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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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変身

今回短めです。

「ねぇねぇ、ベルって魔物の姿になれるのかな?」


お昼を食べてから皆んなでリビングでくつろいでいると、オルフェさんがそう言い出した。


「どうしたんじゃ急に?」


「いや、ベルってベヒーモスだって言う実感が全然湧かないからさぁ、どうなんだろうと思って」


「本人に聞いてみたらどうじゃ?」


ベルはトイレに行って居なかったので、帰ってきた所にオルフェさんが聞いた。


「魔物の姿に?う〜ん分かんない」


精霊王の話では、最近になってオルフェさんの気配を感じてから人の姿になったと言っていたが、ベルによれば初めて人の姿になった事で戻り方は分からないとの事だった。 


「不便な事とかは無いの?」


「ないよ!」


「じゃあ大丈夫なのかな?」


「しかし、万が一に備えて魔物の姿になって戦えた方が良いのでは?」


エレオノーラさんがそう言った。


「でも、私はやり方分かんないし教えられないよ?」


とオルフェさんは答えた。


「我が家にはうってつけの先生がいるじゃないですか」


アリーはそう言いながらティーの方を向いた。


「妾の事か?まぁ良い、任せるのじゃ!」


そうして、ティーとベルによる変身の特訓が始まった。

ベヒーモスはとても大きいと聞くので家の周りに被害が出ない様に、少し離れた場所で行う事となった。


「よし、まずは己の魔物の姿の時を思い浮かべるのじゃ!どうじゃ、覚えておるか?」


「う〜ん、何となく・・・」


「まぁ、ある程度覚えておれば大丈夫じゃろ。そうしたら、頭の中で姿を思い浮かべだら、こう言うんじゃ、へんしーん!っとな」


「いやいや、ティーが言ってるとこ見た事ないんだけど」


「最初は形が重要なんじゃ」


本当かなと疑いつつ、ベルが実際にやってみる事となった。


「まずは、頭の中で思い浮かべて・・・う〜ん・・・」


と目を瞑って唸り、カッと目を開いた。


「へーんしーん!」


と言い、いつものティーの様に光で覆われて、魔物の姿へと変わると思ったのだが、何も変化は起きなかった。


「あれ?何も起きないよー?」


「うーむ、イメージ不足じゃな」


「イメージで、そんなに変わるものなの?」


「初めのうちはな。じゃからベルよ、もう一度じゃ!」


「うん!」


そこからベルは、何度も練習をしたのだが中々魔物の姿にはなれなかった。

そして、いつの間にか夕方になりオルフェさんが家に帰ってくる様に呼びにやって来た。


「どう?ベルは変身出来る様になった?」


「まだ出来てないんだ。今も諦めずに練習中だよ」


ベルはずっと、


「へんしん!」

「へんしーん!」


と言い方を変えつつも頑張っていた。

そこをこだわる必要は無いのではと思ったが、可愛いので良しとした。


「そっか、でももう時間だし今日はここまでだね〜。ベルー、そろそろ帰るよー!」


「じゃあ次でラストにするー!」


オルフェさんに気付いたベルはそう言った。

ベルは目を閉じて集中し出した。


「ん〜〜、へんーーしーん!」


すると、ベルの周りを白い光が覆い始め姿が見えなくなった。

光が収まり遂にベルの姿が露わになる。


そこに居たのは、山と見間違えるほどの大きな大きな魔物ではなく・・・

フワフワの毛をした、うり坊の様な見た目をした魔物だったのだ。


「もしかして、ベル?」


オルフェさんがそう聞くと、うんと体を揺らした。


「あれ?もしかして喋れないのかな?」


俺の疑問にベルは体揺らしてそうだと言う様に答えた。


「まぁ、初めて人から魔物の姿に変身したのじゃし仕方ないの、何度か変身すればいずれその状態でも喋る事はできるじゃろう」


そう聞いたベルは嬉しそうだった。


「それにしても、ちっちゃくて可愛いね〜」


オルフェさんはベルを抱っこしてフワフワの毛の中に顔をうずめた。


「まだ成長途中じゃからの、これから更に大きくなっていくはずじゃ。じゃが、今の姿じゃと変身した所で抵抗は出来なそうじゃし意味は無さそうじゃな」


確かに今の姿じゃかえって危険になりそうだ。

オルフェさんがひとしきりベルを抱いた後、人の姿に戻ろうとしたのだが、戻り方が分からなかったのか戸惑っていた。


「頭の中で人の姿の自分を思い浮かべるんじゃ」


ティーがそう言い、しばらくするとベルが再び光に包まれて、いつもの子供の姿へと戻った。


「ママー、私ちゃんと変身できたよー!」


「うん、見てたよ〜」


「どうだったー?」


「可愛いかったよ」


「えへへー」


「とりあえずは今日の感覚を忘れずに、練習を続けていく事じゃな」


「はーい!」


とベルの特訓はしばらく続くのであった。



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