自立した迷子、出立
素人作品です。素人作品です!大事なことだから2回言いました。
更新のんびり。作者そこそこ腹黒なので、主人公もそこそこ。
村から少し離れた場所に建つ一件の小屋。
その裏地に新しい小さめの石碑に、色とりどりの花が供えられている。
先程まで村人達が祈りを捧げていたが、今は一人の青年が佇んでいた。
背中の中程まである金茶の髪を風に靡かせて、じっと石碑の手前を見つめる背中は悲しみと決意を漂わせ、暫くして石碑に向けて一礼をした。
小屋に向かうと壮年の男性が彼を待っていた。
「もういいのか?アイリス」
「はい。ありがとうございました、村長」
「当然のことだ。老師には世話になったのだから」
村長と呼ばれた男は、彼アイリスを気遣うように小屋の中へ促した。
部屋数の少ない小屋の中は整頓されていて、どことなく独特の匂いがした。
アイリスは村長に果汁を振る舞い、漸く人心地ついた。
「いつ頃発つのだ?」
「明後日には。明日は小屋の片付けがあるし」
生活道具と干された薬草、2日前までは主が寝ていたベッドがリビングから見える。
「老師との約束だ。此処の物は全てお前の自由にしなさい。薬草も薬も置いていかなくていい」
「わかりました。鍵は玄関の横の棚に置いていきます。村には寄りませんから。
お世話になりました」
アイリスは表情を変えず、村長に頭を下げた。
迷子から現在まではぼちぼち公開。
するかもです。