腕輪の機能
アリシアさん達と出会った翌日、ひとまず俺はもう一つ家を建てる事にした。
「とりあえず大人数でも入れるような家を建てるか」
と早速作業に取り掛かろうとすると、
「コタケ様おはようございます」
後ろから声が聞こえたので振り向くとアリシアさんとエレオノーラさんがやって来た。
「アリシアさんおはようございます。昨日はよく休めましたか?」
「はい、お陰様でしっかりと休めました」
「それは良かったです」
「ところで、コタケ様は何をなさろうとしていたのですか?」
「えっとアリシアさん達が滞在する事になったので、もう少し大きめの家を建てようと思っていた所です」
「そうだったのですね、私達にもお手伝い出来ることがあれば何でも言ってください」
「ありがとうございます、でも多分すぐ終わるので大丈夫ですよ」
「でもお家を建てるのですよね?お一人では、何週間も掛かってしまうのでは?」
「まぁ見ていて下さい」
そう言い俺は腕輪を大工用の道具に変化させ作業に取り掛かった。
そして3時間後には以前の家よりもさらに大きな家が建っていた。
今回は7つの個室も作った。
「お、驚きました!まさかこの大きさの家をほんの3時間で作りあげてしまうとは・・・何かしらの魔法をお使いになっているのですか?」
「いえ、魔法は使ってないですよ。俺が今身につけている腕輪は色々な道具に変化させられて、これを使えば何故かすぐに家を建てられるんです」
「驚いたな!そんな魔道具は初めて見るのだが・・・」
とエレオノーラさんは言う。
「よければ使ってみますか?」
「む?いいのか?大事な物ではないのか?」
「そうですよ、コタケ様その様な貴重な物を簡単に人に貸してはいけません」
「お二人なら大丈夫ですよ」
と言ってエレオノーラさんに腕輪を渡した。
「腕輪を付けて自分の使いたい道具を想像するんです。とりあえず剣をイメージしてみてください」
「了解した」
そしてエレオノーラさんが剣をイメージし出すと・・・
何も起きなかった。
「ん?イメージしても何も起きないのだが?」
「あれ?おかしいですね?ちょっと貸して貰って良いですか?」
そう言い俺が腕輪を付けて剣イメージすると・・・
きちんと鉄の剣に変形したのだった。
「もしかしたら、その腕輪は限られた人にしか使えないのでは無いでしょうか?」
とアリシアさんが言う。
そう言われてこの腕輪をくれた神様との会話を思い出してみると。
「あっ!」
(そういえば、俺が認めた人じゃないと使えないんだった。でもどうやってそんなの設定するんだ?神様から何も説明されてないんだが・・・)
とりあえず適当に腕輪をいじっていると、腕輪の裏側に宝石が埋め込まれているのに気がついた。
その宝石を押してみると・・・突然目の前に
『アリシア・ウッドフォードとエレオノーラを使用者として認めますか?』
といった文字が浮かび上がってきた。どうやら2人には見えていない様だ。
(使用者として認める)
俺は心の中でそう呟いた。
すると腕輪が急に光を発した。
『新たに2名の使用者が登録されました』
光が収まり、新たに文字が浮かび上がってきた。
(これで使える様になったのかな?)
「エレオノーラさんもう一回使ってみて下さい」
「ああ、わかった」
そしてエレオノーラさんに再び剣をイメージして貰うと・・・
今度はきちんと腕輪が鉄の剣に変化していた。
「おぉこれは凄いな!」
「あまり強い剣にはなりませんが、他の色々な物にも変形できますし便利ですよ」
「しかし、何故急に使える様になったんだ?」
「さっきアリシアさんが言ってくれた通り、この腕輪は限られた人にしか使えなかったみたいなので、アリシアさんとエレオノーラさんが使える様に使用者として登録しました」
「あら?私もよろしいのですか?」
「はい、お二人とも何か困ったことがあれば言ってくれればいつでもお貸ししますよ」
「ありがとうございます」
「感謝する」
こうして、腕輪の機能が判明した所でお昼になったので新たな家で昼食を摂ることにした。
10話目&累計500PV突破!
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