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妖狐と祓い屋  作者: 狐珀
6/18

〜つかの間の休息〜

今回は休息回と言うことで少しふざけてみました。あの幾月は本当に幾月なのか…?ではでは本編を…どうぞ!

第6話「〜つかの間休息〜」


「トントントンっ……」


紀は何かを切る音で目が覚めた


「うーん…なんだろ…」


鐘雲はまだ気持ち良さそうに眠っている。

紀はむくっと起き上がると音が聞こえる方へと足を運んだ。


紀「誰かいらっしゃるんですか…?」


恐る恐る台所の襖を開けた、そこには1人の村人が朝食の用意をしていた。


村人A「っ!紀様…起こしてしまいましたか…申し訳ありません」


と村人は申し訳なさそうに紀に言った。


紀「い、いえ…!一体何をしているんですか?」


村人A「村長様に頼まれまして…お二人の朝食の用意をしてくれと…」


村人はそう言うと微笑んだ


紀「わざわざ僕達の為に…ありがとうございます!」


村人A「いえいえ…我々の為に結界まで張って下さった…これぐらいして当然です!ですが…まだ用意にかかりますのでもう少しお休みになられて下さい」


村人は深々と頭を下げた


紀「分かりました!」


そう言うと紀は寝室へと戻っていった

そして村人は鼻歌を歌いながら朝食の準備へと戻った


〜30分後〜


鐘雲「ん〜主様〜」


寝ぼけて鐘雲が紀に抱きついた


紀「っ!鐘雲!離れろ!こんなの他の人に見られたら勘違いされるだろ!!」


少し焦りながら紀は言う…しかしタイミング悪く村人が2人の寝室の(ふすま)を開けてしまう


村人A「失礼致します。お二人共…朝食の用意が…っ!」


その場の空気が一瞬にして凍りついた

村人が目にしたのは成人男性が2人抱き合っている姿だった…


紀「あ、あの!!これは誤解です!!本当です!!」


紀は慌てて鐘雲を引き剥がそうとするが中々離れない鐘雲……誤解を解こうと紀は慌てて言うが…


村人A「申し訳ありません!!お邪魔をしてしまい…!食べ終わりましたら食器はそのままで結構ですので!では失礼します!」


早口で村人が言うとすぐに駆け出して行ってしまった。


紀「鐘雲…お前…何してるんだ!?離れろっ!!」


鐘雲「ん…っ!主様!!何故!?私が主様に抱きついて…!」


と鐘雲は焦ったように言うと

紀は鐘雲を鋭く睨みつけると思い切り一発殴った


鐘雲「ぐっ…!あぁぁぁぁぁ……」


鐘雲は頭を抱えその場にのたうち回った


紀「鐘雲のど阿呆!あれじゃ完全に勘違いされたじゃないか!!どうするんだ!そのうち自分の連れと一緒に寝てた…なんて言われかねないぞ!どうするんだ!末代までの恥だぞ!」


と怒鳴り紀は怒りの表情で鐘雲に訴えた


鐘雲「う…申し訳ありません…これからは気を付けます…」


紀は少し呆れたようにため息を付くと


紀「はぁ……もう…まぁ今度からは気をつけて…じゃあ僕は着替えるから先に行ってて」


鐘雲「はい…失礼します」


鐘雲は寝室を後にし、広間へと向かった


〜数分後〜


紀「お待たせ…先に食べてても良かったのに」


いつもの赤い着物を来た紀が広間へとやって来た


鐘雲「私が主様より先に食べるなど…言語道断…しかもあの様な事をしでかしましたからね…」


苦笑いをしながら鐘雲が言った。


紀「そっか…」


と言いながら紀は席に着いた


紀「じゃあ頂こうか!」


鐘雲「はい!」


2人は手を合わせ


鐘雲・紀「いただきます」


村人が用意をしてくれた食事を食べ始めた


紀「ん!この漬物ちゃんと浸かってて美味しい! 」


鐘雲「このお味噌汁も中々美味です」


〜数分後〜


紀「はぁ〜美味しかった!ご馳走様でした!」


鐘雲「ええ…とても美味しかったです!ご馳走様です」


2人は満足そうに箸を置いた


紀「村人の方が食器はそのままで良いって言ってたから…このまま村の見回りに行こうか」


鐘雲「承知しました」


そう言うと紀達は広間を後にし、村へと出て行った


〜村の中〜


紀「結構人が居るんだね〜」


周りをキョロキョロしながら紀が言う


鐘雲「そうですね…良い所です」


すると突然叫び声が聞こえた


村人B「妖だ!妖が出たぞ!!」


村人C「っ!妖!?」


村人D「こんな時に!?」


騒めき始める


すると紀が大きな声で言った


紀「皆さん!落ち着いて下さい!私達で何とかしますので皆さんはこの村から絶対に出ないで下さい!」


そう言うと村人は安堵の表情を浮かべた


村人C「紀様だ…」


村人D「紀様…ありがとうございます」


村人達の響めき(どよめき)は静まっていった


紀「鐘雲…行くぞ」


鐘雲「御意」


そう言うと2人は妖が出た方へと歩いって行ったその途中に幾月(いつき)に会った


幾月?「紀様!今から妖を祓いに行って頂けるのですか!?」


すると鐘雲が不思議そうに幾月を見つめる


鐘雲「………?」


紀「えぇ…野狐の件も気になりますが…今は妖を祓うのが優先ですので」


幾月?「なんと頼もしい…ありがとうございます!あちらの林の奥に出たとと聞きました。お気を付けて」


幾月は近くの林を指差した


紀「分かりました!ありがとうございます」


そう言って紀は歩いていった


〜林の中〜


紀「確かここら辺のはず…というか…鐘雲…さっきどうしたんだい?幾月さんを見て不思議そうにしてたんだい?」


紀は気になっていた事を鐘雲に尋ねた


鐘雲「それは…あの幾月様は本当に幾月様ですか?」


紀は鐘雲の言葉にきょとんとする


紀「え?どういう事?」


鐘雲「なんというか…一瞬野狐の様な雰囲気…匂い?の様なものを感じまして…」


紀「野狐か…どうだろう…僕は何も感じなかった…な…」


と話をしていた時怒声が辺りに響いた


妖「貴様!人の子の分際で我を見たな…なんと愚かな…喰らってやるわ!!」


といきなり妖が紀目掛けて襲ってきた…


紀「っ!妖!?またいきなりの登場だね!!まぁ僕には関係無いけどね!!」


紀は少し後ろに下がるとニヤリと笑い人差し指と中指を立て呪を唱えた


紀「我が言霊を聞き届けしものよ…我に仇なす…影なる者を打ち祓えっ!」


妖「っ!祓い人っ!?何故こんな所に…ぐっあぁぁぁぁっ………」


そう紀が唱えると妖は(ちり)の様に消えていった


紀「低級の妖か…はぁ…何ですぐに襲って来るかね〜心臓に悪いって」


呆れた様に紀は言った


鐘雲「流石です…主様」


静かに鐘雲が言った


すると近くの茂み(しげみ)からヒソヒソと話声が聞こえてきた


小物の妖A「見ろ!祓い人だ!」


小物の妖B「な、なんと恐ろしい…我らも祓われてしまうのか…?気付かれないうちにここを去ろう…」


ひょこっと茂み(しげみ)の影から顔を出した紀が言った


紀「ふふふ…大丈夫だよ?君らの様な妖まで祓わないよ?」


その声に驚いた小物の妖は慌てふためいた


小物の妖A「っ!見つかった!」


小物の妖B「ひぃ…お許しを!何でもしますゆえ…!」


紀は少し呆れて言った


紀「はぁ…だから祓わないって…ん?待てよ…そしたら…君達この辺で野狐を見なかったかい?」


小物の妖はその問いにピタリと動きを止めた


小物の妖B「野狐様ですか?」


小物の妖A「野狐様ならこの道をずーっと奥に行った湖の(ほとり)によくいらっしゃいましたよ…?」


紀「湖の(ほとり)…?ありがとう」


小物の妖A「い、いえ…それでは」


小物の妖B「失礼致します!」


と行って小物の妖は駆けて行った


紀「鐘雲…聞いたかい?」


鐘雲「えぇ…湖ですか…」


紀「とりあえず行ってみよう」


鐘雲「御意」


そう言って2人は再び歩き始めた。

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