なんて珍し過ぎると思うのだが・・・)


「あの、それってフェニックスじゃないですか?」


話を聞いたエレオノーラさんがそう言った。


「確かに特徴が一致するのじゃ、火を纏い、死んでも復活すると言う不死鳥じゃな」


「あぁ〜、なんか聞いたことあるかも」


「いや一応伝説上の魔物じゃから居るとは明言されおらんかったのじゃが・・・なんでそんな凄い魔物に会って気付かんのじゃ」


「何回も復活するしさー、うざいなぁ〜くらいにしか思ってなかったんだよね」


とフィーアさんは笑いながら言った。


「まさかフェニックスもそんな事を言われるとは思ってなかったじゃろうな」


「そうだ!なんなら今から見に行く?」


フィーアさんはそう提案し、


「見たい!」


とベルが興味を示したので、今から見に行く事になった。

特に準備はせずにゲートを使い一瞬で砂漠へと到着した。

当然ながら、辺りは砂だらけで他には何もなく、日差しも強くとても暑かった。


「え〜っと、ここら辺だった様な気がするんだけどな?」


フィーアさんはフェニックスの痕跡を探していた。


「まさか前回とは対極の場所に来ると思わなかったよ」


寒い所に行ったかと思えば今度は暑い場所に来る事となり、俺はそう言った。


「しかし、こうも日差しがきついとお肌には天敵ですね」


アリーがそう言うと他の人達も頷き同意した。

この世界には日焼け止めなどはあったりするのだろうかと思ったが、今回は準備もせずにやって来たので、


「なら、早めに見つけないとね」


俺はそう言った。

すると、フィーアさんが何かを見つけた様で、


「みんな、あそこ見て!」


上空を指差したのでそちらに視線を向けると、そこには全長5mはある火を纏った大きな赤い鳥が旋回しながら飛んでいたのだった。


「うわっ!ほんとにいる!」


オルフェさんが声を上げ驚いたが、他の人達も口を開けて驚いていた。

すると旋回していたフェニックスが空中で止まり、こちらの方を向いた。

そして、一気に降下してこちらへと向かって来たのだ。


「みんな、逃げろ〜!」


とフィーアさんが言い、一斉に後ろを向いて走り出した。

ただ、砂の上を走る事に慣れていないので、すぐさまフェニックスに追いつかれてしまった。

フェニックスは、火の玉を数個こちらへと投げ放って来たが、エレオノーラさんとフィーアさんが全て打ち返した。


「エレオノーラちゃんやるぅ〜」


流石に飛んでいる敵には分が悪いと思ったのだが、そんな事は関係なく、フィーアさんは氷の魔法を放ちフェニックスを貫いた。


「あれ?倒したんですか?」


アッサリと魔法でやられて、地上に落ちて来たフェニックスを見てそう言ったのだが、


「そうなんだけど、そうじゃないんだよね」


とフィーアさんは返した。

どういう事だろうと思っていると、フェニックスが突然発火し、貫かれた部分が再生していき再び飛び始めたのだ。


「ね?こうやって復活するから面倒臭いんだよね」


蘇ったフェニックスは再びこちらに狙いを定めて来た。


「はーい撤収撤収」


相手をしてられないといった感じで、フィーアさんがゲートを開いたので、それに入り家へと戻って来た。


「確かに、あれが何回も続いたら面倒じゃな」


「凄い魔物なのかもしれないけど、実際に遭遇したら面倒なだけだよ」


身をもって体験したので、何も言い返す事が出来なかった。

その後も、フィーアさんの暇つぶしに付き合い色々な話を聞き、日も暮れ一緒にご飯を食べた後、


「それじゃあ、またね〜」


とゲートを開いて何処かへと向かって行ったのだった。


「全く、人騒がせな奴じゃな」


ティーはそう言い、俺は次に来る時は家の玄関から入って来て欲しいと思うのであった。



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