ネガティブな思考
僕は俗に言う「落ちこぼれ」だった。
人から言われなくても嫌というほど自覚はしていた。
どうして僕は周りと違うんだ、と自分を嫌った。
どうして周りは簡単に出来ることが自分には出来ないのだろう、と悔しさを募らせた。
どうしてこんな落ちこぼれの僕が生きているんだと、自分で自分を責めたこともあった。
自分を責めたところで何か変わるわけじゃなかった。
僕は何も変わらなかった。
変われなかった。変わりたかった。
もしも違う世界で生きることが出来ていたのなら
僕は何かしら変わることが出来ただろうか。
こんな自分を変えたかった。
ネガティブで弱気で人見知りで消極的な自分を変えたかった。
今世はもう手遅れかもしれないけれど
来世にくらい期待していたっていいだろう?
変わることは簡単だったのに
僕は変わる為の努力を全くしていなかった。
努力は必ず報われる?
馬鹿馬鹿しいにも程がある。
報われない人間だっている。
それなのに大人達は努力をしていない人間にそう諭す
何が正しくて何が間違いだとか誰が決めた?
少なくとも僕は正論を並べ立てて説教するような大人にはなりたくない。
ねぇ、神様がいるなら僕を助けてよ。
助けるなんて口だけじゃなくて。
僕を本当の意味で助けてよ。
僕はこの時はまだ知らなかった。
これから起こる出来事によって僕の運命が大きく変わることを。