〜災厄の根源〜
新しいキャラが出てきました!
白蛇抄 幾月
東の村の村長をしている、少し前までは白
蛇抄家という祓い屋の前当主だった…妖が
あまり見えなくなった為、祓い屋を引退し
た。性別・男性 年齢・60歳
性格は温厚だが祓い屋をやって来た時は自
分の目的の為なら手段は選ばない冷徹な人
間だった。
村で暴れ回っている妖狐とは…?その目的とは…?
第4話 〜災厄の根源〜
長い距離を駆けた(かけた)2人は目的の場所、東の村より少し遠い森に到着したのだった。
〜東の村の外れの森にて〜
木々が生い茂り(おいしげり)森林浴などには打って付けの少し深い森だった。
紀「よいしょっとっ!」
紀は鐘雲の背から颯爽と降りた
紀「ありがとう!鐘雲!お疲れ様」
そう言うと紀は鐘雲の体を撫でたすると鐘雲は少し気恥ずかしそうに
鐘雲「い、いえ…私は主様の式当然ですよ。」
鐘雲がそう答えると紀は子供が誰かを揶揄う(からかう)様に鐘雲に紀は言う
紀「ふふ…またまた〜照れちゃって〜」
鐘雲「ま、まぁ!そんな事より!天羽様から賜った(たまわった)ご依頼を済ませましょう!」
このままの流れでは事が進まないと思ったのか鐘雲が依頼の話を切り出した。
紀「そうだね…じゃあ村まで歩こうか…ここは村から少し距離があるからね」
鐘雲「?何故村に直接行かなかったのですか?」
鐘雲が首を傾げ(かしげ)素朴な疑問を紀に尋ねる。
紀「あーそれはね…今村の近くで暴れて居るのが妖狐でしょ?村の方々に誤認して欲しくないからね、実際妖の事をよく知らない人は妖狐を見たらすぐに攻撃してくるかもだしね…?それなりの対応を取らせてもらったんだ。」
と自慢げ(じまんげ)に紀が話している、すると次の様に続けた。
紀「だからね?村の中では絶対に狐の姿になってはいけないよ?尻尾も耳も出しては駄目だよ?何があろうと僕が良いと言うまで…分かったね?」
くるっと体の向きを変えるとそう紀は言った。
鐘雲「御意」
そう鐘雲が返事をすると(どろんっ!)と音をたてて鐘雲は美しい青年の姿になった
鐘雲「これで問題ないでしょうか?」
少し不安そうに鐘雲は紀に尋ねる
紀「うん!大丈夫だよ!それじゃあ行こうか!」
鐘雲「はい!参りましょう!」
そう言うと2人は少し深い森の中を進んで行くのであった。
その様子を木々の隙間から見ている者が居た…
??「っ!あれが…巽家現当主…巽 紀か…ふふふ…さぞ僕を楽しませてくれよ?」
そう呟くと木々の隙間から見ていた者は煙の如く(ごとく)消えていった…。
〜東の村にて〜
紀「ここが…依頼にあった村か…」
鐘雲「その様ですね…しかし…これは」
紀達が見た景色はあまりにも悲惨な光景だった…。紀の表情が曇る
紀「何故…村にまで被害が出ている…?一体何が…」
村の家屋が破壊され、田畑が荒らされていた、しかし幸いにも死傷者などは出ていない様子だった。すると遠くからこの村の村長白蛇抄 幾月がやって来た
幾月「おお…紀様よくぞおいで下さった!ありがとうございます」
幾月がそうお礼を告げると一礼をした、そして紀が尋ねる
紀「村長…何故村にまで被害が?被害は近くの森ではなかったのですか?」
幾月「そうだったんですが…」
少し言いにくそうに幾月が続ける
幾月「最初は森で妖狐が暴れているだけだったのですが…それに痺れを切らした若い村人数人が妖狐が暴れている森に行ってしまいまして…」
すると紀が声を荒らげた
紀「っ!なんて愚かな事を!!天羽様から言われていたでしょう!?絶対に妖狐の近くには絶対に行くなと!」
幾月「えぇ…言われておりました…申し訳ありません…私の力不足で…若い衆を止められず…」
幾月俯いた(うつむいた)まま淡々と話した…その様子を見た紀は我に返った
紀「っ!すみません…僕はこんな事言える立場ではないのに…」
幾月「い、いえ!そんな事ありません」
2人が話していると鐘雲が割って入った
鐘雲「幾月様…その妖狐は一体何処に消えたのですか?」
幾月「それが…分からないのです…」
紀「え?」
鐘雲「え?」
紀達は同時に声をあげた
紀「分からない?」
幾月「はい…暴れ回った挙句煙の様に消えていったのです…」
紀「煙の様に…?鐘雲君なら後を追えるんじゃないかい?」
と紀が鐘雲の方を見る
鐘雲「えぇ…多少なら…しかしもう逢魔時この時間に森に入るのは宜しくないのでは?立ちの悪い妖ものも出てくるでしょうし…」
紀「っ…確かに…出来れば早く問題を解決したいが…最低限の処置として…この村に結界を張ってもよろしいですか?村長」
紀は鐘雲の言葉に納得すると村長に尋ねる
幾月「ええ!是非お願いします…私ではもう力は残っていないので…」
幾月は紀の言葉を聞くと深くお辞儀をした
紀「いえ…気を落とさないでください…鐘雲!結界を張る準備を!」
紀は幾月に優しく言うと鐘雲に指示を出す
鐘雲「分かりました」
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