〜対峙〜
更新が遅くなり本当に申し訳ありません
やっと納得のいくものが書けました!
それでは本編をどうぞ!(= ・ω・)っ
第9話「~対峙~」
月華がそう言うと、辺りは目まぐるしく変わり、暫くすると森の中の畔に移動していた
紀「妖術...か?」
紀は辺りを見渡した
月華「彼処では狭くて思い切り戦えないでしょう?思いやりというやつです...ふふ...」
月華はニヤリと笑いながら言う、それを聞いた紀は袖から呪紙を取り出すと鐘雲に指示を出した
紀「お気遣い感謝するよっ!!鐘雲!!僕の援護をっ!!!」
鐘雲「御意っ!!! 」
鐘雲はすぐさま紀の横に並んだ
月華「ほぉ...僕と同じ妖狐で有りながら人の子の味方をするとは...虫唾が走るっ!そんなに死に急ぎたいなら今すぐ殺してくれるっ!」
そう月華が言うと3本の尾を靡かせ狐火を放ってきた、鐘雲は紀の前へと出た
鐘雲「貴様の様な下賎な妖狐と一緒にするなっ!我は貴様とは全然違うっ!妖狐の面汚しがっ!!ここで朽ちろっ!我が言霊を聞き届けし者よ!我らの盾となり守りたまえっ!盾祥苑っ!」
鐘雲が呪を唱えると紀と鐘雲の前に結界が貼られ、狐火を防いだ
月華「小癪な...っ!!!僕は...僕はぁぁっ!!我が一族の仇を取るのだっ!僕の命に変えても滅ぼすのだっ!」
そう月華は声を荒らげると、一瞬で紀と鐘雲の前に移動してくると、尾で攻撃をしてきた、すかさず鐘雲が自身の尾で攻撃を受け止める
月華「そこを退けっ!!!」
鐘雲「断る!我が主様には指1本触れさせない!この命に変えてなっ!!」
そう鐘雲は言うと月華の尾を振り払う
月華「何故...人の子にそこまでする...人の子は自分の利益の事なら手段を選ばない、例えそれが他の生き物であっても躊躇なく命を奪う!何故それが分からないっ!?」
鐘雲「そうではない人の子も居る!それを我が主...紀様に教えてもらったのだ!」
2人は睨み合ったまま対峙している、すると紀が動き出した
紀「ありがとう、鐘雲時間稼ぎご苦労さま、おかげで印が組めた」
鐘雲「はっ!」
鐘雲は紀の言葉を聞くと後ろへ飛び退いた
紀「復讐に身を委ねた愚かな妖狐よ、お前の計画もここで終わりだ、我が言霊を聞き届けし者よ!愚かなる者に静かなる眠りをっ!睡咲華っ!」
紀が呪を唱えると月華の辺りが光を放ちその光にみるみる月華は飲み込まれてゆく
月華「僕はっ!まだ諦めんぞ!半端者の祓い屋風情がっ!!末代先まで呪い祟ってやる!おぼえておけ!!!」
そう月華が捨て台詞を吐くと1本の尾から禍々しい気を放つとその気は紀の右腕に憑いた
紀「ぐっ!...」
月華「ふふ...あっははははっ!僕は蘇り必ずお前を殺してやる...」
月華は光に包まれるとその光は黒い勾玉に姿を変えた
鐘雲「主様っ!!!大丈夫ですか!?なにか呪いを受けたのですか!?今すぐ祓わねば」
鐘雲は紀に駆け寄り呪を唱えようとすると、それを紀に止められた
紀「いや...いいんだ...これは僕の業この村の人々を救えなった戒めなんだ...だから大丈夫」
紀はそう言うと勾玉を地面から拾い上げるとそれを祠の方へと持っていく
鐘雲「分かり...ました...主様がそう言うなら...」
鐘雲は複雑な気持ちを抱きながら、紀の後を追いかける
紀は祠の扉を開け、その中に勾玉を置き扉を閉じると人差し指と中指を立て呪を唱える
紀「ここに封じよう...我が言霊を聞き届けし者よ、人に仇なす物を封じよっ!封雹煉」
祠の周りに結界が張られた
鐘雲「主様...」
紀「そんなに浮かない顔しないで?鐘雲はよくやってくれた!ありがとうね?こんな頼りない主で申し訳ないよ」
そう言うと紀は鐘雲の頭をくしゃくしゃと撫でる
鐘雲「そんな事ありません!主様は素晴らしいお方!どうかそんな事は仰らないでください」
鐘雲は紀の目を真っ直ぐ見て言う
紀「ありがとう...頼みたい事があるんだ」
鐘雲「はい!なんなりと」
紀は撫でるのを辞めると鐘雲を見つめて言う
紀「この祠を護っていて欲しいんだ、良くない者がこの封印を解かないように見張って欲しい、見張っている間、鐘雲は屋敷に帰って来れない..けど...」
紀は悲しそうな表情で話す
鐘雲「分かりました!この鐘雲この命に変えても御守り致します!そんなに悲しそうなお顔をなさらないでください!近々主様のお弟子さんが来るのでしょう?あの屋敷も賑やかりなります!どうか私の事はお気になさらず!」
鐘雲はくしゃっと笑うと紀にすり寄った
紀「ありがとう...鐘雲...ぐずっ...」
紀は泣きながら御礼を言う
鐘雲「私の子分に主様を屋敷まで送らせましょう、私はいつも主様を思っております」
そう鐘雲が言うと1匹の白狐が紀の前に現れた
紀「本当に鐘雲は頼りになるな、この村の人々を弔って帰るね、元気で」
紀はそう言うとその場を後にし、村の人々を弔うと屋敷へと帰って行った
最後まで読んでいただきありがとうございます!!これで金雲の回想は終わりです!