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妖狐と祓い屋  作者: 狐珀
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〜大切な者〜

今回はこの村で何があったのか…村の人々がやってきた愚かな行いとは…それについて少し書きます

第7話「〜大切な者〜」


小物の妖に教えてもらった道を歩いていく2人少しすると美しい湖が見えてきた


紀「っ!…凄いな」


鐘雲「こんな美しい場所があったのですね」


2人は湖のあまりの美しさに言葉を失った


紀「ここは村からも結構離れているからここを住処にしていてもおかしくないね…何かないかな」


と言いながら紀は周囲の散策を始めた


紀「鐘雲も何か見つけたら教えて?」


鐘雲「御意」


2人はそれぞれ散策を開始した


紀「本当に美しい場所だ…陽の光が心地よい…」


紀は深呼吸をした


この湖の周りは緑が生い茂り少し薄暗いが、湖の場所だけは陽の光が差し込み幻想的な雰囲気を醸し出している

暫く歩いているいていると遠くから鐘雲の呼ぶ声が聞こえた


鐘雲「主様〜主様〜」


紀はその声が聞こえる場所へ向かった


紀「どうしたんだい?鐘雲何か見つけた?」


鐘雲「はい…これは随分寂れていますが…祠でしょうか?」


鐘雲が指差す先には寂れた小さな祠が一つぽつんと佇んでいた


紀「そうだね…こんな所じゃ信仰心も無いだろうし…神様はもう居ないみたいだね…ん?この気配」


鐘雲「どうされたんですか?」


紀は祠の前で腕組みをすると考え始めた

紀「これは神様の為の祠じゃない…何かを供養するための祠…?でも一体何を…」


紀は祠の周りを見始めたするとある物を見つけた


紀「っ!…これは」


鐘雲「どうされたんですか?主様」


紀が見つけた物は祠の横に少し土が盛ってあり膨らんでいる上に1輪の彼岸花が供えられていた


鐘雲「彼岸花…一体誰が?この祠は一体」

すると紀は淡々と話し始めた


紀「これは狐の魂を供養する為の祠だ…天羽(あまは)様から聞いた事がある…かつてこの地では黒狐狩りが盛んに行われていたらしい…その黒狐の魂を鎮める…そんな感じの祠かな…」


鐘雲「黒狐狩り…なんと愚かな…ではこの彼岸花は誰が?」


紀「そこまでは分からない…確か彼岸花の花言葉は…思うはあなた一人…また会える日を楽しみに…だったはず…そうだとすれば黒狐の生き残りか、はたまた黒狐の妖狐が供えたのかもしれないね」


鐘雲「妖狐…」


鐘雲は難しい顔をしている


紀「どうしたんだい?」


鐘雲「いえ…それが本当に妖狐が供えたものならば…やはりあの村長は…」


鐘雲は村を離れた時からこの村長…幾月が怪しいと睨んでいた


紀「鐘雲…もしかして幾月(いつき)さんを疑ってるのか?お前だって見ただろ?あの人は妖狐何かじゃない…人間だぞ?」


紀は言った


鐘雲「っ…しかし…あの方以外考えられません!」


しかし鐘雲が必死に訴えても紀は一切聞く耳を持とうとしない…すると


紀「もし…幾月(いつき)さんが妖狐だったら本物の幾月(いつき)さんは何処に行ったって言うんだ?」


鐘雲「それは…」


鐘雲は表情を曇らせた


鐘雲「っ…恐らくもうこの世にはいらっしゃらないかと…」


紀「っ!!お前!それ本気で言ってるのか!?自分で何を言ってるのか分かっているのか!!」


紀は鐘雲の言葉を聞いて声を荒げて言った


鐘雲「ええ…分かっています!!だからこそ真実を知るべきなんです!この事から目を背けていたら全てが手遅れになります!そうなったら…もう二度と…元には戻らないんです!」


鐘雲は紀の反論をものともせず言った


紀「………」


紀は鐘雲の言葉を聞くと黙ってしまった


鐘雲「主様!!」


鐘雲は必死に訴えた


紀「……かった」


鐘雲「え?」


紀が小さな声で言ったので聞き取れず思わず聞き返す


紀「分かった!って言ったんだよ!君がそこまで言うんだ…君は僕の一番の式だから…信じるよ」


紀は少し照れたように言うと真剣な眼差しで鐘雲を見つめた


鐘雲「主様…!ありがとうございます!」


と言って紀に抱きつこうとすると紀は自分の前に手を出し拒絶した


紀「いや…抱きつかなくて良いから…本当に」


そう言われると鐘雲はスッと後ろに下がった


鐘雲「そうですか…では1度村に戻りましょう!直接本人に問いただしましょう…」


紀「うん…そうだね…でも鐘雲…この事は絶対に他の人には話してはいけないよ?分かったかい?」


紀は鐘雲に言った


鐘雲「?何故ですか?」


紀「それはね…今はたたでさえ妖狐の事で村が大変な事になってるんだ…この事が村の方々に知れてみろ…すぐに妖狐を探し出そうと動き出す…最悪の場合…殺し合いになりかねない…それだけは絶対に避けないといけない…」


鐘雲「っ…御意」


鐘雲は紀の言葉を聞くと静かに頷いた


紀の思いとは裏腹にこの会話を木の陰で聞く者がこの時居たのだった…そこに居たのは鐘雲が睨んだ通り村長の幾月(いつき)?だった


幾月?「ほぉ…(やつがれ)の正体に気付いたか…ふふふ…面白い…ではあの計画を早めるとしよう…」


そう言うと幾月?(いつき)は薄ら笑いを浮かべると煙の様に消えていった


鐘雲「っ!!」


鐘雲は視線を感じその場所に目をやるが何もいない

紀「?大丈夫?鐘雲何かあった?」


鐘雲「い、いえ…行きましょう此処に長居するのもあまり良くないかもしれません…もうすぐ逢魔が時…ですから」


紀「そうだね…行こう」


そう言うと2人は元来た道を戻って村へと向かった

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます!

遂に妖狐が本性を出してきました!計画とは…次回に全てが明かされます…是非読んで頂けると嬉しいです!

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