「〜最悪の結末〜」
更新が遅くなりすみません…中々アイディアが浮かばずやっと書き上げられました!私が見た記事だと白い狐が善狐、黒い狐が野狐となっていましたが私は狐が大好きなので関係ありません!!まぁそんな話は置いといて…本編をどうぞ!!
キャラ紹介
月華
年齢不明
性別不明
長の甥でかなりの実力派だったのだが、黒狐狩りにあい1人残され悪鬼と化し人々に仇なす存在となってしまった。
「〜最悪の結末〜」
紀と鐘雲は元来た一本道を歩いていたしかし、直ぐに違和感に気付く
紀「ねぇ鐘雲何かおかしい気がしないかい?」
紀は鐘雲に問いかける
鐘雲「確かにそうですね…同じ所をぐるぐる回ってる感じです、さっきもあの木は見ました」
紀「やっぱりか…」
そう言って紀は裾から呪紙を取り出すと、中指と人差し指を立て唱える
紀「我が言霊を聞き届けし者よ、我らを正しき道へと導け」
そう唱えた瞬間、呪紙は青い炎を上げ燃え始めた、紀は反射的に呪紙を落としてしまった。
紀「っ!誰かが僕達を村に行かせないように邪魔してるね」
鐘雲「邪魔ですか?一体誰が…」
紀「うん…こんな芸当出来るのは低級の妖じゃ無理だ…だとすると、今追ってる妖狐に間違いないね」
紀はそう言うと、表情を曇らせる
鐘雲「という事は一種の結界の中に閉じ込められているという事ですか?」
鐘雲が尋ねる
紀「流石!僕の1番の式話が早くて助かるよ」
紀と嬉しそうに言う
鐘雲「当然です!ならばこちらも対抗するまで!!」
鐘雲はそう言うと中指と人差し指を立て唱え始める
鐘雲「我が言霊を聞き届けし者よ!我らを阻む全てを打ち砕け!!砕隆苑」
そう唱えた瞬間何かが割れる音が響き渡り、さっきまで夕焼けの空が星の輝く夜へと変わった。
紀「今まで見てた景色は全て偽物だったのか…嫌な予感がする…今すぐ村に戻るぞ!」
鐘雲「御意!」
2人は急いで村へと向かった
〜東の村〜
紀「はぁ…はぁ…着いた…(何かがおかしい…灯りが1つも付いてない…)」
紀が辺りを見渡し不信に思っていると鐘雲が村長の屋敷を指差し言う。
鐘雲「主様!村長の屋敷にだけ灯りがっ!!」
紀「っ!まさか!」
紀は不信が確信に変わり、走り出す
その後を鐘雲も追う
鐘雲「主様!」
紀は息を切らしながら、大広間の扉を思い切り開く、しかしその時は全て遅かった
紀「はぁ…はぁ…はぁ…皆さん!大丈夫でっ!!」
紀が目にした光景は悲惨な物だった、村人全員が惨たらしく惨殺されていたのだ、中には子供まで居た、しかしどの子供を見ても心の臓だけ無かったのだ。
紀「そんな…僕は救えたはず…なのに…僕が…僕が…」
紀はその場に膝を着き嘆く、その姿を見た鐘雲がそっと近くに寄り、紀の背中を摩る
鐘雲「主様…主様は出来る事の限りを尽くしました…」
そんな2人を嘲笑する様に、大広間の奥から声が聞こえて来た
月華「ふふ…あっはははははっ!無様ですね?祓い屋、名の知れた祓い屋とい聞いて警戒していましたが、この程度ですか?」
2人は声のする方向を見て愕然とする
紀・鐘雲「っ…!!」
2人は目を疑った、そこに居たのは紛れもない、村長である幾月だった。
紀「幾月さん?まさか貴方が…そんな馬鹿な…」
紀が動揺していると、すかさず鐘雲が言う
鐘雲「主様…騙されてはいけません…彼奴は幾月様ではありません!冷静に考えて下さい!この気…普通の人間ではありません!」
紀「じゃあ…まさか追っていた妖狐!?」
月華「人間とは本当に馬鹿ですね?目の前に写った景色のみ信用し、影に隠された真実を見抜こうともしない…まぁお陰で目標は1つ達成出来ました。」
そう言うと幾月の周りに黒い煙が立ち込め、みるみる黒い狐の姿へと変わって行った、その体毛は漆黒の黒、瞳は夜空に輝くつきの様な金色の色をしている。
紀「黒狐…黒狐狩りの時の生き残りか…」
月華「えぇ…僕の一族を滅ぼした憎き人間共…やっと僕の悲願が叶う…手始めにこの村を滅ぼし、次は都を滅ぼしましょうかね」
月華は不敵な笑みを浮かべながら言う
紀「お前だけは許さない…!今ここでお前を討つ!」
紀はそう言うと立ち上がり、月華と向き合った
月華「おやおや、随分と威勢が良いですね?村一つ守れない、落ちこぼれ祓い屋の分際で」
鐘雲がその言葉を聞いた瞬間、妖狐の姿に戻り、毛を逆立て紀の前へと出た
鐘雲「貴様ぁ!我が主を愚弄するとはっ!許さん!」
その姿を見て紀は鐘雲の前に手を出して遮った
紀「やめろ、鐘雲」
鐘雲「しかし主様!」
紀「やめろと言ってるのが聞こえないのか?」
紀は冷たい目で鐘雲を睨みつける。
鐘雲「っ…分かりました」
そう言うと鐘雲は紀の後ろに回った。
月華「怒っているのですか?自分の無力さ故にこの状況を産んだという実に愚かですね?ふふ」
紀を煽るように月華は話す、しかし紀は拳を握り怒りを抑え問いかける
紀「お前は何故こんな事をした」
月華「さっきも言った通り、我らの一族の復讐のため以外の何物でもない、あと僕には月華という名がある、お前ではない」
月華はニヤリと笑いなが言う
紀「そうだったとしても、この人たちには生活があった!明日を生きたいという願いがあった!」
月華「それがどうした!僕の愛する妻を奪われた恨み晴らして何が悪い!」
2人は声を荒らげる
紀「この村の人にも愛する人が居た、その人を奪っても同じ事が言えるのか?」
月華「愛する人?あぁ…あの夫婦か…人間とは愚かで滑稽だ…僕が村長に化け、この中に妖狐が混ざっておるぞ!と言った瞬間、皆顔を見合わせ疑心暗鬼になり、さっきまで仲の良かった夫婦は自分の妻を殺し、他人に殺され…実に愉快でした」
ケラケラと笑いながら月華は話す
紀「性根の腐った奴め!我が言霊を…っ!」
月華「この人の子を死なせなくなかったら、呪を唱えるのを辞めるんだな」
紀が呪を唱えようとすると月華は骸の山を漁り、小さな女の子を引きずり出し自分の盾のように女の子を前と突き出す、女の子は息が細く衰弱しきっていた
紀「くっ!」
紀は言われた通り呪を唱えるのを辞めるしかなかった
月華「ふふ…聞き分けが良くて助かる」
そう言うと月華は女の子を解放した
紀「早くこっちへ!!」
女の子「お兄ちゃん…助け…」
手を差し伸べようとした瞬間鮮血が飛び散る、鮮血は紀の頬にもべっとりと付いてた
紀「っ!?どういう…」
紀は目の前に倒れている女の子を見下ろし唖然とする
月華「ふふ…ははははっ!そんな上手い話がある訳ないでしょ!その絶望に満ちた表情最高ですね!命とは尊ければ尊い程、力の源になるんですよ」
月華の方を見ると月華は子供の心の臓を尻尾で抉りとりむしゃむしゃと頬張っていた
紀「月華…他の子供全て喰らったのか…」
そんな紀をよそに月華は話す
月華「妖とは古来より人を喰らって生きてきました、食物繊維という事です、貴様ら人間も家畜として牛や豚を喰らう、それと一緒でしょう」
紀「っ…」
紀は何も言い返せずにいた、確かに人間も同じ事をしている、その事だけを否定すれば人間に食べられるだけの存在の家畜を低く見てるのと一緒だからだ
月華「ここでは部が悪い…場所を変えましょう」
最後まで読んで頂きありがとうございました!!少しでもいいと思ったらコメント頂けると幸いです!誤字脱字などありましたコメントで教えて頂けると助かります!